1月27日のお昼ごろヤップで座礁した大型コンテナ船
MELL SENTOSAは、翌日の朝もそのままだったけれど、前日に引き続きチャネル16で
MELL SENTOSAとヤップ州港湾局の交信を聞いていたら、午前10時前から、再び全力後進をかけて、リーフの浅瀬から抜け出す作戦を開始していた。まだ潮位が低いというのに...。
昨日の記事にも書いたとおり、リーフにめり込んだ巨船を全力後進で引き出そうとすると、船首が左右に振れて、まわりへのダメージをより大きくする恐れがある。まだ潮の低い午前中のオペレーションでは、やはり船はビクとも動かず、20分後に作業は一時停止された。
午後1時過ぎから再び全力後進の作業が開始され、そして午後1時24分、
MELL SENTOSAからの嬉しそうな声が飛びこんできた。「We are free now!」 これからどうするつもりか?と港湾局が質すと、「We are on the way!」 船を一度、桟橋に戻すという交信が午前中にあったので、わたしはてっきりこちらに向かっているものと思っていたら、どうも様子がおかしく...
10分後、あわてて外に飛び出して、沖の水路が見えるところまで走ったら、なんと
MELL SENTOSAはもうウォネダイ水路を出て、波立つリーフの外をパラオに向けて航行中だった。
すでにゴマ粒くらいにしか写らなかった
MELL SENTOSAを拡大したのでハッキリ見えないけれど、やはり船前方のコンテナを少し後方へ移して、リーフに乗り上げていた舳先を軽くしたのかな?前日よりかなり強まった北東の風にも、大いに助けられたことだろう。
「いまの位置を知らせよ!」「リーフからの離脱時間を知らせよ!」「水路を出た時間を知らせよ!」との港湾局の問いに、「ただいまパラオに向け航行中」「離脱時間は13時24分」「水路出発時間は13時28分」とそっけない答え。まるで「や~れやれ、うるさいヤップからやっと離れられてせいせいしたぜっ」といっているような響き。
ウォネダイ水路を出て数分のうちに、
MELL SENTOSAはルル地区バラバット村の岬のうしろに隠れて、わたしたちの視界から消えてしまった。
不思議なことに、いまだにヤップ州広報にもラジオにもこの座礁のニュースが出てこない。ヤップに物資を運んでくださる大切な船会社様を怒らせちゃいけないっていう
お馬鹿な思いやり判断でないことを祈る。
それにしても、どうしてあんなところに乗り上げちゃったのだろう?風向きを考えながらいくら地図とにらめっこしても、風に向かって取舵を切っている状況が想像できない(赤線は正当な航路、その左の赤丸が右舷標識位置、右の緑丸が左舷標識位置、青の矢印が風向き、そして黒印が座礁現場)。ヤップ州側はちゃんと航跡レコードを押収していますように。
現場を水面から見たヤップ州海洋資源局のスタッフの話によると、ダイビング船の係留ブイから20メートルしか離れてないところで、船首部分の40メートル以上がリーフに突っこんでいたとのこと。幸い、そこに係留中のダイビング船はおらず、潜水中のダイバーもいなかったから良かったものの...。視界不良の大雨の中、いきなり大型船が接近してきて...ああ、状況を想像しただけでも、ゾッとする。わたしはここで何百回も潜っているが、ダイビング中にこのような大型船が通過しても、いつもかなり離れたところを通っていくせいか、エンジン音もそんなに気にするほどではなかったのだが...。
そして、あの場所に住んでいた、たくさんの友たち、ほんの数日前に挨拶を交わしたばかりのダスキー・アネモネフィッシュ、ギンガハゼ、イシヨウジ、たくさんのサンゴたち...(涙)。お天気の良くなる明日には、座礁を目撃したゲストと一緒に、さっそく私的「現場検証」に出かけるつもりだ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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