「また雨だなあ…」と窓の外を眺めていると、電話が鳴った。
「カメ肉を少し持ってきたけど、食いにくるか?」
まあ、チョメさんからのこういうオファーは、「ビールをよろしくね^^」という意味だから…ちょうど喉が渇いていたし(笑)、乗ることにした。
「ここんとこ外海は時化ているのに、どこで手に入れたのよ?」
「イトコが2~3日前にルムングで捕ってきた。きょう解体して料理したばかりだから、うまいぞ」
脂っこいカメさんだけではと、とりあえず手早くタマネギとキュウリのスライスを作って、ビールと一緒に駆けつけると、少しどころか、たっぷりのカメさん肉が待っていた。基本ベジのわたしには、ほんのひとかけかふたかけで十分なのに。
鍋からブロックの赤身肉を各自の皿に取って細切れにして、タマネギとキュウリのスライスを乗せ、レモンをギュッと絞って、トウガラシを漬けこんだ醤油をかける。
チョメさんのお皿を写真に撮っていたら、「これも撮れ」と、どかっと2種類の脂身を乗せた。緑色の脂身が甲羅や筋肉の間の脂身で、黄色のが内蔵のまわりの脂身だそうだ。
「この黄色い脂身は、暖かいご飯の上に乗せると溶けて、うまいんだぞー。緑のほうは、そのまま食うのがうまい…」
そんなことをブツブツ言いながら、名残惜しそうに脂身を鍋に戻しているチョメさん。やっぱりメタボを気にしている?「これは明日まで取っておいて、JとGにも食わせてやろう…」
「今年はもうカメさんが取れ始めたの?早いね」
「本格的なシーズンは来月からだ」
「胃の中にプラスティック袋を飲み込んだカメもいるって聞いたけど、見たことある?」
「ああ、以前そういうのを見た。身が痩せてて病気のようだった。やつらはクラゲと間違えて飲み込んでしまうらしい」
「レジ袋なんか、海中に漂っていると、ほんとクラゲそっくりだもんね」
大きな裾礁に囲まれているヤップ島には、アオウミガメが産卵に上陸できる浜はないが、近隣の環礁島へ産卵に来る途中で、餌を食べに立ち寄るらしい。例年、2月と3月は、そういうカメさんが増える時期で、ヤップの海の男たちは、いつカメ捕り漁に行こうかと、そわそわしだす。
いちおう捕って良いのはオスだけで、その売買も島内だけに限定されている。カメさん1匹の現在の相場は、サイズに応じて150から300ドルくらいとか。しかし、捕獲されたカメさんの半分以上は、こうして自家消費されるだろう。ヤップ人にとって、カメさんは豚さん以上のごちそうで、しかも「時期もの」だから。
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