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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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こんな歌あんな歌

こんな歌あんな歌_a0043520_15502326.jpgそろそろハロウィーンだなあ...とカボチャを見て思う。しかしヤップとカボチャで思い出すのは、やはり戦争のこと。

平和だった島の空に、ある日突然、黒い鳥の大群が現れて、恐ろしく大きなカボチャをたくさん落とし始めた。その黄色いカボチャは地面に当たると大きく裂けて飛び散った...当時のヤップ人は、飛行機を鳥に、爆弾をカボチャにたとえて唄に残している。

こんな歌あんな歌_a0043520_155043100.jpg同じ頃、青く晴れ渡った真夏の広島の空に、1機のB29が飛来して、小さな物体を落下した。その不思議な敵機と物体を見ていた人々が次に見たのは、ピカッとこの世のものとは思えない光で包まれた世界だった。そして次の瞬間、ドーンというとてつもない破壊力が襲って瞬時に多くの命を奪い、生きながらえた者にも地獄の苦しみを与え続けた。後にそれが原子爆弾というものであることがわかっても、人々にとって、それはいつまでもピカドンだった。

最近、たまにしか訪れないミクシィの、あるマイミクさんの日記を通して、元ちとせが歌う「死んだ女の子」を聴いた。


この歌はトルコの詩人ナーズム・ヒクメットの原作で、日本では50年代末ころから、現在元ちとせサンが歌っているのとは違う人の訳詩と作曲で歌われていた。その経緯や、以前の曲や訳詩、それに原作とその逐語訳まで、こちらで読める:

二木紘三のうた物語:死んだ女の子
http://duarbo.air-nifty.com/songs/2007/01/post_abef.html

わたし的には逐語訳を読んで初めて、歌詞の意味がしっくりときた。読んだ(聴いた)人に、(それぞれのやり方で)平和な世界を目指す行動を訴えるフレーズをどう解釈するか、それには原作者の人生や立ち位置も知らねばなるまい。

元ちとせサンが歌うの「平和な世界に どうかしてちょうだい」では、ちょっとインパクトが甘いのではないか。かといって、唐突に「署名をどうぞして下さい」ではおかしいし...。元ちとせバージョンを生かせば、「平和な世界に あなたしてちょうだい」ではいかが?

そして穏やかな反戦ソングといえばこれ、


その喜納昌吉サンのことが、ちょっと心配になっている。

反戦な家づくり:どうしちゃったんだ喜納昌吉
http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-956.html#cmf

「平和の歌」は難しい...

こんな歌あんな歌_a0043520_1711847.jpgところで、沖縄といえば元ネーネーズ古謝美佐子さんに黒い雨という歌があるらしい。ネットで捜したけど見つからないので、わたしはまだ聴いたことがないのだが、とりあえず歌詞だけでも。
黒い雨
(作詞・作曲:佐藤一哉)

雨が降る降る どんと降る
お空はまっ暗 鉛色
どこから降るのか わかりゃせぬ
ホーイ ホーイ ホーイ ホー
ホーイ ホーイ ホーイ ホー

雨が降る降る しゃんと降る
母さん痛いよ 冷たいよ
さあさ お家に入りゃんせ
ホーイ ホーイ ホーイ ホー
ホーイ ホーイ ホーイ ホー

雨が降る降る ドンと降る
父さんこの雨 何の雨
名前の無い雨 黒い雨
ホーイ ホーイ ホーイ ホー
ホーイ ホーイ ホーイ ホー

雨が降る降る シャンと降る
狙った獲物ははずしゃせぬ
逃げても逃げても追ってくる
ホーイ ホーイ ホーイ ホー
ホーイ ホーイ ホーイ ホー

雨が降る降る どんと降る
明日は晴れるか また降るか
てるてる坊主に祈りゃんせ
「黒い雨」は広島や長崎で原爆のあとに降った実際の黒い雨だけじゃなく、子供や一般市民の上に降り注ぐすべての殺戮を意味するのだそうだが、戦争中のヤップ人にとって、それはまさに黄色い雨だったんだね。

というわけで、歌をとおしてヤップと広島と沖縄が、なんとなくつながって見えた気がしたのでありました。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2010-10-25 22:04 | 戦争はビジネス(怒)
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