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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ネズミとネコとちょっと良い話

せっかくやってきたADSLのルーターが2時間で壊れ壊した客はオマエだけだぞと筋違いな文句を言われながらもようやくゲットした替えのルーターはコンフィガレーションとやらがうまく行かず、加入1週間目にしてやっときょうから、我が家でもADSLがさくさくと動くようになった。それで久しぶりにこのブログのスキンを変えて、調子にのってTwitterまで埋めこんでみたけど、いかがでせうか^^

ネズミとネコとちょっと良い話_a0043520_23161267.jpgところで、こうしてパソコンに向かっている今も、わたしの目の端はなにやらチョコマカ動く影をとらえて落ち着かない。我が家のネズ公たちがまた、すごく活発に動き回っているのだ。

右の写真は去年、風呂場のバケツに落ちたドジなネズ公。いまは台所や風呂場どころか、昨日なんか、なんと、パソコンに向かうわたしの目の前、モニターとキーボードの間を堂々と走りぬけていった。ネズ公が苦手なわたしは、あまりの事態にうろたえて、きゃ~~~と近所に響くような叫び声をあげていた(笑)

ネズミとネコとちょっと良い話_a0043520_23173396.jpgそれでも、どんなにネズ公で困っていても、ネコを飼うというヤップでは自然な発想がわたしにはできない。別にネコちゃんが嫌いなわけじゃないし、リアルであったこともないのに惚れこんでいる、こんな美男ネコもいるんだけど…(笑)、やっぱりネコとは暮らせないなあ…。そんな話をG嬢にしていたら、うちもいまはネコを飼えないのよと言い出した。それ、どういうこと?と聞き返すと…

いまG嬢の家には、彼女の3人の妹たちの幼い子供ら4人が一緒に住んでいて、まるで託児施設の有様でそれはそれは大変らしい。そんなある日、3歳の姪っ子が、生まれたばかりの妹が湯浴みしてもらったあと、タライのお湯に自分の人形を入れて遊んでいた。姪っ子は母親が赤ん坊にやってたとおり、人形を入浴させた後はタオルで拭いて寝かしつけた。そして大人たちの知らないうちに、次はおばあちゃんの小さな子猫もお風呂に入れてあげたらしい。それは、まだ手に乗るほどの小さなネコだった。

3歳の女の子にお人形のように扱われ水にざぶざぶ漬けられた子猫は、哀れにもいつのまにかおぼれ死んでしまった。しかし女の子はそれに気がつかない。動かなくなった子猫が眠ってしまったものと思い、タオルに巻いて、自分の小さなバスケットに入れて持ち歩いていた(注:ヤップでは赤ん坊をヤシの葉で編んだバスケットに入れて育てる習慣がある)。

バスケットからしずくが垂れているのに気づいた母親が、不審に思って中をのぞいてみたら、小さな子猫はすでに死後硬直状態だった。そこで女の子に、子猫が死んでいることを告げてバスケットを寄こすように言うと、本人はネコちゃんは眠っているんだからと渡さない。彼女はとうとう日が暮れて眠りにつくまでバスケットを片時も話さず、ネコちゃんきょうはよく眠りまちゅねえなどと、ときどきバスケットの中に話しかけていた。

G嬢、G嬢ママ、女の子の母親(G嬢の末の妹)、他の妹たちや弟、一家の大人たちは全員、困ったねえ…という顔で、それを見守っていたそうだ。

やがてその子が眠りについたとき、G嬢の弟がそっとバスケットを取り上げて、裏庭に子猫を埋めに行った。翌朝、目覚めた女の子は、すぐに子猫の行方を聞いたけど、若い「おじさん」(まだ10代のG嬢の弟)は、犬に追われておばあちゃんの家に逃げ出したっきり戻ってこないよと答えた。そしてそれっきり、女の子が子猫の行方を家族に聞くことはなかった…

だから、今うちではネコを飼えないのよと、G嬢

子猫を死なせてしまった幼児を誰も叱らず、死んだ子猫をムリヤリ取り上げるでもなく、死んだ子猫に話しかけ続ける子供を、まわりは困った顔をしながらも、暖かく見つめている…そんな家族の雰囲気が感じられて、わたしも(死んだ子猫には申し訳ないが)と~ってもあったかな気分になったのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2010-06-08 23:13 | ヤップな日々
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