11月2日は、ヤップ州知事ならびに州議会議員を選ぶ、4年に一回の選挙の日だった。
この前も書いたように、今回の選挙戦はとても静か...というか低調だったが、それでも、うちの
G嬢は、仕事を終えると、
これからまっすぐ帰って選挙に行くのと、いそいそと職場を離れた。
ヤップ島では村ごとに投票場が設置され、午前7時から午後7時までの間に投票が受付られる。選挙権は、少なくとも片親がヤップ州内で産まれた者を持つ満18歳以上のミクロネシア連邦市民で、かつ選挙区に選挙人登録した者に与えられる。自発的に「選挙人登録」をしないと投票用紙を得られないところが、住民登録したら自動的に投票用紙が配達されてくる日本と大きく違うところだ。
ヤップ州の選挙では、投票が行われている時間帯(午前7時から午後7時まで)は、アルコール類の販売が禁止される。もし7時前に家に帰れたとき、冷蔵庫にビールの1本もないと淋しいかもしれないと思い、前日に少し買い置きしておいたのだけど、結局、家にたどり着く前に、投票を済ませてきたヤップ人の友人と途中で出あって、7時5分前から飲み始めてしまった(笑)。
わたし: まだ7時前なのに、あなた、もう酔っぱらってない?
W: ああ、昼過ぎからやってるよ。村の投票所に行ったらね、投票箱の前に陣取ってる爺さん連中に、おい、飲んでけ飲んでけと言われてさ。
わたし: だってアルコールいけないんじゃないの?
W: 店やレストランで売れないだけで、個人で買い置いたのを飲む分には良いみたいだよ、あはは。
今回の選挙では、対立候補が立たなかった州知事選は現職2期目の信任投票となったが、州議会議員選では、ヤップ島選挙区の6議席を12人の候補者で競っている。おまけに、ミクロネシア連邦からの離脱を視野に入れたヤップ州憲法改正案を、州議会に策定させるかどうかの賛否を問う投票もあった。賛成が2/3を越えれば、改正案の論議が議会で始められる。
ヤップ州がミクロネシア連邦から離脱しても良い、したほうが良いというのは、ほとんどの州民の正直な気持だと思う。ただ、それをどう上手くやるかが問題だ。
1986年の独立以来続いているアメリカとの
自由連合盟約(コンパクト)による経済援助は、2023年をもって間違いなく終了する。そのときがヤップ州がミクロネシア連邦から離脱するベスト・タイミングだが、その前にあからさまに動くと、不利ではないかというのが、反対派の意見だ。しかし現在のヤップでは、Say YES!という掛け声ばかりが大きく響いている感じ。YesかNoかと聞かれている意味を、ほんとうに理解している有権者がどれくらいいるか...ちょっと疑問でもあるし。
ヤップ州の離島ほどではないが、ヤップ島でもまだ上意下達の選挙スタイルが残っている。投票箱の側に陣取る村のエライさんが、〇〇の名前を書くようにと、おおっぴらに言う世界。それでも、そういう勧誘に表向きはハイハイと言いながらも、実際の投票行動は自分の考えで決めるという自立したヤップ人は意外に多い。
ヤップ島選挙区の開票は、投票終了後すぐに始まった。しかし、いつもの通り時間がかかる。夜を徹して翌日3日の夕方までかかって、島内すべての投票箱の集計が出た。
表立った選挙運動など全くしないのに毎回トップ当選するRさん、Mさん、そしてFさんは、予想通り今回も早々と当確。RさんとMさんは、ある政権スピーチの場で、「長いこと議員を勤めさせていただいているが、もし有権者が自分の政治活動に賛同されないのであれば、ぜひそれを投票で示していただきたい、自分は新しい人に譲る用意がある」と語ったそうだ。そういう話が、口から口へと語られていく...これがヤップでの一番有効な選挙運動であり、現に結果がそれを示している。
まだグアム、サイパン(北マリアナ連邦)、ハワイ、アメリカ本土の投票箱が戻ってきていないので、最終決定は早くて来週になるけれど、ヤップ島選挙区選出州議会議員のトップ4(全員現職)の当選はゆるぎないだろう。それで気になる州憲法改正にYesかNoか...?現在のところ、ヤップ島選挙区ではYesがかろうじで2/3を越えている。はてさて、離島と在外投票の結果がどう出るか...。
選挙権もないのによそんちの選挙にけっこう熱くなってたりするわたしだが、翻ってわが祖国ニホンは...ため息ばかり、じゃいけないね。嬉しいニュースとしては、日々革変する
小沢一郎さんが、11月3日、ニコニコ動画に出演されたそうだ:
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お~い、とらちゃん出番だよ!:お~い、とらちゃん出番だよ!
http://toracyan53.blog60.fc2.com/blog-entry-859.html
ブレない小沢節を聞いてワクワク:
「そうだから決めないですよね。わたしはこう思いますとか、私がこういうふうに結論したとか(言うと)責任が生じますからね。別に今政府の人のことを言ってるんじゃなくて、日本社会のそういうコンセンサス社会で『みんなで決めました』『みんなで渡れば怖くない』というやり方だ。だけど、今やこういう大変化の時代にこういうことではダメだと。だからリーダーシップといわれるわけでしょう。そういう意味でトップの人たちだけでなく、それぞれの人たちがきちんと自分の意見を言うと。そういう習慣をつけないと、日本は成り立っていかないと思いますね」
「僕が言ってんのは自立と共生という理念なんですけどね。一番はまずは日本人に必要なのは自立。ちゅうのは自分自身の価値判断を持ち、自分自身で意見を持ち、そして自分の責任で行動するという日本に、僕は、なるべきだと。自立した日本人の集合体が自立した国家なんです。日本なんです。それがまず第一だし。日本人としては」
「それから国家の理念としては共生。これは国内でも人々の、国民同士の共生、仲良くするっちゅうこともありますが、他国民、諸国民との共生。すなわち、平和の問題。それから、もうひとつは自然との共生。これは環境の問題。だから、僕は個人個人の日本人には自立を求めているし、そして自立した個人が国家を構成すると。そして日本は他の国と、他の民族との共生と自然との共生。環境と平和と。これを僕はね、21世紀のね、このあるべき姿としてね、日本が発進できるような国になりたいと。そうあるべきだと、そう思ってんですよ」
あの韓国の李明博大統領ですら、いまや「北朝鮮は中国の経済発展を真似るべきだ」といい始め、
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田中宇の国際ニュース解説:中国の台頭に反応する周辺諸国(1)
http://www.tanakanews.com/101102korea.htm
グアムを訪問したクリントン米国務長官は、日本人旅行者の激減にあえぐグアム当局者に、中国人とロシア人もグアムへのビザ免除を受けられるようサポートを約束したという。
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PACIFIC ISLANDS REPORT:CLINTON REPORTED UPBEAT ON GUAM TOURIST WAIVERS
http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2010/November/11-02-05.htm
急激に変化する国際情勢の中で、ニホンではトップに立つ政治家が誰も責任を取ろうとせず、国民の生活そっちのけで、どこかの飼い主の顔色ばかり伺っている(怒)。
W: ヤップの今回の選挙はとても大事だと思うよ。まだコンパクト援助のあるうちに、どんどんインフラや機能的な政府のシステム、それに人材をつくっておかないと、2023年に金が切れてからでは遅すぎる。今は財政縮小をする時期じゃないと思うんだけどな。
わたし: どこの国でも州でも、いろんな問題を抱えてるわね。
W: でも口で嘆くばかりじゃ状況は変わらないよ。ひとりひとりの行動が大切だ。だから選挙でも、ちゃんと自分で考えて意思表示しなきゃ。
そうそう、小沢一郎さんも言われるとおり、
トップの人たちだけでなく、それぞれの人たちがきちんと自分の意見を言うと。そういう習慣をつけないと、日本は(ヤップも)成り立っていかないと思いますね。
<4年前の選挙の様子>
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今日はヤップ州知事&州議会議員選挙の投票日!
http://suyap.exblog.jp/4645429/
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ヤップ州知事&州議会議員選挙レポート2
http://suyap.exblog.jp/4645505/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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