今日もいちにち曇り空、ときおり雨の降る不安定なお天気だった。このところ早朝出勤・早朝ダイビングが続いて慢性寝不足、おまけに風邪気味だったので、今朝はたっぷり朝寝してやるぞっと思いながらも割と早めに目が覚めて、それからPCのまえにずっと貼り付けになってしまった。というのは、ワタシがニュースウォッチを怠っていたこの数日の間に、なんとまあ、実に色々なことが日本で起きていたからだ!
インチキマンション・ヒューザー小嶋社長の証人喚問や、それにつづく総研や平和設計関係者の参考人質疑ってのが、大手のニュースメディアではすっかり隅のほうに隠れて(というか、ワタシが読んだ時点では消えて)いたけど、
きっこのブログを読むと、だんだんとワタシの宿敵、
森のおっさん+コイズミの堀が埋められつつあるようで、嬉しかった。あとは前原クンが変なコケ方をしたりして馬渕議員の足を引っ張らないことを祈るばかりだ。
オジャマモンの次はホリエモンの登場で、カブとかまったくわからないダイコンのワタシには、一生懸命に
http://blog.goo.ne.jp/yamane_osamuを読んでも、いまだにその仕組みはチンプンカンプンなのだけど、ようするにホリエモンは現代の錬金術師になりかけたけど、あっという間に化けの皮を剥がされつつある、ってことなのだなあ。ホリエモンはよっぽどの策士かまったくのコドモだろう、というのが以前からのワタシの見解だったので(株主総会で泣いちゃったあたりで、やっぱコドモかなと思ったけど)、やはりコドモでした、って感じ。それよりも、そんなコドモをそそのかして大儲けをたくらんで実行しちゃった奴らがいて、実はホリエモン・ライブドア関連以外にもそんなのがまだウヨウヨいそうで、そっちのほうがよっぽど不気味だ。
そんな話題をサーフィンしているうちに、Yahoo!ニュースで目に飛び込んできて「わぁお~!」と急いで過去記事を引っ張り出して読み漁ったのが、「米狂牛肉、再び輸入禁止」関連。やったぜ、農水省成田動物検疫係官!それにしても漫画のようなホントの話で、あまりにもひどいコイズミの売国ぶりを憂えた良識ある人たちが密かに仕組んだのではなかろうか、と思えるような、見事なヒットであった。
それで、ある年のマリンダイビングフェアでブースディスプレイに使おうとヤップから運んだ大量のヤシの葉を、成田の植物検疫カウンターに持っていったときのことを思い出したのだった。カウンターには実直でおとなしそうな検疫官のお兄さんがいて、虫眼鏡とピンセットでヤシの葉をかきわけて検査しはじめた。ミクロネシアのヤシの葉は、土や虫がついていなければ、いちおう日本に持ち込んで良いらしい。でもワタシが持っていったヤシの葉からは6匹の虫の幼虫が見つかった!うへえ~っと思っていると、「ま、これぐらいは、この虫なら、いいでしょう」とのこと。「そのかわり、あなたの頭の上に載ってる花のレイを調べさせてください」。ヤップを出るときに知人がくれた香りの良いレイを、うっかりそのままかぶっていたのだ。でもワタシは何度も生花のレイを「うっかり」首にかけたり頭に載せたままで成田の税関を通っている。それを言うと、「はあ、あちらは通産省(当時)さんですからねえ、ほんとうはうちに来てもらわなければ、困るんですけど」と、力なくスマイルしてうつむいたお兄さんのお陰で、ワタシの日本国農林水産省にお勤めの方々への印象は、ぐ~んと改善されたのであった。その後ワタシのレイにも「検査済み」のシールが貼られて、めでたく税関も通過できたのだけれど、それにしても今回のこの快挙!日本のお役人さんの中にも、まだ頑張ってる人がいるのがわかって、ワタシはうれし~~~いのだ!
ところがどっこい、ヤップの輸入食品事情は悲惨そのものだ。ヤップ語ではウシのことをガルバオっていうのだけど、これは生きていようが、缶詰になっていようが、冷凍されていようが、お構いなしにすべてガルバオだ。ヤップで一番多く食べられているガルバオは缶入りコンビーフだろう。それにBBQ用のあばら骨スペアリブ、ハンバーガーパテ、ビーフホットドッグ、何が入っているか解らない冷凍ひき肉パックetc.もちろんステーキ用ビーフも売ってるけど、ヤップ人のよく食べるのは前記の加工肉だ。こわ~い話である。それをほとんどのヤップ人は何も知らずに「今日はちょっと贅沢してガルバオにしよう」なんて感覚で買って食べちゃってるのだ。コンビーフ缶をカキカキとあけて、皿に盛った白米ご飯にガバッとのせて、しょうゆをドバッとかけたのが、立派な夕食だったりするのだ。
ヤップの人だけでなく、アメリカ人そのものが自国のビーフがいかに狂ってて危ないか、ホントの情報を得られないような仕組みになっている。友人知人のヤップ人に狂牛肉の恐ろしさを伝えようと英文サイトを検索したことがあるのだけど、とっても驚いた。BSE, Mad Caw Disease, USといったオーソドックスなキーワードで検索して、最初のほうにババーンとしつこく引っかかるのはみな「アメリカ合衆国にはBSEは発生していません」という御用記事ばかりなのだ。
http://www.angelfire.com/biz7/oris/commentary/ORIScomment/Mad_Cow_Diseax.html
なんてホントのことを書いたサイトに行き当たるまで、そうとう時間をついやしてしまった。
だからアメリカやその属国ミクロネシアなどに住んでいると、なかなか本当のことを知るチャンスがない。とくに低学歴・低所得者層ほどジャンクフード、安いビーフ&その加工食品が浸透しているので、そういう層を対象にヤバイものがバンバン売られまくっているのだ。そして、そんなの食べたらヤバイのを知り得る立場のブッシュやその一党=アメリカの一握りの金持ちハゲタカ階級=は、もちろん「安全」と折り紙つきのものしか、口にしないのである。
ところでアメリカのハゲタカ商売人は、もっとすごいことをミクロネシアでやっている。ナント、七面鳥の尻尾をこの国に食品として売りつけているのである。
チキンとおなじく七面鳥(ターキー)も今ではほとんど養鶏、じゃなくて養七面鳥だ。お尻にボンボン抗生剤や成長促進剤を打ち込んで短期間で出荷できるサイズにする。だから尻尾のまわりには、それらの薬品がしこりとなってかなりの高濃度で残っていて、さすがのアメリカでも、七面鳥の尻尾(ターキーテール)は国内では食品として売ってはいけないことになっている。そういう代物であるターキーテールを、ナナナント(どうしても
きっこさんの文体を真似たいワタシ)、米国ハゲタカ商売人はミクロネシアに売りつけ、何も知らないヤップの人は「油が乗っててオイシイよ。安いしね」って、喜んでパクパク食べているのである。
ヤップのたいていの商店には、大きな袋にどさっと入ったターキーテールが冷凍陳列棚においてある。昔からお肉をまったく食べないワタシなので、いまターキーテールがいくらで売られているのか知らないが、ともかく他の肉類に比べても激安なことは確かだ。それにこっちの人は脂っこいものが大好きなので、ターキーテールはあっという間にヤップ人の愛するオカズのひとつとして浸透してしまった。
10年近く前、その頃ヤップ病院にいた良心的なアメリカ人のドクターがターキーテールの危険性を指摘して、「アメリカじゃターキーテールは畑の肥料としてしか売れない代物だ。君たちは肥料を食べさせられているんだ!」と説いてからは、ターキーテールがどんなものか認識している人も増えたはずなんだけど、仕入れる商店も買うほうも、いっこうに減った気配がないのが怖い。中には「I'm eating fertilizer. オレ、肥料を食ってるんダヨナ」なんてジョークをかまして、それでも食ってるのがいる。
こんな状況を見るにつけ、日本の場合もそうだけど、ともかく気づいた者から、たとえそれが賽の河原に石を積むようであっても、めげずあきらめず、知り得た情報を伝達する努力を続けるしかないのだなあ、と思うようにしているのである。
ヤップでも、昔の食の基本はラック芋と魚、海が時化て魚が取れないときは、ラック芋とコプラ(ヤシの実の油身)だった。それでも、大きな石を切り出したり、長い航海をやってのけたり、現代人より余程パワーのある人々だったと思う。日本人の基本食は米など雑穀と梅干、それに海辺の人には多少の海の幸、山の人には多少の山の幸がオカズだったはずだ。それで江戸から京都までトットコ駆けていけるくらい元気だったのだ。
口から入る食物が人を作る大きな要素であるのは、植物を育てみてもすぐわかる。それに最初の土が肝心だ。そんなあたりまえな大事なことが、あたりまえと思えなくなった時点で、もう生存の歯車が狂い始めているのだろう。いまからでも遅くない。Watch out for what you eat!
ヤップの旅の情報はこちらでどうぞ。
http://www.naturesway.fm/index2.html