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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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新桟橋が浮いた!

先週の月曜日から取り外し解体作業を始めたマリーナのわが桟橋...新桟橋用の木材もなんとか調達することができて、突貫工事?で作業が続いていた。

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上では「わが桟橋」と書いたけれど、ヤップ・マリーナ施設の土地と建物は、実は州政府のものだ。レストランを含むその施設の運営を、州政府は民間に丸投げでリースしていて、うちと、もう一軒のダイビング屋さんが、そこにサブリースのテナントとして1994年から仲良く入居していて、それぞれに小さな「桟橋」を構えている。

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ところがわたしたちが入居して以降、直接の「大家さん」たるマリーナ施設の運営者(会社)は何度も代替わりして、今の大家さんで4代目になる。「大家さん」が変わるたびにマリーナ施設はテナントごと政府と新しい運営者の間を行ったりきたり、大家さんが決まらなかった期間も数年に及ぶ。その間に設備の修理保全の責任はだんだんと不明瞭になっていき、ついにどこが壊れてもテナントが自らDo it by yourselfで直すという「暗黙の了解」ができてしまった(誰かが直してくれるのを待ってたら商売にならないし...設備を勝手にいじれるのは便利な面もるけど...苦笑)

新桟橋が浮いた!_a0043520_1293338.jpgこのマリーナ施設はもともと80年代後半に、アメリカ政府の助成金で建てられたものと聞いている。アメリカン・スタンダードの丈夫なマリンウッドや大きなプラスティックの浮材を使ったオリジナルの桟橋は、ダブル・ウイングが連なる大そう立派なものだった。しかしそれらは台風のたびにボロボロと欠けていき、そのたびにテナントが自前で残ったパーツをかき集めて直しながら使ってきた。老朽化が進んで今回作りなおすことにしたうちの桟橋は、11年前に大破したあと、幸いなことに当時の大家さんが作ってくれたものである。

新桟橋が浮いた!_a0043520_1294499.jpgしかし島にはマリン用の木材など無いから、普通の輸入木材ではやはり10年ちょっとが限度だったのかも。しかも6個の浮材をつなぐビームには80年代のオリジナル・マリンウッドを使用しており、これがもうボロボロになっていた。

そこで今の大家さんに新桟橋製作の協力を働きかけてきたけれど、「そのうちに島産の丈夫な材木をあつらえるから...」となかなかラチが開かない。今年あたりからまた台風の当たり年になるというのに、このままでは次の嵐でバラバラになってしまう恐れが大きく、そうなったら大事な浮材やボルト類まで失ってしまう...というわけで、今回はエイヤッとすべて自前で、木材を全とっかえすることにした。

そうはいっても充分な太さや長さの輸入材を島でそろえるのは無理なので、あれこれ試行錯誤をした結果のつぎはぎ設計だ。オリジナル桟橋から使用されているステンレス製のボルト・ナットやL材を、かき集められるだけかき集めて磨いて再使用しないと、再建もままならない。手を酢や油だらけにしながら100本近くに及ぶそれらを分解して磨いていると、「suyapは工具をたくさん持ってるんだね!」と様子をのぞきにきた大家さん。「あたりまえでしょ、ダイビング屋なんだから!(ムッ)」

新桟橋が浮いた!_a0043520_1295322.jpg力仕事の現場監督を頼みたかったチョメさんは、村で重要な集まりや葬式が入ったりで全部の行程に立ちうことができず、お陰でこっちものほうも、臨時雇いのニイチャンたちに大声あげながらわたしが監督するハメになった。潮の上下する時間を計算しながら、決められたところに穴を開けて木材をボルトで締めていくだけなので、作業自体は難しくはないのだけれど、全体を見通して手順を決めていく脳内作業は...臨時雇いのニイチャンたちだけでは無理だった...。

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「おっ、suyapはダイクサン(これ、ヤップ語です)もやるのか?」と、冷やかしの声を周囲で聞きながら(とほほ)、でもまあ...いろいろな試行錯誤はあったけれど...なんとかフレームが組みあがって新桟橋が再び水に浮いたときにはホッとした。その安堵と嬉しさの勢いで、お昼にはニイチャンたちにピザを大判振る舞いしてしまったのだが...。

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その後、重いアルミ製のランプをピザ力でもって人力で引き上げてくれるかと思いきや...若いニイチャンたちはすぐに根を上げてしまった。

「suyap、これは人力では無理だよ、上がらないよ。重機を雇えよ...」(このランプは台風で落ちるたびに、今までずっと人力で上げてきたんだよ、この軟弱者めが!)。 これにはチョメもあきれていたけれど、まあ重機はすぐに手配できたので、ハイハイ、そうしましょ(笑)ということになった。

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そして最後の床板張り...指示を出してちょっと現場を離れて戻ってみたら...なによ、この不統一なスペース配分は!?

老朽化している浮材から水を抜きやすいように、それらのフタのある部分を考えて板を配置するという課題はあったのだが、それにしても...。しかし床板張りをやりなおすには時間もかかるし木材を痛めるので、これには目を泣く泣くつむることにした(ため息)。

これからこの桟橋に足を踏みいれる機会のある皆様方、このアンバランスなフロア・アートを、どうぞ充分にお楽しみくださいませ(苦笑)。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2012-07-10 12:22 | ヤップな日々
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