4週間にもわたって解禁されていた
タカセ貝漁が、今週月曜日に終了した。それでもなお未処理の貝が貯まっているらしく、風向きによっては、腐貝の強烈な臭いが、買い上げ場からうちの桟橋のほうまで漂ってくる。
ところでこの日に買った8ポンドのタカセ貝、その夜すぐに下煮をして、すでにうちの冷凍庫にストック済みだ。タカセ貝は砂地や砂の降り積もった浅場にいるので、身のあちこちに抱えこんだ砂をよく洗い落とす作業から始まる。消化管もおいしいのだけど、砂混じりの未消化物をたっぷり抱えている貝が多いので、これも切り捨てる。
8ポンドで約80個の貝の身を洗い終えたら、包丁を持って外へ出て、大家さんのパパイヤの葉を何枚か失敬してくる(笑)。うちの庭先にもパパイヤが芽を出していたのだけど、
この間の洪水のあと、大家さんが切り倒しちゃったからね。
なぜパパイヤかというと、パパイヤには肉を柔らかくする成分があるからだ。もちろん葉だけでなく、実(まだ青いやつ)でも良いのだけど、煮る量が増えてしまうしもったいないし(もちろん煮たあとの実も食べられますが)。
まず大鍋を用意して、貝の身がひたひたにかぶるくらいの水を入れる。沸騰すると泡(アク)がたくさん出て噴きこぼれやすいので、あまりフタのぴったりした鍋じゃないほうが良い。
圧力鍋ならパパイヤも入れずに短時間で柔らかくなるけれど、うちの圧力鍋は久しく壊れているし、圧力で「強制的高温」で煮た味と、じっくり長時間で煮た味は、なんだか深みの部分で違うんだよね(な~んっちゃって)。あるヤップ人のともだちが、「電気釜で炊くと簡単よ!」って、もうひとつの裏技を教えてくれた。でも今回はうちの電気釜には量が多すぎる(笑)。
さてよく洗ったパパイヤの葉を、鍋の貝の上で、落し蓋のような役割をするように、すっぽりと包み込むようにかぶせる。ヤップの料理では、芋やパンノミを炊くときにも、このような「葉っぱの落し蓋法」がよく使われる。日本時代に金属製の鍋釜が入ってくる以前、ヤップでは鍋も食器も陶器製だった。つまり日本的に言えば「土鍋」で煮炊きしていたわけだ。だからヤップの伝統料理には、この土鍋を使っていた時代の方法をベースにしているものが多い。しかし陶器は壊れるし、今では陶器を作れる人もまったくいなくなってしまったので、残念ながらヤップの「土鍋」はもう手に入らない。
そこでうちで一番大きなアルマイト製の鍋を引っ張り出してきた。貝と水を入れてパパイヤで落し蓋をすると、ガス火にかけて沸騰するまで強火、そのあとは吹きこぼれに注意しながら、やや強めの弱火くらいでひたすらコトコトと煮ていく。タカセ貝は煮れば煮るほど柔らかくなり、味に深みも出るので、コトコトコトコト、数時間煮る。
で、煮あがった貝の身が←これ。自然に冷ましたあと、冷凍分を小さな袋に分けて保存した。残った貝の煮汁は、漉して冷蔵庫に。味噌汁、素麺や蕎麦のつけ汁の出しとして、しばらく活用できる。
今朝ほど、ここまで書いて、レシピ部分は写真だけでアップしたら、早速、「写真だけでビールがすすんでいます」というコメントをいただいた。また「酒飲みのための酒飲みたタカセ貝レシピといった感じ」だそうで…、わあ~、LEOさ~ん(汗)。
まず、タカセ貝といったら絶対にはずせないのが、タカセ貝入りカレー→
薄切りのタマネギ、ガーリックをよく炒め、冷蔵庫にあった干乾びかけのナスも加えてしんなりと火が通ったら、薄切りのタカセ貝を加えてさっとかき混ぜ、水を入れてよく煮込む。味付けは市販のカレールー(怖い狂牛など動物性油脂を使ってないのでヱスビー食品のがお気に入り)を加えただけのアンチョコカレーだけど、ほっぺたが落ちるくらい美味しいです^^
←こっちは、タカセ貝のガーリック・オリーブオイル炒め。ビールのアテに最高の一品です(笑)。
鍋にたっぷりめのオリーブオイルを熱し、極薄切りにしたガーリックを加えて、中火の弱くらいでゆっくりとキツネ色になるまで炒めたところに、これも薄切りのタカセ貝を加えてよく火を通す。最後にしょうゆで濃い目に味付けして、よくからませる。出来立ての熱々もよし、冷やしてもよし。多めに作っておくと、数日楽しめます。
→こっちは豪快に丸ごとタカセ貝のガーリックしょうゆ煮込み。ガーリックをみじん切りにする以外の手順はほぼ上に同じだけど、タカセ貝の中にも味がしみるように、少し時間をかけて煮込む。
食べるときにはそのままかぶりついても良いけれど、前歯の噛み合わさらないわたしにそれは至難の業なので、毎回、食べる分だけ小さく切り分けている。こちらも作り置き可、タロイモ、ご飯が進みます。
最後の←これは、マリーナ・レストランのある日のランチメニュー。タカセ貝のココナッツ・クリーム・スープにラック芋添え。タカセ貝がまだ固いうえに、ピーマンなどの洋野菜がミスマッチで、ちょっと悲しい出来だった。6.50なり。
今回、いろんな面で論議を呼んだタカセ貝漁の解禁だったけど、果たして来年も口開けなるか…?このストックのお陰で、わたしはしばらく、タカセ貝の味を楽しめる。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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