ヤップ島のミル・チャネルでは、このところマンタが順調(?)に出てきてくれているので、ガイドとしては助かっているけれど…
マンタに見とれたり、写真撮影に夢中になっているダイバーたちの足元では、大勢のサンゴたちが悲鳴を上げている。
上の写真のダイバーは、生きたコブハマサンゴの上にどっかりと座りこんじゃってる。実はこういうヒトはすごく多くて、彼らはコブハマサンゴを「ただの岩」だと思っているんだろう。
こういうヘビーな「お触り」のために、ダイバーがたくさん入るようになるとコブハマサンゴの表面にいるサンゴ虫が死んでいき、彼らが何十年、何百年にわたって構築してきたサンゴのおうちは、ほんとうに「ただの岩」になってしまう。
上のダイバーは足元のもろいユビエダハマサンゴをフィンで踏んづけちゃっている。たぶん彼にはこれらのサンゴが「ただのガレ場」にしか見えないのだろう。それよりマンタ!マンタ!ってね(怒)。
新しいマンタ・ウォッチの場所が開拓されるたびに、こういうサンゴの破壊が繰り返えされて、やがてその場所はほんとうの「ガレ場」になってしまい、そうなるとマンタをクリーニングするベラ類も「家」や「餌」を失って寄り付かなくなるから、ついにはマンタもいなくなってしまう。
わたしの場合には、ダイバーと潜る前にひととおりの注意をし、それでも生きたサンゴと死んだサンゴの区別がつかない人(サンゴ礁に接する機会がなければ、ここまでは普通)には水中でも区別のつけ方を教えて、できるだけサンゴにダメージを与えないように気をつけてもらうようにしている。
それでも(サンゴやまわりの自然を)「気にしない」、あるいはダイビング技術的に「気配りする余裕がない」人には、できるだけ新たな破壊を招くような位置に行かせないようにする(爆)。しかし…それもあまり強引にはできないし、ましてよその店のゲストに手は出せないし…ほんとうにわたしも因果な仕事をしているもんだ。
これは個々のガイドがどーのこーの、どこのサービスがどーのこーのという問題だけではなく、たぶんダイバーそれぞれの生き方とか、性格とか、価値観の問題でもあるんだよなあ…そんなことを考えながら、毎度、毎度、まるで賽の河原に石を積むように、「生きてるサンゴ」「死んでるサンゴ」と書いた水中スレートを指し示したり、生きたサンゴの上に置かれたダイバーのフィンや手をそお~っと移動させたりしながら、こんなダイバーを水中に連れこんでいる自分の罪滅ぼしをしようとしているわけだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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