台風06号 (NOUL)の通過から2日が経ちました。きのうきょうと好天に恵まれ、あちこちの屋根を飛ばされたり、トタンがめくれたりした家から、トンカントンカンと金槌を打つ音が聞こえてきます。雨が来る前に、とりあえず屋根は直さないとね。
そして台風の接近~通過中は、ものすごい量の雨が降ったので、満月のあとで干満の差がまだ大きい日々にもかかわらず、水路の中の濁りがなかなか取れません…。
ところで5月のヤップは卒業式のシーズン突入で、各学校がなんとなくそわそわする時期、高校卒業後に島を離れる子もたくさんいます。ちょっとデキる子や冒険心のある子は、とにかく「島から出たい」。そんなところへ、米軍のリクルーターが甘いささやきをかけてきます。
ヤップ島を含むミクロネシア地域では、現在も全国民の1%以上が米軍に入っており、イラク・アフガン戦争での戦死者は40人を超えました。海兵隊に入って精神がおかしくなって帰ってきた人、あきらかに核物質関連の病気で死んだ若者もいます。戦争の現実と憲法9条の大切さを語り続け、枯葉剤による癌により日本で亡くなった元米海兵隊員の言葉が、ほんとうの戦争を知らされず知ろうともせず、威勢の良いアジテーションにボーっと乗せられている日本人に届きますように:
9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争と平和~
【NNNドキュメント’15】
ウィンザー通信さんが、書き起こしてくださっています:
http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/c9321a56bde91d2f76225e8c05db251dほとんどの国の子どもたちが、戦争を知っています。
アメリカの私の子どもたちは、戦争を知っています。
イギリス、イタリア、フランス、オーストラリア、中国、韓国の子どもたち、みんな戦争を知っています。
しかし、ここ日本では、戦争を知りません。
憲法第九条が、戦争の悲惨さ、恐怖や苦しみから、みなさんを救ってきたからです。
ご存知のように、多くの政治家が、憲法から第九条を消し去ろうと躍起になっています。
断じてそれを許してはなりません。
みなさんと、みなさんの子どもたちは、これまで憲法第九条に守られてきました。
今度はみなさんが、第九条を守るために立ち上がり、声を上げなくてはなりません。
第九条は、日本人にのみ大切なのではありません。
地球に住むすべての人間にとって、大切なものなのです。
アメリカにも九条があって欲しい。
地球上のすべての国に、九条があって欲しい。
世界平和はアメリカから始まるのではありません。
国連から始まるのでもありません。
ヨーロッパから始まるのでもありません。
世界平和はここから、この部屋から、わたしたち一人一人から始まるのです。
それにしても伊丹万作さんの69年前の文章が、頭から離れないきょうこのごろです:
戦争責任者の問題
http://www.aozora.gr.jp/cards/000231/files/43873_23111.html
だまされるということはもちろん知識の不足からもくるが、半分は信念すなわち意志の薄弱からくるのである。我々は昔から「不明を謝す」という一つの表現を持つている。これは明らかに知能の不足を罪と認める思想にほかならぬ。つまり、だまされるということもまた一つの罪であり、昔から決していばつていいこととは、されていないのである。
~~中略~~
いくらだますものがいてもだれ一人だまされるものがなかつたとしたら今度のような戦争は成り立たなかつたにちがいないのである。
つまりだますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。
そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。
~~中略~~
「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。
すべての事が終わったあとで(国敗れて…今度は「山河」も残らないかも)、ヌッポンのヒトビトは、また同じことを言うのでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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