ときおり雨の降るどんよりした曇り空の中、きょうも1日中、ミル・チャネルでスノーケリングをしていた。
上の写真でも見えるように、風向き、雲の動き、海上にいる場合は海面の波立ち具合などからも、雨の到来はずいぶん前から知ることができる。今回も、ボートの上で雨に降られると寒くてつらいので、雨が来そうになったら海の中へ!というパターンを繰り返した。雨が降っても水温は28度と変わらないから、水の中にいたほうが温かいのだ^^
風雨の中のスノーケリングをたっぷり堪能されたゲストと帰路についたのは午後4時前、コロニアに戻ってくると、
2年ちょっと前の記事に登場したでっかいコンテナ船が出て行こうとしているのが見えた...けど、なんか、様子が変だ。動いていれば船尾に引く白い波が見えないし...あんなにコンテナ積み上げてるのにバルバス・バウ(球状船首)が丸出しだし...?!
えっ、えっ、えっねえ、チョメ(うちのキャプテン)、もしかして、アレ、座礁してない?
そのようだな...(双方唖然)
他人の不幸を見るのがつらい気の優しいチョメを拝み倒して、うちのボートを、もう少し座礁船に近づけてもらったら...
11番の航路標識のちょい先に、
UCC(United Container Carriers)の看板を舷側に掲げた
MELL SENTOSA、IMO number 9434802、全長(LOA)148メートル、最大幅23.3メートル、総トン数9,984トン(載貨容積トン数13,760トン)が乗りあがっていた。
こっここは、一昨日も泳いだ、わたしたちの大事なダイビング&スノーケリング・サイトなんですけど...(怒)。
マリーナの桟橋に戻ってゲストをホテルまでお送りしたあと、陸からの情報収集に努めた結果、
〇座礁したのは昼過ぎ
〇折から通りかかった大雨で視界不良の中、ヤップのパイロットを雇わずに出航
という事実がわかった。上に書いたとおり、この辺の
雨は来るのが前もってわかる!それなのに、ああそれなのに、
経費節約のためにパイロットも乗せず、観天望気を無視して自力出航とは
怒怒怒
それからは携帯用マリンラジオを持ち歩いて
チャネル16を聴き続けたところ、午後5時過ぎになってキャプテンは、全速後進をかけて座礁から抜け出すことを主張していた。しかも抜け出す自信たっぷりのようで、ポート・クリアランスをいつ受け取れるかと執拗に聞いていた。
えっ、えっ、えっ
1月26日の潮
(標準海水位単位はフィート):
0129 4.9
0648 3.5
1314 5.8
2023 2.5
座礁したのがお昼過ぎなら、ほぼ満潮に近いときだ。バルバス・バウがここまで露出するくらい座礁しているのに、どんどん潮の下がっているときに全速後進をかけたって、抜け出せるわけがないじゃないか。そんなことすると、船の振動でリーフへのダメージをますます増やすだけだ~~~
怒怒怒
ヤップの港湾局でも抜け出せるわけないことを承知していると思われ、「午後6時30分まで全速後進のオペレーションを許可するが、それ以降は停止するように」とキャプテンに伝えていた。それでもポート・クリアランスを要求し続けるキャプテンに、「抜け出せたら持ってってやるよっ」だって(嘲笑)。
ここや、
こっちや、
これで
MELL SENTOSAのスケジュールを確認すると、この船は主に香港~高雄~グアム~(ヤップ)~パラオ~ダバオ~ジェネラル・サントス~香港という順で西ミクロネシアをまわっているようだ。ヤップにはだいたい2ヶ月に1回のペースで寄航している。
また
1月25日にダバオというスケジュールも見られるので、既に大幅に遅れていたため、キャプテンの焦りがこういう事態を招いたのかもしれない。引き続きチャネル16を聴いていると、ヤップ州関係者の誰かが「センチョーサン」とキャプテンを呼んでいたので、えっ、キャプテンは日本人?とびっくりしたけれど、キャプテンの英語訛りから察するに、彼は日本人以外のアジア系だろう。
そして当然のことながら、午後6時30分をまわっても
MELL SENTOSAは微動だにせず、やがて日が暮れると、コロニアのガニール橋からも満艦飾の巨体を眺めることができた。これからどうするんだろう...
明日、1月26日の潮は以下のとおり:
0312 4.7
0759 3.9
1414 5.6
2142 2.4
船首の積荷をなんとか後尾にまわしてバウを軽くしない限り(そんなことが船上で可能かどうかも知らないが)、今夜の干潮時にますますリーフにめり込む出あろう巨体は、明日になっても引き出せるかどうか...わたしは危ぶんでいる。
それにしても、あの海域に住むわたしの友人たち、アンナウミウシや、ゴシキエビや、そして大勢のサンゴたちのことが心配だ。
いったい、なんてことしてくれたんだ!怒怒怒
あとはオイル漏れなど、さらに大変な事態を引き起こさないことを、ひたすら祈るしかない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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