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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ミクロネシア銀行のATMが本格稼動

7月の半ばに上げた記事「ヤップに2台目のATM」で、ミクロネシア銀行(Bank of the FSM)がATMの導入を準備していることを報告したけれど、その後、9月も末近いころになって、ようやく「Out of Order」の張り紙が取れて稼動し始めた。
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モニター画面では、ミクロネシア連邦内のビーチやマングローブなど、癒し系の美しい風景が切り替わっているので、ATMに用のない人でも、しばし立ち止まって観賞してみては?ヤップに新しいツーリスト・スポット登場!(笑)。しかも場所はヤップで一番の繁華街(!?)、YCAストアのアーケード内だから、アクセスも抜群だ。
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しかし...その場所の利には同時に危うさでもあって...。グアム銀行にあるヤップのもうひとつのATMと同様、外壁をくりぬいてスポッと埋めこまれているだけで、周囲に衝立も何もないのだ。しかも銀行に用のない人はまず訪れないグアム銀行と違い、ウイークデイの日中、このあたりにはたくさんの人がたむろっている...。こんなところでヘタに金を引き出していたら、「suyap、ちょっと〇ドル貸してくれや」というのが絶対に出てくる。もちろんそういう手合いに貸した金は絶対に戻ってこないから、たとえ数ドルであっても「あれ~、ゴメンね、いまキャッシュ持ってないのよ!」というミエミエの嘘でたいていは切り抜けるのだが、さすがに金を下ろした現場を見らていては、それも通じないよね(苦笑)。だから、便利なところにATMができても、自分で使うことはまったく想定していなかったのだが...。
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10月に入ったある日、銀行に行くと、「suyapはどうしてカードを作らないの?」と聞かれた。「銀行が閉まっててもお金が下ろせるし、便利だよ~」と。しかも当座預金口座があればカード作成はタダ、カードでお金を引き出すのに課金なしだというし...ついに上手な営業トークに乗せられてか、「エイッ」と申し込んでしまうはめに。そして待つこと、一ヶ月...銀行の担当者から電話があった。「カードが来たから、都合が良いときに取りに来て!」

ミクロネシア銀行のATMが本格稼動_a0043520_10275278.jpg担当者に即されて渡された封筒を開けてみると、なんとまた!きれいにチューブを巻いた波の画が印刷されたカードが出てきた。左下には小さくサーファーもいるし、撮影場所はポンペイかな?「仮のPINコードを聞くのにポンペイ(首都)の本社に電話するから」と担当者。その4桁の仮のPINを紙に書き取った彼女は、「さあ一緒にATMのところに行きましょう!」

「えっ?いまのこの人通りの多い時間帯に?」

「早く仮のPINを変えたほうが良いのよ。suyapにひとりで出来るかしら?」

日本時代に銀行カードの使用には慣れているつもりでも、そこまで言われれば、根っからの機械オンチでもあるわたしは自信をなくすよね(笑)。そんなわけで、たくさんの目が見守る中、彼女の手取り足取りの説明を受けながら、無事にPINを自前に変えましたっ!

ミクロネシア銀行のATMが本格稼動_a0043520_10304032.jpgところでカードの両面をよく見ると...「これってクレジット・カードと作りや見かけがまったく同じなんだけど、もしかしてクレジット・カードとしても使えるの?」

どうやら担当の彼女自身がクレジット・カードそのものをよく知らなかったようで、とうとう上司が説明に出てきてくれた。内容は、デビット・カードとクレジット・カードの違いについて。クレジット・カードは買い物のあとに月極めとかローン払いで決済されるけれど、デビット・カードは買い物した時点で決済されるとのこと。言われてみれば当たり前のことだけれど、今まで深く考えたこともなかったな~。そういえば、日本でも買い物カードなんて持ったことなかったし。

というわけで、口座に十分な残額さえあれば、このミクロネシア銀行のデビット・カードも、従来のクレジット・カードと同様、ネット・ショッピングや通常のショッピングにも使えるとのこと。ただし1回の決済額は500ドルまで。

日本と違い、こちらでクレジット・カードを持つには、まるで高額な借金をするかのような面倒くさい審査があり、しかも年会費が60ドル以上とたいへんに高いのでわたしは作る気はなかったが、この無料のデビット・カードなら、今後いろいろ使い手がありそうだ。しかし...利用者側に一切負担を負わせないってことは、カード支払いを受ける側へのコミッションでカード会社は儲けを出しているわけで...クレジット・カード支払いを受ける身に立ってみれば、ちと考えさせられる。現在、この国ではカード売り上げの4.5%から5%が、カード会社に持っていかれっちまうのですよ~(泣)。やっぱり、今日もニコニコ現金払いのその日暮らしが、いちばんわたしの性には合ってるような...。

とりあえずミクロネシア銀行のVisaデビット・カード導入を祝して、下に世界のVisa様のフィリピン・グアム地域マネージャーさんからのメッセージを貼っておきましょ:
HAGTNA, GUAM (Marianas Business Journal, Sept. 24, 2012) The Bank of the Federated States of Micronesia (BFSM) and Visa have launched the FSM's first domestic Visa Debit card and the bank's first ATMs. BFSM Visa Debit card offers bank patrons access to the financial mainstream and a safer way to carry money and manage their personal finances without having to visit a bank to access funds. The new BFSM debit cards can be used in Micronesia and anywhere Visa is accepted. Tourists to the FSM will also be able to access their funds at the bank's first four ATMs - one at each of the bank's branches in Chuuk, Kosrae, Pohnpei and Yap. Iain Jaimieson, Visa's country manager for the Philippines and Guam, traveled to Pohnpei for the launch.

"It's the first time anyone from Visa has visited Micronesia," he said the prior to his trip to the FSM. The company believes that while the amount of spending is small, its business in the FSM will increase with the introduction of the debit cards and the spread of the technology to use them. "Everyone knows that Micronesia is one of the best dive sites in the world," he said. He said the company notes card activity by travelers from the U.S., Australia and Europe at hotels where the cards are accepted. "It's all happening at the dive sites and things like that. I want to see how we can expand that network. ... It's an exploratory visit to see what's going on."



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by suyap | 2012-11-06 12:16 | ヤップな日々
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