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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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中国人のための中国人による中国人のヤップ島開発に徹底反対!(その2)

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まずカナダ人(白人)スタッフをヤップに常住させて、この人物がヤップ人シンパを伴って村々をまわり、土地を物色し始めた。ヤップ人は日本人同様に白人に弱いから、良い手を考えたものだ。当然、村をまわるときに手ぶらで行っていたわけではなかろうし、ビールをふるまっただけでもなさそうだ…。

そして同年の8月、鄧鴻氏(Deng Hong)は再びチャーター機でヤップを訪れて、ヤップ州政府高官らと諸々の協議を重ねた模様。その翌月にはヤップ州知事の要請で、ETGタスク・フォース(メンバー非公開)が立ち上げられた。それと平行するように、あちこちの村から不協和音が聞こえてくるようになった。ETGはいったいヤップで何をするつもりなんだ?と不安に思う人も増えたが、ETG側からもヤップ州側からも、なんら公式な開発計画の発表はなかった。
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そんなおり、10月の初めになって、ミクロネシア連邦の首都ポンペイで発行されている新聞カセレリア・プレスに、ETGのヤップ・リゾート開発計画の詳細が掲載され、グアムをはじめ環太平洋の他紙もそれを追載した。いわく、2015年までにヤップにトータル4000の客室を持つ8~10の豪華リゾートホテルと8~10のゴルフコース、カジノ、コンベンション・センターを建設し、客室規模は2020年までに10000から20000まで増設を予定…と。

このスッパ抜きが、ETG、あるいはヤップ州関係者の、どちらの筋から出てきたものか定かではない。しかし、島内当事者を差しおいて、島外のメディアから間接的に流れてきたETGの「プラン」に接して、ヤップでは大騒ぎとなった。ローカル雀らのココナッツ・ワイヤー・ネットワークによると、なんでもETGのマスター・プランは英語と中国語で書かれた50ページ以上にも及ぶものらしいとか、政府はどうしてそれを公表しないんだろう?とか...それに2人の息子さんが中国に留学中の州知事は、痛くもない(?)腹を探られても仕方ないよなとか(笑)。

それにしても、馬鹿げた計画だ。ヤップ島の陸地面積は約100平方キロ、現在そこに住む人口は、赤ん坊も入れて7000をちょっと越える程度。比較にグアム島を用いれば、その面積は549平方キロでヤップ島の5倍以上もあるところへ、在住人口は約18万人、大小あわせて40弱あるホテルの総客室数は8000前後でゴルフ場は7つ。そして、それらを満たすビジター数は年間110~120万人といったところだ。

どうやらETGは、その初期計画だけでも、密度的に現状のグアムの3倍を上回る規模の開発を、ヤップに企んでいることになる。この計画が、いかに先祖代々その地に住む人々の生活を無視した、無謀なものであるかがよくわかる。そもそもホテル経営には、マネージメントからパートも含めて客室数と同じ程度のスタッフ数が必要なわけで、その労働力はいったいどこから来るのだろう?またリゾートには大量の水が必要とされるけれど、今でさえ乾期のひどい年にはすぐに水不足となる島で、どうやって調達するつもりだろう?降雨量は決定的に足りないし、地下水源だって無限ではない(島が沈む)。そしてなによりも環境へのインパクトはとてつもなく大きく、もしこれが着工されると、ヤップは島ごと丸坊主にされてしまい、陸の上も海の中も、回復不可能なまでに完全に死んでしまうことは確実だ…。それをヤツラはしゃあしゃあとエコ・ツーリズムと言い募り、ツーリズムのツの字、ましてやエコ・ツーリズムのエの字も想像できないヤップの村の人々や、政府高官を騙しまくってやがる(怒)。

それでもまだ、ヤップの土地所有システムを知っているものとしては、「そんなに土地が集まるわけないだろう」とタカをくくっていたら、あちこちから立場の強弱を利用してごり押し話が聞こえてくるようになった。また境界線をはっきりさせるために、州の土地管理局に測量を要請する地権者も出てきた。そして州知事以下エライさんらが、ETGが開発した四川省のリゾートに招待されたらしいという話も、聞こえてくるようになった。幸いなことに、州議会議員らだけは、いまだに一致団結して「ご招待」に乗っていない。

そして今年の1月12日、ETGの鄧鴻氏がチャーター機で3度目のヤップ訪島をした際、ヤップ島の伝統リーダー会議(COP)議長と「覚書(MOU)」を手交した…というので、また大騒ぎになった。伝統リーダー会議というのは戦後アメリカによって作られた組織で、実は伝統的なものではない…のだが、すでに勘違いしているヤップ人も多いから、これも混乱を招くもとになっている。幸いなことに、このとき州知事はETGとMOUを交わすことを「保留」し、州議会は無視した。

さらに1月26日、ヤップ州議会は州知事に「ETGの計画がもたらす影響をすべての住民が充分理解するまで、ETGといかなる書面も交わさないように」要請する決議を採択した。

後に発覚したところによると、ヤップ州政府(ETGワークグループ?)は2月付けで、ETGによる(幻の?)開発計画マスター・プランに対して、カウンター・プロポーザルを出していたようだ。それによると、ホテルは4000室まで、ゴルフ場は2つまでを上限とし、カジノには一切触れず(ギャンブル合法化立法が必要)、最後に「中華人民共和国がミクロネシア連邦を含むアメリカの同盟国と敵対関係となる事態が発生した際、ETGとその傘下企業への外国資本投資許可は速やかに失効する」という一条がある。5月21日のタウンホール・ミーティングでは、今のところ、これに対するETG側からの反応(カウンター・カウンター・プロポーザル)は何もないということだが、万が一、ETGがこれを飲んだら...これまた大変なことになる。牛歩の戦術で敵があきらめるのを待つ?

このカウンター・プロポーザルの完成を待ってかどうか、ヤップ州知事はヤップ州議会議長に1月26日の決議に対する返答を送り、議長はそれにすぐさま返信をした。

いっぽう村や巷にはいつのころからか、ETGの開発計画を宣伝するパンフレットが出まわるようになり、そこには3人の中国人と1人のカナダ人の携帯番号(ヤップ島内局番)が載せてあった(その後、カナダ人は島を去った模様)。

その間、島の住民有志らによって、州政府やリーダたちに「住民が充分に内容を理解して同意するまでETGの開発計画を進めないように」陳情する署名が1500筆以上集められ、4月半ばに州議会に届けられた。それらも受けて、4月19日、ヤップ州議会はETGに対して、「ヤップ州民の福利向上を付託されたヤップ州議会が承認するまで、ヤップ州内でETGの計画を進める活動を一切行わないように」要請する決議を採択した。

驚いたことにそのすぐ翌日、伝統リーダー会議議長はETG鄧鴻氏宛てに、「1月に結んだMOUのとおりに協力するから、最近の動きは気にしないくれ」とメモを出した。

その鄧鴻氏は、別のチャーター機で到着した中国進出口銀行(China EXIM Bank 中国輸出入銀行)総裁らの一行と合流するため、4月23日にチャーター機で4度目のヤップ訪島をした。鄧鴻氏のチャーター機にはミクロネシア連邦の駐中国大使も同乗してきた。中国進出口銀行総裁の李若谷(Li Ruogu)氏はヤップ州高官を招いたレセプションで、「ETGの鄧鴻氏がミクロネシア連邦にプロポーザルを出しているが、その開発計画を考慮するにあり、われわれにもこの国の人々、とくにヤップ州の人々をより良く知る必要が生じたので今回の来訪となった...」と述べた。中国進出口銀行の李若谷氏一行は翌日インドネシアに向けて飛び立ち、ETGの鄧鴻氏一行に加えて駐北京ミクロネシア連邦大使らは、ミクロネシア連邦大統領とのミーティングのため、ETGのチャーター機で首都ポンペイへ日帰りを果たし、翌日ヤップを去った。

以上が、5月21日のタウンホール・ミーティングに至るまでの、だいたいの動きである。

ところでETG会長の鄧鴻氏とは、いったいどういう人物だろうか? 彼は1963年生まれと、まだ若い。父親は中国空軍高官で、鄧鴻氏自身も軍を退役したあと、1993年にアメリカに移住してグリーンカードまで取ったのに(2年で取得とは速すぎ!)、なぜか2年後に中国に戻り(奥さんは中国系アメリカ人)、四川省成都で開発事業を始めたという。当時は江沢民国家主席の時代で、鄧鴻氏も江沢民氏に強いコネクションがあったらしい。また四川省出身の「鄧氏」と聞けば、なんといっても鄧小平元国家主席が思い浮かぶ。直系ではないにしても、おなじ「鄧氏」を冠した客家ファミリーとして、その繋がりは多いに利用できるのではないか?ともかく鄧鴻氏が四川省の客家なら、世界を股にかけた大きな商売も上手いはずだ…。とはいっても彼の肖像は、わたしにはなぜかホリエモンとかぶって見える。そのうちコケるんじゃないかと(I hope-ざまあ..笑)。

タウンホール・ミーティング以来、ヤップではこの件に関して表面上はやけに静まりかえっている。しかしETGのパンフレットに連絡先が載っている3人の中国人の動きは、非常に不気味だ...。

ヤップ州議会の決議には法的拘束力はないけれど、ヤップ州政府執行部がそれを無視して、いきなり外国資本投資許可を出してしまうようなことがあるとは思えないが…。しかし鄧鴻氏がこのまま簡単に引き下がるとも…思えないし。

「開発」が及ぼす島への壊滅的な影響を想像もできず、「観光」にもまったく疎い人々が、目の前の「利益」だけに目がくらんで、有象無象とうごめきまわっている様は、まるでどこかの国の原子力村の住民と、それらに騙されているB(aka)層な人々とかぶる。

大切なのは、まっとうな想像力と、生物的なと、ゆるぎない独立心だ。アメリカの援助の金が切れたらどうする? とか、電気が足りなくなったらどうする? とか、そんなデマに乗せられるのは、想像力と、生物的感と、独立心を失った証拠で、そういう連中からまず淘汰されていく。要するに、せっかくひとりひとりに授けた能力=アタマと五感(+1)を生かせないなら、この世に置いておく価値ねーなってカミサマだかホトケサマだかに査定されるのだろう(笑)。

物質世界にもだえる闇世界の奈落に落ちる道を選ぶか、軽やかな光に包まれた精神の高みを志向するか…いま、全地球規模で選択/選別のときを迎えているのかもしれない。ひとりひとりが「選択」する…あるいは選別される…とき、なんでしょうね。

こちらのページ:ETGアーカイブは、新たな動きや情報が入り次第アップデートするので、興味のある方は見ておいてください。

また、こんなくだらない破壊からヤップの自然や人々の暮らしを守るために、有用な情報や、コメント、アドバイスがあれば、このページのコメント欄に、公開でも非公開でもかまいませんからお寄せいただければ幸いです。


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by suyap | 2012-06-03 15:12 | ヤップの開発問題(ETG)
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