イシナマコを食べてみた : ミクロネシアの小さな島・ヤップより

イシナマコを食べてみた

数日前の日曜日にヤップのはるか南を通過した台風24号（Bopha）が、フィリピンのミンダナオ島で大きな被害を出したそうだ。勢力は2004年にヤップ島を直撃した台風200401号（Sudal）とほぼ同じと見て良さそうだ。Sudalのほうが最大風力は5m/秒ほど弱いが、速度はBophaより遅く暴風域も広かったから、地域に与えるダメージは同じくらいではないか。しかし...風と高潮によって全壊・半壊の建物など（うちの屋根もトタンが3枚めくれて家中水浸し）、ヤップでの人的被害はカスリ傷程度だった。

この違いはいったいどこから来るのか？わたしはハッキリと答えることができる：
〇開発による山林の保水能力の低下＞地すべり
〇父祖伝来の土地を追われた人々の都市への集中＝低海抜地帯への人口集中＞高潮被害
〇自然を離れて都市生活者となった人々の台風への感覚麻痺＞逃げ遅れ...

ほとんどの台風被害は、天災ではなく人災です！

だから、ヤップ島へ外資の大開発を入れちゃ駄目なんだよ！とイシナマコ様も怒っておられます...

と前フリしながら、今回はナマコの話の第2段、このイシナマコ様を食べてみた（ゴメン）。

なぜ最近わたしがナマコに凝っているかというと、日本の対米従属・売国・原発推進派と同様、ヤップの大開発ウエルカム売島めくら派が、「もうすぐアメリカの援助の金が切れるのに、どうやってヤップは生きていけるのか、対案を言ってみろ！」と人々をガンガン洗脳しようとしているからだ。ま、100%自給自足でやっていける自信がある村のおばちゃんやおっちゃんが元気なうちは、そうそうヤツラの言い分は通らないけど、ヤップにもネットウヨみたくなりつつある若いのが出てきているから、そういうのが洗脳の対象となっている（苦笑）。そういう芋を食わなくなった洗脳されやすいヤップB層の言いがかりには相手をしないで、コツコツと自分の土地と海を耕し育てていく、これがヤップ版オリーブの木運動です！

日本を含めてナマコは昔から中国向けへの大きな換金産物でありつづけた。そして19世紀以来、ヤップのナマコも、スペイン、ドイツ、日本、アメリカ、中国系の商売人によって収奪されてきた。中国人の所得が増えるにつれて、これからはナマコの需要はもっともっと伸びるだろう。だからいつまでも外国商人の言い値で売ってちゃ駄目だよ、手遅れにならないうちにナマコの資源管理と市場（売り先と値段）のコントロールをヤップ人の手中に収めないと！それにはもっとナマコを知る必要があるね...だから食ってみよ、というわけだ（笑）。

さてイシナマコの調理、「石」という名前のとおりとても固いナマコだから、タワシでごしごしよく洗って内臓を取り出し割ってみると、中身はきれいな白色だった。それをグツグツ、ひたすらグツグツ、サポニンのあぶくを取り除きながら煮る煮る煮る！（圧力鍋なら1時間とあるけれど、湧き出るあぶくはどうするんだろう？）。2時間近く煮たあと、煮汁につけたまま翌日まで冷ましたら、イシナマコの表皮から出た灰汁みたいなのが分厚くついていたので、それもタワシでごしごし取り除いて、また1時間くらい煮た。

もうこれくらいで良いかな？と判断し（なんたってホンモノの中華ナマコ料理を食べたことないもんで）、冷めた身をまたきれいに洗ってひと煮たちさせたあと、薄くスライスしてから三杯酢＋トウガラシの漬け汁と混ぜ合わせた。その時点での食感は...ふむふむ、こんなもんかいな、という程度。

ところが数日ほど冷蔵庫に入れておくと...なんとまあ、漬け汁をきれいに吸い切って、ナマコはプルンプルンのゼリー状になっていた！わ～お、これならビールの友にもいけますことよ＾＾

わたしのこんな思いと努力にもかかわらず、ほとんどのヤップ人はまだナマコをゲテモノ扱いするけれど、今回はひとりだけ、大学で海洋生物学を専攻した若いヤップの女の子が興味を示してくれた。よしよし！

それにしても...こうして長時間手をかけて調理したナマコよりも、日本のマナマコで作るナマコ酢のほうが、やっぱりわたしには美味しいな。生であの食感が出せるナマコが南の島にもいるのだろうか？

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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