一歩間違えれば
ただちに命に関わる危険も生じ得ることには一切触れず、「大丈夫ですよぉ」とゲストに安心だけ持たせて水中に連れこむ作業が体験ダイビング、これは今風に言うと
エダノる商売なんですって言ったら、バカ受けしちゃったんだけど(苦笑)...ヤップはきょうものどかでした。
3.11の地震発生直後、東電は福島第一原発も第二原発も震度6でも緊急停止に成功したとし、さらにその後、原発を襲った津波の高さも7メートルと発表していたのを覚えている...それなのに、まさか震度も津波の高さもあとから「偽装」して、すべてを
想定外にしてしまうとはねえ。絶対に東電を免責になんかさせちゃいけませんってば!
〇
島村英紀:『地震列島との共生』あとがき
http://shima3.fc2web.com/kyousei-atogaki.htm
ところで「責任逃れ」は東電や日本の高級官僚ばかりじゃないようで...ちょっとオヤッというニュースが最近:
時事通信 4月14日(木)2時34分配信
大津波で原潜スクリュー損傷=港内漂流、放射能漏れなし―米グアム基地【ワシントン時事】東日本大震災の津波で、米海軍グアム基地の係留施設が被害を受け、攻撃型原子力潜水艦が一時港内を漂流し、スクリュー(プロペラ)を損傷していたことが13日、分かった。国防総省筋が明らかにした。放射能漏れはなく、負傷者はいなかった。
同基地のアプラ港では3月11日、津波の影響で、停泊中のロサンゼルス級攻撃型原潜「ヒューストン」、「シティ・オブ・コーパス・クリスティ」(いずれも全長約110メートル、乗組員約140人)の係留ロープが切断され、2隻は港内を一時漂流した。
タグボートがえい航し、1時間以内に埠頭(ふとう)に戻したが、ヒューストンはプロペラの損傷がひどく、交換した。米軍当局者は「原子力推進機関にはまったく影響はなかった」としている。
なんで今頃、こんな記事が出るんだろうと、グアム関係の過去記事をネットで漁ると、
Guam Submarines Moored Safe
From Joint Region Marianas Public Affairs
SANTA RITA, Guam - At approximately 8:00 p.m. local time on March 11, 2011 USS Houston (SSN 713) and USS City of Corpus Christi (SSN 705) mooring lines broke free from the pier at Alpha wharf at Naval Base Guam due to the tsunami wave.
Tug boats from Naval Base Guam responded quickly to the situation and safely moored both submarines.
USS Frank Cable (AS 40) moored at Alpha wharf and USS Oklahoma City (SSN 723) remained safely moored throughout the tsunami event.
Local and Federal authorities have been notified.
要するに、グアム島に配属されている米海軍第七艦隊所属の原潜2隻が南西側のアプラ・ハーバーに係留中、
津波のせいでロープが切れたけれど、すぐにタグボートが出動して元に戻ったよと。同所にいた原潜オクラホマとフランク・ケーブルは無事だったよと。
えっえっ、ちょっと待って!?
ヤップでも津波注意報が出たけれど、まったく肉眼ではわからないほどの潮位差しかなかったし、あちこちの資料をひっくり返してみても、グアム島では大きくてせいぜい1m弱、たいていは0.4mくらいになっているんだけど。
At Least 6 Tsunami Waves Surged Past Guam Friday Night; None Washed AshoreAt 7:45 pm, PNC News received several reports from witnesses at the Hagatna Marina who said they saw a sudden drop in the water level there of about 2 feet.
In all, National Weather Service Science Office Roger Edison reported a series of six surges, or waves, swept past the island Friday night. Edison said the waves arrived 30 to 40 minutes a part. The highest 3.5 feet.
National Weather Service Warning Coordination Meteorologist Chip Guard said the Warning was extended because the intensity of the first few waves did not decrease, as expected. Eventually they did and the ALL CLEAR was eventually sounded at anout 10:40 pm Friday night.
上の記事でも、アプラ・ハーバーのちょっと北寄りにあるアガニャのマリーナでは、6回くらい津波は繰り返したけれど、一番高いので1mくらいだったと言っている。だいたい原潜クラスの大船の綱さえ切れるほどの津波が入ってきたなら、もっとあちこちに被害が出ているだろうし、大騒ぎになっていたはずです。
それにしても軍用潜水艦のくせに、上下たった1mほどの余裕さえもたせずに綱を張ってたなんて...しかも津波が来ることがわかってて...ちょっと考えられないアクシデントでございマス。そいでもって、どっかにぶち当たってペラまで壊してたなんて、もし、うちのチョメがそんなことやったら、お尻ぺんぺん100叩きだわ(もちろん優秀なオペレーターのチョメなら、そんなヘマをやるわけないですけど)。まあ「津波」以外のなにか、表に出せない事情があるのでしょう。
ところでグアム配属のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦というと、6年前にも大事故をやってまして。
〇
Adrift 500 Feet Under the Sea, a Minute Was an Eternity
http://www.nytimes.com/2005/05/18/national/18crash.html?_r=3&pagewanted=1
2005年1月、グアムを出航した原潜サンフランシスコ(USS San Francisco SSN-711)はフルスピードでオーストラリアを目指して航行中、ヤップ州イファルク環礁の近くでドッコッーンと海中のお山にぶち当たってしまったのでした...(上のリンクをクリックすると、痛々しいお姿が眺められます)。
そして事故の主原因がなんと、ぶち当たった海山の存在が記入されていない古い海図を使ってたからだと。信じられますぅ?これ、どっかのレジャー・ボートの新米キャプテンの話じゃありません、腐っても鯛、米海軍第七艦隊所属攻撃型原子力潜水艦サンフランシスコさんの話ですよ。
またその事故のお陰で、北西太平洋の広い範囲をカバーしている通信衛星(インテルサット)が突然そっぽを向いてしまい(衛星が自分で向きを変えるわけないので、誰がやったか賢明な読者ならおわかりですネ)、ヤップでもほぼ3日間、インターネットも、携帯電話も、国際電話も通じなくなってしまったのでありました。いちおう表向きには「通信衛星の不調」ってことになっているけれど、そんなこと真に受けてる人、ヤップじゃほとんどおりません。
なにはともあれ、あんなこんなが平気で起きるエキサイティングな世に生を受けたひとりとして、
このIguchi先生の洞察を、深く心にとどめておきたいものです:
今の世界を理解する上で、間違ってはならないのは、今は国単位で政治も経済も文化も見てはならないということである。その意味は、今世界で地震を起こしたり、さまざまな問題を作っているグループは、多国籍の民間人の団体や企業であるからである。世界の富の9割を手中に収めたと自負している、いわゆる名家や大富豪が自分のお金で自分の組織を作って超国家的な政治活動を行う。そして、既存の国単位の世界組織を利用しているということだからである。
インストラクターにオダテ騙されながらリスクにまったく無知無関心のまま体験ダイビングを続けるのと、ダイビングにまつわるリスクを積極的に理解して受け入れ、危機管理のノウハウを身につけたうえで潜るのと、緊急事態を想定したとき自分がどっちの立場でありたいか、今の世を生きるということは、まあそれと似たようなもんだとつくづく思うわけです。もちろん、わたしは絶対に
エダノられたくはありませんから、キリッ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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