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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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中国人のための中国人による中国人のヤップ島開発に徹底反対!(その1)

さきほど投稿したものを大幅に書き替え、長いので2部に分けました:
>>>中国人のための中国人による中国人のヤップ島開発に徹底反対!(その2)へ進む


ちょっと時間が経ってしまったけれど、先月の21日に、ヤップで初めての「タウンホール・ミーティング」なるものが、ヤップ州知事のお声がかりでコロニアのコミュニティ・センターで開催された。

午後2時からのこの集まりに、手の空いているヤップ州職員には有給扱いで参加の指示、私企業にもできる限り雇用者の参加に便宜を図るように...とお触れが出ていたけれど、いざその時間になってみると、2000人は楽に入れる会場にやってきたのは、せいぜい150人くらいだったかな?下写真の広場真ん中に固まっているのが、ヤップ州政府の担当部長~課長たち。その前に用意された意味不明の椅子を利用する者はほとんどおらず、おおかたは遠く離れた観覧席に陣取っていた。
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会場まで出向いてきた人の数は少なかったとはいえ、ミーティングの様子はライブでラジオ+インターネット中継されていたから、島内のかなりの人が聴いていたはずだ。まず初めに身内の不幸を理由に州知事が欠席することが発表されると、「葬式も、それにともなう本人の公式休暇も先週で終わっているのに、なんで出てこないんだ…?」という囁き声もちらほらと聞こえてきた。

というのは、ちょうど一年前からアプローチが始まった中国の投資家集団によるヤップ島のリゾート開発計画について、ヤップ州側が初めて公衆に現状説明をする・・・というのが今回のミーティングの趣旨であり、州知事は最初から中国人側の要求や進展状況をつぶさに知る立場にある責任者とみなされているからだった。また、このようなミーティング(説明会)の開催は、ヤップ州議会が前々から州政府に要求していたことで、ようやく(しぶしぶ?)それが形となって、この日を迎えたからでもあった。

ところが総責任者の州知事を欠いた上、この問題に関係する部署のヤップ人または離島人の部課長らも表立った発言を控えたがる中、ほとんどの状況説明と答弁を行ったのは、アメリカ人のアシスタント司法部長だった(司法部長も先月突然辞任してしまったからね)。

そこでヤップ語を解さないアシスタント司法部長と離島人の開発資源部長らのために通訳が用意されていたのだが、この人物がどうやらマトモに通訳していなかったらしい。そもそも会場まで足を運んでくるほど高い問題意識を持っているのは英語も堪能な人たちばかりだから、通訳がちゃんと仕事をしていないことはすぐにバレた。そこでヤップ人らしい暗黙の抗議として、なんと100%ヤップ語だけの質問が、延々と続いていった(笑)。これで少なくとも質問者の意図だけは、ラジオを通して聴いている人たちにも、ちゃんと伝わっただろう。だってこれはヤップ島に住むヤップ人たちの問題なのだから!

このような開発にともなう土地集めの問題は、ヤップ島の人々と土地のつながりを、しっかりわかっていないものには理解できない。個々のヤップ人が真に伝統的な土地の代弁者であろうとしている限り、よそ者が広範囲な土地のリースなどできるわけが無いのだ。それだから、この大開発計画をヤップで実行するのはまず無理だろうという希望を、わたし自身もまだ捨ててはいない。そういうこともあって、今までこのブログでも取り上げてこなかった。

しかし、5月に入って日本の雑誌記事でも取り上げられたことだし:

ヤップ島に中国資本―大開発始めるワケ
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1859

こうしてタウンホール・ミーティングも行われて(ほんの一部)情報公開もなされたので、そろそろこの辺で、現在に至るまでの経過をまとめておこうという気になった。また自分自身の頭の整理や、ヤップの友人たちと情報をシェアするために、アーカイブ・サイトも立ち上げてみたので、興味がある方はご参照ください:

ETGアーカイブ(英語のみ)

まず、この投資家グループ(Exhibition and Travel Group (ETG/会展旅游集团))がミクロネシア連邦ならびにヤップ州のことを知ったのは、2010年の上海エキスポでのことだったという。それからミクロネシア連邦の在北京大使館を通してやりとりがあったあと、彼らの代表が初めてヤップを訪れたのは、去年の3月のことだった。

そこでざっと下見を終えたあと、ETG会長の鄧鴻(Deng Hong)氏ご一行は、ちょうど1年前、チャーター機を駆って初めてヤップを訪れた:

中国の「投資家集団」がチャーター機で飛来
http://suyap.exblog.jp/12857669/
彼はこのときのレセプションで、「ヤップやミクロネシア連邦に、今すぐに投資は考えていないこと。(彼らが目指す)大型投資は、地元の人々との関係をしっかり築きながら、地道に進めないと上手くいかないこと」
なんてことを言っていたという。それを聞いて、わたしも安心していたのだが、やはり甘かったようだ。それからあれよあれよという間に、彼らは着々と事を進めていった...

>>>中国人のための中国人による中国人のヤップ島開発に徹底反対!(その2)へ進む

(同一テーマの記事)
中国人のための中国人による中国人のヤップ島開発に徹底反対!(その2)
http://suyap.exblog.jp/15478850/
ブルートゥース・ナグ
http://suyap.exblog.jp/16355238/
流行のステッカー
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果報は寝て待て???
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大統領との会見
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パパイヤガラスもあきれてる...
http://suyap.exblog.jp/17219576/
おひさしぶりです
http://suyap.exblog.jp/17432052/
ヤップ島の巨大開発に反対するオンライン署名募集中
http://suyap.exblog.jp/17531397/
やっぱり果報は寝て待てか?
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結実まであと一歩?!
http://suyap.exblog.jp/17756107/
懲りない面々
http://suyap.exblog.jp/17925665/


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2012-06-03 05:19 | ヤップの開発問題(ETG)
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