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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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どしゃぶりの第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)

第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル2日目は、前日のお天気とはうってかわって朝から大雨の一日となった。しかしそんな悪天候にもめぜず、すべての競技は粛々と執り行なわれただが...。
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会場となったヤップ・マリーナのまわりに設営された即席のフード・ブースは、雨風に当たってたいへんそうだった。それでも競技に出場する者やその縁者らによる応援団、観戦者など人出もかなりあるので、どこも売れ行きはそんなに悪くないようで、あちこちのブースから知り合いに声をかけられると、わたしもつい何かを買ってしまう(笑)。
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海の競技を観戦しやすい場所には、きのうまで無かったテントがあちこちに出現していた。大雨だからそんなに人は集まらないだろう...とタカをくくったわたしが会場にやって来たのはお昼前の11時をまわっていたのだけど、意外な人出と速攻の増設テントを見て実はびっくり。この日からインターナショナル規格のパドリング競技(太平洋地域の「オリンピック」の競技種目になってます)が始まるので、チームを出しているコミュニティは、観戦場所をそれぞれに設営してたようだ。
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去年はガニール橋の上にテントを設営していたルル地区は今年はゴールが目の前に見える場所に陣取って、パドリング競技にエントリーしている自地区の数チームに声援を送っていた。
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そして競技はどんなに激しい雨の中でも休むことなく実行された。選手も応援団もただの見物人も、ジモッチー(ヤップの人たちのことね)で傘をさしている者なんていやしない。わたしも防水ケースに入れたデジカメを持って、あっちのテント、こっちのテントの軒先(?)を借りながら、雨の中をずぶ濡れになりなって歩きまわっていた。
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マリーナ前の海面でパドリングや伝統カヌーのセイリング競技が行われているあいだ、長距離レースで沖に出て行った艇がよく見渡せるコミュニティセンターでは、いろいろなローカル・バンドが交代で音を奏でていた。

あるとき沖のカヌーの様子を見にコミュニティセンターへ行ったら、ヤップのポップ・ミュージックとは違ったチューンが耳に入ったので改めてステージを見てみると、アメリカ人3人組がギターとボーカルで演奏中だった。コミュニティセンターの観覧席は、なんとなく座っている人や競技を見にきた人の休憩所的な雰囲気で、それでも流行のローカル・バンドだとけっこう盛り上がるのだけれど、このオーソドックスなアメリカン・バンドの音はあんまり受けていない様子(笑)。
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今年のカヌー・フェスティバルで特徴的だったのは、ヤップでもようやくはやり始めたインターナショナル規格パドリング競技に男女合わせて12チームものエントリーがあったのに対して、伝統カヌー競技にエントリーしたのはたったの3チームだったこと。それだからか、今年は大型・小型それぞれ3艇ずつある伝統カヌーを、それぞれのチームが艇を変えながら3度ずつ競い、そのトータル・タイムで勝敗を決める方式になっていた。

下写真は小型カヌーの帆走レースで、ゴールを目前に競り合う先行する2艇。
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そこで残るもう1艇はと沖のほうを見ると...あれれれ?どん尻の1艇はコースを大きくはずれてコミュニティセンターに向かってどんどん接近中ではないか!それを見かねた(?)監視ボートがあわてて近寄ると、ようやく帆を返し、見ていた一同がホッとしたのはいいけれど...

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ありゃりゃりゃりゃ、今度はどんどん沖に遠ざかって行き...(笑)

去年もそうだったけれど、この小型カヌーの帆走レースでは毎年なにかハプニングが起きるので、見ている分にはとても楽しい。

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さて沖でもう一度帆を返し、ようやくゴールに近づいてきたカヌーに、今度は女の子たちから黄色い声援(or 冷やかし)の声が飛び始めた。するとカヌーに乗っていた男の子のひとりが、いきなりバンザイのような仕草を見せたあと船底に沈みこむように隠れてしまい、それを見た岸ではどっと笑いが起きる。実はこの艇のチームはCOM(コミュニティ・カレッジ・オブ・マイクロネシア)代表で、だからCOM女子学生からの声援(or 冷やかし)がシビアに飛ぶらしい(笑)。

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クルーひとりひとりの顔がハッキリわかるくらい岸に接近したところで、もう一度帆を返さなければならなくなり...何をどうやっても女の子たちの黄色い野次が飛ぶなかで、キンチョーしているのかフザケているのか、クルーたちの動きはますます怪しくなっていき...最後はヤケクソのような感じでようやくのゴールインを果たしたCOMチーム、ご苦労様~♪(笑)

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さてこちらは小型カヌー帆走レースと同時進行で行われていたパドリング競技1500メートルの準決勝、ゴールを前に1着2着を競り合ってデッドヒート中↓
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レース後、ゆっくりと岸に漕ぎ戻ってくる、チームカラーを黒で決めたルムング男子チーム。このレースでは惜しくも2着に甘んじたけれど、翌日の決勝戦への進出をものにした。
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さて次は再び小型カヌー帆走レース、それぞれのカヌーを替えての出走だ。スタートの緑の旗が上がると、一斉に帆が上がる。さあ、今回はどんな「見せ場」を作ってくれますことやら...
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と思う間もなく、ありゃりゃりゃりゃ、件のCOM艇は、やおら隣の艇に向かって突進中!
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幸いなんとか衝突はまぬがれて、3艇とも沖に向かって走り去ったあと待つこと数十分、雨でかすむ中を真っ先に戻ってきたのは、前回のレースでCOMが操っていたカヌー(今回はチームMが操船中)だった。な~んだ、これで前回の遅れをカヌーの性能のせいにはできなくなったね。
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ところが他の2艇をダントツで引き離してゴール寸前...と見えたチームMも、いきなり変わった風を受けて転帆が必要となった。
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真正面から来る風を受けて転帆に四苦八苦...しかし風向はまだ安定しない。
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ようやく帆が定まったころには風が弱まり、後ろを見ると、なんとあれほど水をあけていた他の2艇が真後ろに迫る勢いだった!

実はチームMが他の2艇を引き離せたのはコース取りにあった。沖に出て風向きとその強さを読み、帆をどのように返す進路を取るかで、時間に大きな開きが出る。今回、帆の小さな艇に当たったチームMは、他の2艇のように転帆を繰り返してジグザグのコースをたどりながらもスピードを得て時間を稼ごうとするより、ストレートなセットで風の強さに頼むことに賭けて成功していた。それが最終段階で風の変化を受けての転帆に手間取り、いまや他艇に迫られている。しかも風が弱まったため各艇とも亀の歩みとなり、帆の大きな艇に当たったCOMがどんどん追い上げている状況となった。
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その後も亀の歩みで追い上げてくるCOMからなんとか逃げ切って、まずチームMがゴールイン、続いてCOMもゴールを決めた直後、あれっ?COM艇、見事に転覆!いや~、最後の最後まで、小型カヌー帆走レースは見せ場を作ってくれました(笑)
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雨降りつづく中での海上競技がすべて終了したあと、この日もコミュニティセンターで「ディズニーワールド」人寄せマジシャンのショーがあり、「それなり」に人は集まっていたけれど前日ほどでなかったのは雨だけのせいだけだろうか?その後、プログラム上では青年海外協力隊女子によるジャパニーズ・ダンスとなっていたので、わたしはギョッとしながらも恐いもの見たさにのぞきにいったら...
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3人の小学校隊員による、それぞれの生徒(参加希望者のみ?)を引き連れたソーラン踊りだった。これも「それなり」に受けてはいたけれど、それにしてもプログラムの表現を、せめて「ヤップの小学生によるJapanese Soran Dance」くらいにしたらどうだったのか。カヌー・フェスティバルでいきなりチントンシャンとか、あるいは炭坑節とかを協力隊員が踊りだすのかと心配しまくっていたよ。

ところでソーラン踊りをJapanese Fisherman's Danceだと紹介していたけれど、これってどうなのかな?噂には聞いていた今どきのソーラン踊りをわたしも初めて見たのだけど、ニホンの学校体育でずいぶん流行ってるんだってねー(笑)。でも労働歌としてのオリジナル・ソーラン節と、このアップテンポな踊りは...もはや昔のセンスじゃないですね。やっぱりこれを日本の漁師踊りとするのには違和感がある(いや、断固反対だ!)。今どきのソーラン踊りを外国で紹介するなら、ちゃんとそうなったヒストリーも説明しなきゃね~。

それにしても、なんでヤップのカヌー・フェスティバルにソーラン踊りを出すことになったのだろう?(ま、ディズニーワールドのマジシャンも、なんであんたがここでこれやってるの?って感じしたけどね)


第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(1日目)
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第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)-陸上編
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第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)-海上編
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第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル-伝統踊り編
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第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(1日目)
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第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(3日目)海上編
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by suyap | 2011-11-15 09:18 | ヤップの伝統文化
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