マンタを見ているゲストの後ろにひかえていると、前方のクリーニング・ステーションの横で、なにやらワ~イワイという気配が感じられた...
見るとそこにはサカナがたくさん群がっていて、小さなユビエダハマサンゴの塊りに頭をつっこんで、夢中でなにかを食べている様子。え~と集まっている面子は、ロクセンヤッコにマジリアイゴにギチベラ♂にトゲチョウチョウウオにツノダシくんか...。
いったい何が起きたのだろうと観察しながら考えてみると、そのサンゴのまわりだけ新しく激しく壊れているから、ユビエダハマサンゴの奥のほうにいたカイメンとか海藻なんかが露出して、それらを好物とするサカナたちが食べやすくなったものと思える。
そして、どうしてサンゴが壊れたかというと...↓コイツ↓
わたしたちがエントリーしてその場所に行ったとき、コイツとモデル兼バディだけがガイドなしで潜っていた。しかもクリーニング・ステーションの中まで侵入して...(怒)。彼はあちこちの雑誌に写真を売っているグアム在住の某「水中写真家」
(ここまで書くと知ってるヒトには誰だかわかっちゃうかな)で、ヤップにもよく来ているヒト。でもこんなシーンを目撃させられると、手前の新しく壊れたサンゴ(赤矢印)もコイツの仕業か?な~んちゃって、すべて悪いほうに解釈しちゃうよなあ...。
いまヤップのダイビング業者の間では、この場所のクリーニング・ステーションのまわりにロープを張って、ダイバーが侵入できないようにしようかという話まで持ち上がっている。イケイケドンドンの白人ダイバーとか、「オレってプロ・カメラマンだもんね、仕事で潜ってるんだから放っておいてちょ」
(日本人にもいる)なんていうワガママ・ダイバーに対して、ローカル・ガイドたちは何も言えないのだ。でも、こんな奴らの対処にロープを張ったって何も変わらないと思うけどね...というのがわたしの意見なのだけど。かえってロープ張りによる環境破壊のほうが心配だ。
もちろんプロ・カメラマンにもマナーの良い方はたくさんおられる。そういう方々は生物とのつき合い方がとても上手で、彼らのお仕事ぶりを拝見するのはとても楽しいし勉強にもなる。そして生物の気持を大切にして相手のペースで写真を撮っている人たちの作品には、鑑賞者をもゆったりとリラックスさせる力があるから、長いこと見ていても疲れない。
いっぽう、どんなにすごいシーンの「激写」作品でも、被写体を威圧しながら撮ったものからは、被写体生物の恐怖や緊張感が伝わってきて、見るほうも疲れてしまう。事件や事故の報道写真じゃあるまいし、自然や生物を扱う写真がこれじゃね...(苦笑)。
こんな目で水中生物写真も見ていただけたら、その作品を撮った者の現場での仕事ぶりが垣間見えてオモシロイかも。まあメディアへの露出度は、その作品を撮るにあたっての「環境破壊度」とは関係なく、写真家自身の営業やら編集者の思惑やらが大きく作用するんでしょうケド。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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