この週末にかけて、また熱低の「できかけ」がヤップの南を通過して北西の方向へ抜けたので、晴れたり、降ったり、曇ったりと、めまぐるしく変わるお天気が続いている。それでも今日はわりと晴れ間が多かったので、忙しい月曜日、あちこちと動き回るのに助かった。
そんな午後、あるお宅にお邪魔しておしゃべりしていたら、そこの家の若い奥さんが、ヤップではアール(qaar、標準和名:タイワンウオクサギ、学名:
Premna corymbosa var. obtusifolia)と呼ばれる植物の大きな枝を抱えてきて、そこについている葉っぱを摘み取り始めた。太平洋の島々で、アールは海岸近くに普通に生えている潅木で、日本では奄美大島あたりが北限らしい。
このブログでも以前、アールの葉を使ったヌーヌー(花のレイ)作りを紹介したことがある:
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香りのアート:ヌーヌー(レイ)の組み合わせ
http://suyap.exblog.jp/6800038
若い葉から漂ってくる、気分がリフレッシュするようなサッパリした匂いが特徴の植物で、葉っぱの若芽部分を摘んで揉み、耳にひっかけて香りを楽しんでいる人もいる。ヤップ人は匂いのセンスが良いからなあ。
まさかヌーヌー作りにあんなに大量の葉っぱが必要とは思えなかったので、
はは~ん、何かの薬かも...と思って、そおっと何気なく聞いてみた
(薬は秘伝だから、あんまりせっかちに聞くと教えてもらえないし...)。
それによると、これらの葉っぱは、生後6週間になる彼女の赤ちゃんに、ココナッツミルクを飲ませるのに使うのだという。この葉の上に
完熟したココヤシの実(コプラ)の果肉を削ったものを適宜乗せて巾着状にまとめ、その底に爪楊枝の先ほどの小穴をあける。それを小皿に用意した少量の水にちょこっと浸して、赤ん坊の口の上で絞って飲ませる。
お乳を飲ませる前に毎回これをあげると、丈夫な子に育つのよ~♪と、誇らしげに説明してくれる彼女。
そうだ、これ、うちのスタッフG嬢からも聞いたことがあったっけ...。母乳の出が少ない場合は、こうして飲ませるココナッツミルクが代用乳になるので早めに始めるが、そうでなければ、離乳食を始める前あたりから、これを始めるそうだ(G嬢談)。そしてココナッツミルクと一緒に柔らかく煮て潰したバナナやパパイヤなど、固形の離乳食が食べられるようになるまで続けるという。事情で生まれて1週間で母親から離されたG嬢の甥っ子のひとりは、G嬢母がこうして与えるココナッツミルクと、湯煎で暖めたココヤシの実のジュースだけで離乳まで育てられた。
離乳食はね、初めは陸上のものだけよ、すり潰して汁だけね。地下のもの(芋など)や海のものはそのあとね... アールの葉を摘み取っていた彼女は、今回が2回目の子育てだが、わたしに離乳食の手順まで熱心に教えてくれた。
赤ん坊は生まれて1年くらいは母乳だけで十分育つのだから、本来、水すら与える必要はないのよ...
ヤップでも、離乳食にインスタントラーメンを与えたり、甘い市販飲料や粉末ジュースを哺乳瓶に入れて飲ませたりと、すっかり「ふっ飛んで」しまっている若いお母さんが増えているけれど、こういう人もまだいるのを見ると、すごく心強い。幼いうちから、彼女のようなやり方でしっかりと体の基礎をつくってもらった子供たちが、
放射能の舞い散ったこれからの地球を生き抜いていけるんだね...。日本には日本の伝統的な子育て法があるのだから、がんばってね>日本のお母さん!わたしも乳酸菌生活、がんばろうっと!
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乳酸菌生活開始!
http://suyap.exblog.jp/12722303/
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