あるローカル産物の店先に、長さ50センチもあろうかと思われるトウガンがズラリと並んで、まわりに圧倒的な貫禄を見せていた。
サルルス(thalruus)というヤップ語の名前があるにもかかわらず、なぜか今では日本語由来の「トウガン」のほうが通じやすい不思議な作物、トウガン。いったいどういう変遷をたどってヤップに定着したのだろう?ヤップでは家の庭先にごく普通に植えられており、スープの具やデザートとして、日常的によく食べられる。そんなトウガン・レシピのひとつを、↓過去記事からどうぞ↓:
〇
クール・トウガン
http://suyap.exblog.jp/9524128/
それにしても、もらったり買ったりするのも丸ごと一個このサイズだから、大家族でもいない限り入手にはちょっと気合が必要で...^^
この日はなにかウリ科系の野菜が欲しくて立ち寄ったのだけれど、トウガンに手を出すまでの覚悟は少し足りず、
カボチャは最近よく食べ続けていたので、無難なところで
ユウガオにした。上写真の左端に見えるのがユウガオ、真ん中の白い粉をまぶしたように見えるのはやや小さめなトウガンの一品種で、右端はもちろんカボチャです。
ところでヤップでは
ユウガオのことは
ユガワと呼ばれており、これは明らかにユウガオからきた日本語由来で、他にヤップ語系の名前は無いので、おそらく日本時代に持ち込まれた作物なのだろう。そんなユウガオには実の丸い品種と長い品種があるけれど、もちろんヤップでは干瓢に加工するわけでなく、両方とも同じように料理して食べている。丸いのも長いのも、トウガンよりも実がしっかりしていて煮崩れないので、いろんなレシピが楽しめる。
それで今回はこのユウガオを、まだたっぷりと冷凍ストックのある
タカセ貝と炒め煮にしてみることにした。
まず長いユウガオを横に三つに割って...う~ん、固い!(笑)
普通の台所包丁では手におえず、蛮刀を取り出してエイヤッ。さすがに、ユウガオがヒョウタンと同一種(
Lagenaria siceraria)というのも、この皮の硬さなら納得できるなあ。それにしてもこの実、熟らせ過ぎだよぉ(笑)。
もうかなり熟しかけていたので、種と皮を取りのぞくと歩留まりがけっこう悪かったけれど、それでもしっかりと果肉を確保、解凍した
タカセ貝も同じ大きさのぶつ切りにして...。
鍋にやや多めの油を熱して、ショウガのみじん切り少々と
タカセ貝をまず炒め、そこにユウガオも加えてざっくり炒めたあと...。
...わたしの料理は、作っている最中に、よく思いつきで変更されまして...今回もはじめは順当にしょうゆ味をと思っていたのだけれど、材料を炒めているうちに、突如、そうだ、アレを使おう!とひらめいて...。
そしてアレとは、わがお手製の
(しょうゆの実)もろみ味噌!日本へ行ったとき買いこんできた
しょうゆの実こうじを、ちびりちびりと作り置いて楽しんでいる。なんたって
発酵生活驀進中ですから(笑)。
それで、あらかた火の通った材料の上に、お手製の
(しょうゆの実)もろみ味噌をちょこんと乗せて蓋をして、火を弱火の強くらいにして...。
約15分後、わくわくしながら蓋を開けて混ぜ合わせてみると...う~ん、たまらなく良い匂い、お味も大成功!!!
実は
タカセ貝と、
(しょうゆの実)もろみ味噌の相性の良さは、すでに
バナナの花との炒め物でも実証済みで、今回はそれがユウガオとでも成功したというわけで、まずはめでたしめでたし、日本ならトコブシとかアワビとでも、きっと合うと思います(笑)。
ところでユウガオを食べて中毒するケースが、ごくわずかだけれどあるとか。原因はウリ科植物に特有の
ククルビタシンという苦味成分らしく、それはゴーヤの苦味成分でもあるのに、どうしてゴーヤは大丈夫で苦くもないユウガオで中毒が出るのか、わたしには理解できないけれど、とにかく「苦い」と感じたユウガオは食べないほうが良いそうだ。
幸い今までヤップのユウガオに苦味を感じたことはなく、誰かが中毒したという話を聞いたこともない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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