ヤップ島の上空はまた厚い雲に被われて、連日ぐずぐずしたお天気が続き、昨夜も
我が家は洪水の危機に見舞われた。今度は家にいたので水があふれる原因を追究したら、トヨが真ん中から曲がって家の入口に水を落としていたことがわかったので、今日、さっそく大家さんに直してもらったところ。やれやれ。
今まだすごく忙しい上に、連夜、洪水という災難を蒙ってバタバタしているけれど、ラッキー!なこともある。右上の料理は、
ずいぶん前にこのブログでも紹介したことのあるタカセ貝で、たまたま、とっても美味しく料理したものをどっさり頂いたので、昨夜はこれをアテに自家製ビールをちびちびやりながら、少々の洪水なんか吹き飛ばせる元気を出せたのであった(笑)。
左の写真は、殻の直径が4インチ以内3インチ以上の、収穫が許されたサイズのタカセ貝。ヤップ州ではまた、高級貝ボタンの原料となるタカセ貝の資源量を毎年潜水調査し、その年に解禁するか否かを決めて管理している。その結果、今年は3年ぶりの解禁となった。しかし今回は、わたし自身が現場からレポートする時間が全くないので、タカセ貝採取と買い付けの様子については、以前の記事を参照されたい:
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タカセ貝採取・口開け(解禁)!
http://suyap.exblog.jp/3974339/
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タカセ貝買い付けデッドヒート
http://suyap.exblog.jp/4009996/
今年は7月11日の午前6時から解禁となり、州知事による告知では、それから丸一週間後か、150トンを採取した時点か、どちらか先に達成したところで終了...ということになっていた。しかし、生まれかけの台風6号の影響で海が荒れていたこと、また水温が高いせいかタカセ貝が例年より深いところにいる傾向があり、素潜りで採るのが難しいことなど、いろいろな理由から、一週間経った時点での収穫量が50トンにも満たなかった。そこで驚くべきことに、なんと解禁期日が一週間延期されたのだった(こんなこと初めて。何のための計画漁期なんだか...)。
また90年代は採取量の上限がせいぜい30トンどまりだったのが、数年前から150トンという5倍もの数字に跳ね上がったことにも、賛否両論が飛び交っている。今年の買取値はポンド当たり$1.45で、だいたい1個の貝で1ドル前後になるから、一生懸命に潜って取れば、1日にひとり100ドルの収入も夢ではなく、それを連日続ければ、数千ドルにもなる。現に最初の一週間で取れたのが50トン以内といっても、それだけで既に11万ドル以上の現金が島に落ちたことになるわけだ。タカセ貝のにわか長者が出現で、夜になるとあちこちの店で酒盛りが始まっている。
とくに今回の解禁については、ヤップ島サイドからは否定的な意見も多かった。現在、ヤップ州離島からヤップ島への人口流入がとめどなく増えており、ヤップ島に自給自足の土地を持たない彼らは、現金収入に依存せざるをえない。リーフ内の漁にはヤップ島人の漁業権があり、離島人の自由にはならないけれど、リーフ外のタカセ貝漁なら、彼らにも開かれている。そんなわけで、離島人にとってタカセ貝漁は大きな現金収入のチャンスなのだけど、そうなると、ヤップ島人にとっては、自分の海を荒らされるという気持が強くなる。
現在ヤップ島にはコミュニティが管理する禁漁区が数ケ所あり、今回はそれらの区域での採取は禁じられた。また、離島人がリーフ外で採取する場合でも、ちゃんとしかるべきオーナー筋に話を通すことが薦められたらしい。
わたしは、どんどんヤップ島にどんどん流入する離島人口を「ヤップ都市化現象」と呼んでいるが、今後、あちこちでいろいろな軋轢が表面化していくことは間違いない。
まあそんなわけで、いまヤップ中の男たちがタカセ貝フィーバーしているなかで、ひとりの男が行方不明になっている。典型的なヤップの「村の男」S...時化気味の海で連日の捜索がむなしく続けられている。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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