もう11月も後半だというのにまだよくお湿りがある。おまけにここ数日はやや強めの風が北西からきているので、うちの家の前にあるノニの木や、裏のジャングルにそびえる外来のマホガニーの大木から、大量の葉っぱが落ちてきて風に舞い、掃いても掃いてもすぐに散らかってしまう。そういえば日本もいまは落ち葉の季節かな?
ところできょうは「税務監査(Tax Audit)」の日だった。商売を始めて18年目にして初めてで、3週間前にレターをもらったときには、「へえ~、話には聞いていたけれどホントにやってくるんだ...」と好奇心から半ば楽しみでもあり、しかし何かイチャモンつけられやしないかと心配でもあり。うちは脱税をたくらむほどの売り上げもない、万年小小企業だからなにも恐れることはないのだけれどね(笑)。
とりあえず言われたペーパー類をそろえて、念のため指定された過去3年分の売り上げ額と申告額を照合していたら、5ドル分の「申告忘れ」が見つかった。こっちは総収入に一律3%の税金がかかるから、15セントの税金を4年間滞納していたことになる。また4半期ごとに申告して納税するシステムなのだけれど、ある期末のギリギリに発生したけっこう値の張るセールスで代金未収だったものを、うっかり次の4半期に入れて申告していたのも見つかった。いわゆる「売上繰り延べ」ってやつですね。怒られるかなあ...(ヒヤヒヤ)。
朝から準備をしていると、「どのくらい時間がかかるの?」とG嬢が心配そうに聞くので、「さあね、大きな企業では一週間は続くというし、うちがいかに小さいとはいえ、少なくともきょういっぱいはかかるんじゃないかしら...」とわたし。税務監査官はポンペイの連邦税務局本庁から来ると聞いていたので、どんな人たちかなあと思っていたら、指定時間を1時間も過ぎてあらわれたのは、なんと!とっても可愛らしい、感じの良いおねえさんだった。しかもチョメの親戚でわたしもよく知っているヤップの税務局員といっしょだったので、これでだいぶキンチョーがほぐれたかも^^
若くて美しい税務監査官のおねえさんはインタビューもなかなか上手で、テキパキと作業を進めながらちゃんと質問にも答えてくれた。ひととおりの説明が終わったらG嬢とわたしはすることもなく、サクサクと仕事を進めるふたりの邪魔をしないように、小声で世間話をしていたり...(笑)。そして1時間半後、「終わったわよ!」
はあ?もう?
そうよ、ちゃんと必要なペーパー類がそろっているから速いのよ。あとはポンペイに戻ってからあなたの申告と照合して、問題があったら連絡するわね。どうも協力ありがとう。
えっえっえっ、遠く離れたポンペイで5ドルの申告漏れと1件の売上繰り延べを発見されて印象を悪くするよりも...と、必死で「告白」するわたし。
あらあ~、これ(売上繰り延べ)は駄目よ~、どうしてこんなことしたのお...と一瞬、声のトーンが高くなるおねえさん。そこでひとしきり金の授受がまだでも売買契約が成立した時点で納税する意味とそのシンプルさ、そして万一貸倒れ(bad debt)になった場合、申請すれば払った税金の還付を受けられることも教えてくれた。へえ~、これは良いことを知った!と浮かれるわたしに、「でもちゃんと帳簿上で証明できれば、の話だヨ」とつけ加えるおねえさん。
そうして拍子抜けするくらいのお気軽さで初めての税務監査が終わり、最後にはおねえさんの生まれ島のコスラエ語と、ヤップ語と日本語の「サヨウナラ」をお互いに教えあって握手して別れた。納税者の啓蒙という視点で税務監査を見れば、なかなか良い経験をさせてもらったなあと、実は経理にはからっきし弱いわたしは思ったのであった。
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