季節の移り変わりが日本のように気温や植物によってハッキリ見えない南の島では、タイトルの「新春」なんて表現はおかしいかもしれないけれど...
年末年始の仕事の忙しさから解放されてホッとしてみると、やはり「新」しい年の「春」がめぐってきたように思えるから不思議だ。とくに穏やかな好天に恵まれて、↑こういう↑うららかな景色を見るとね。
それでも今年の「新春」は、仕事で忙しいあいだもずっと気になっていたことがあった。
ヤップ人の友達のひとりがちょうど一週間前に緊急入院となり、その3日後には右足を膝下から失ってしまったのだ。つま先の傷が糖尿のせいで急激に悪化したのだという。大きな処置は何もできないヤップの病院でも、歯を抜いたり足や腕を切ったりするのは上手いらしく、それらは年間けっこうな数をこなしている。
彼=Tさんは、まわりには全く理由を告げず、2年前からキッパリと酒を断っていた。呑み仲間のひとりでもあったのでちょっと残念だったが、何かでみんなが集まるようなときには、コークなどの缶飲料を飲み続けながら、ずっとつきあってくれていた。そんな彼が糖尿持ちだったなんて!「実はオレ糖尿なんだ」とひとこと打ち明けてくれてさえいれば...と、今もとても残念だ。缶飲料に含まれる砂糖の量が半端じゃないことを、きっと知らなかったのだろうな。
彼はまた、毎夕方、けっこうな距離を歩いてもいた。ああそれなのに...毎日たくさん飲むコーヒーには(本人は控えたつもりでも)まだ砂糖を入れていたし、ビール代わりに飲むようになった缶飲料も...相当な量だったのかもしれない。
そして...爪を傷めたのがきっかけで膿んできたつま先がなかなか癒えなくても、すぐに「おかしい」という発想を持てなかったようだ。あるいは恐くて、現実を受け入れることを無意識に避けていたのかも...。
たまたま先週の火曜日に用事で電話を入れたら、ハアハアと荒い息づかいをしているので「どうしたの?」と聞くと、「熱が出て家でふせっているけれどすぐに直るから」というので風邪かなと思っていたら、本人はその後二日間も病院に行くことを拒み、ようやく年老いた母親の説得で医者の前に担ぎこまれたときには、もうヤップの病院では膝下切断しか打つ手がなかったとのこと。
今日、手術後初めて見舞いに行っみると、片側だけになった足をベッドに投げ出しながら、持ち前のジョークを乱発して意外に元気そうだったので安心した。
T:オレはな、義足もヤップらしいものにしてやるぜ。モリを仕込んでおくのも面白いだろ?
わたし:そうだね、潜って獲りたいサカナを見つけたら、足先で狙うんだね^^
T:太ももから義足をつけてロック・クライミングしている奴のことを雑誌で読んだこともある。
わたし:そうだよ、Bさん(1年前に同じく糖尿で義足になった人)だって、今は乗用車どころか、フォークリフトも乗り回しているじゃない。
T:順調にいったら、あと4週間くらいで退院できそうだ。新しい「足」ができたら頑張ってみるよ。だんだん楽しみになってきた!
片足の犠牲は大きかったけれど、これを機会に入院中しっかりと糖尿病との付き合い方を学んで、退院したら糖尿フリーな新しい食生活を、家族みんなで始められますように!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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