ヤップ島に、通称「ループロード」と呼ばれている11キロの舗装道路がある。日本の無償援助(ODA)8千5百万円をかけて、2003年に完成されたものだ。
誤解のないように書いておくが、このほかヤップには、1992年に完成したコロニアからマアプの最北端にいたる舗装道路と、2005年に完成したコロニアから南の最南端までつなぐ舗装道路がある。左の写真はループロードの南側の入口で、その右側には
先日記事にした猫バス公社(PTS)がある。
ループロードのそれぞれの入口に、石貨を模したコンクリート製のオブジェがある。これ→は南側入口のオブジェだけど、左端のJICAマークがはっきりわかるでしょ?
日本政府の海外無償援助は、まず100%日本企業が受注するという暗黙のルールがあるらしい。そして工事はすべて日本円で決済される。そういや、この道路のODA話が持ち上がる少し前、結果的にそれを受注した日本の建設会社の社員が、某コンサルタント会社のエライさんをヤップに案内してきて、わたしもその「特別ツアー」の島内観光を提供したことがあった。
そのコンサルタント会社がこのプロジェクトをODAに仕立て上げ、地元企業を参加させての入札も一応行ったものの、そのコンサルを接待していた建設会社に当然のごとく工事は受注された。この舗装道路建設は、わたしにいろんなことを教えてくれたり、考えさせてもくれたものだった。
ところで今回写真を撮ってみて、初めてその文言をちゃんと読んでみた。
ところで今回写真を撮ってみて、初めてその文言を読んでみた:
THE PROJECT FOR ROAD IMPROVEMENTFOR THE STATE OF YAPGRANT AIDBY THE GOVERNMENT OF JAPANAS A TOKEN OF FRIENDSHIP ANDCOOPERATION BETWEENJAPANANDTHE FEDERATED STATES OF MICRONESIA
なんだか落ち着きの悪い変てこな英文だなあ。しかも「友情と協力の象徴として」これを援助しました...なんて(プッ)。行った先々のODAで、こんなクサイことをデカデカ書かないでしょ、フツー?I hope NOT!
一方こっちは北側の入口。舗装される前、このあたりはマングローブの湿地と、そこに流れ込む小川とが道端で接していて、ミナミトビハゼやベニシオマネキ、潮が満ちればマンジュウイシモチやテッポウウオまでが簡単に観察できる、わたしの島内観光では隠れたお薦めスポットだったのだが...。工事によって旧道は埋まり、小川はコンクリートで固められ、生物たちは棲み処を失った。
さてこっちのコンクリートの石貨オブジェは...アレッ? JICAマークの入ったあのプレートが、はがされてるよ!
実は、ここのプレートはもう相当前に消えてしまったのだけど、そんなこと誰も気にしないです(苦笑)。言わなきゃ誰も気づかないことだけど、わかってくれるゲストには、
きっとどこかの家でBBQ用の良い鉄板となって活躍してるでしょう!とわたしは冗談を言ってみたりする^^
コレもしてあげました、アレもしてあげました、と後々まで言われ続ける「援助」ほど、受ける側からすると鬱陶しいものはない。そんなことみんな知ってるんだから、放っておいてくれよ...だね。もっと言えば、あんたの国には金があるんだから助けてくれて当然でしょ、が島的発想で、わたしもこれに全面的に賛成だ。「恩」を安売りしたら嫌われるってば(笑)。
外交の機微も人間関係も似たようなもので、「心の交流」なんておセンチなこと言っちゃ駄目。双方、ギブ・アンド・テイクの計算をシタタカにしつつ、どう上手く折り合いをつけるか、そこを考え続けながら付き合う。愛だの恋だのでは末永く良い付き合いができないのと、一緒だね<<どうして、ここに落ちるのか(爆)。
まあ天皇に認証されたり(大使)、皇太子に接見されたり(青年海外協力隊、シニアボランティアなど)、おまけに任国政府から特別待遇(そりゃ、金づるの糸口ですから)を受けて舞い上がり、自分らは(民間とは)違うんだと勘違いしちゃってるような連中には、わかっていただけないでしょうけどネ、この機微。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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