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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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境界線はファジーなほうが良い

あれやこれやであわただしい日々が続いていて、ブログの更新をすっかりサボってしまった。ヤップでもニホンでも世界でも、気になるニュースがたくさんあるのに、ゆっくり落ち着いて情報整理する暇もなく...。

そんなわけで今回も少ない時間でのやっつけ記事になるけれど、いまニホンでもホットな「境界線(国境)」の話題、ヤップ・バージョンを(笑)。
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上の写真はセンネンボク、ヤップではリーチという名前の植物で、抗菌作用があるらしく、薬や食器のかわりにもなるので、あちこちによく植えられている。またこれは、土地の境界線の目印としても植えられる。

境界線の目印なら、もっとしっかりした大きな木々のほうが良いのでは?と思われるかもしれないけれど、ヤップでは逆に、このような簡単に植栽できる小さな木々(?)が選ばれる。
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もうひとつ境界線によく使われているのは、ヘンヨウボクの仲間(属名からクロトンとも呼ばれる...写真上下)で、ヤップの名前はガチューグ。こちらも挿し木で簡単に根づくけれど、背丈は伸びてもせいぜい2メートルくらいで、ひょろっとしている。

ヤップの名前には、その名前を受け継いだ人がそこで自給自足できるように、一定の土地や海がセットでくっついている。しかしその土地に頻繁に通って手入れ(畑や田んぼや道の整備など)をしていなければ、いくら「ここはオレさまの土地だもんね」と思っていても、だんだんに通用しなくなる。せっかくご先祖様の名前を引き継いだのに、それに付随する土地や海の世話をしていなければ、その所有権を強く主張できなくなるわけだ。

センネンボクにしてもヘンヨウボクにしても、そこの土地に頻繁に行って剪定したり植えなおしたりしていないと、そのうち形が変わったり消えてしまったりするから、「この土地はちゃんと世話してますよ」という証明になりやすいのかもしれない。
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ある場所や畑に長いこと行かないでいると、いつのまにか隣人のバナナやパパイヤが侵食してきたり、境界にしていたセンネンボクやヘンヨウボクが植えなおされて、自分の土地が狭まっていたり、まあヤップでもいろいろあるようだ。それでも普通は決定的な争いになることは稀で、植えなおされた境界植物をまた植えなおしたりしながら(笑)、たいていはみんなファジーなままで過ごしている。

そんなファジーな境界線の小競り合いがこじれるのは、現代ヤップ社会ではほとんどといって良いほど、よそ者がもたらす「金」が絡むときだ。そういった目でニホンの尖閣諸島や竹島の問題を考えてみると(いきなり‐笑)、さて日本や中国や韓国を領土問題でホットにしておいて、ほくそえんでいるのはだあれかなー?

な~んちゃって、時間切れの知りきれトンボで今回も失礼!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2012-08-22 08:41 | ヤップな日々
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