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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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シャコガイのベイビーがやってきた!

もう1週間ほど前の話になりますが、実はわたし、ベイビーを授かりました、しかも17…個も^^ シャコガイのベイビー!

a0043520_13105635.jpg独立間もない80年代後半から90年代前半にかけて、ヤップ州の海洋資源局(MRMD)では、パラオ海洋水産試験場からシャコガイのベイビーを何度か輸入して、その育苗生産を試みていた。これはベイビーを大きく育てて食べてしまうのではなく、それらを「親」として放精・産卵できるまで育て、彼らから産まれたベイビーが、やがてヤップ中のリーフに広がっていくことで、激減したシャコガイ資源を回復させようというものだった。

その後いろいろな事情で止まっていたシャコガイの種苗生産だが、今年の2月、ヤップの海洋資源局に、再びパラオから4000個の稚貝がやってきた。ベイビーたちはまず、海洋資源局の水槽でひと休み。

a0043520_13145226.jpg2月から今まで、酸素も入れてない水槽に、こんなに混み合った状態で置いてたのぉ…と口まで出かかった言葉を押さえつつ…(笑)

シャコガイ科(Tridacnidae)は2属からなり、その下にいろんな種があるが、そのうち育苗生産されているのは、主に成長が速く、かつ食用としても有用な(美味しい)種だ。今回ヤップにやってきたのは、

ヒレナシシャコガイTridacna derasa)↓
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ヒレジャコガイTridacna sqamosa)↓
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そして↓シャゴウガイHippopus hippopus)↓
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の3種。いずれも生後2年くらいのサイズ。

パラオ海洋水産試験場は、シャコガイの放精・放乱から受精、採卵、育苗まで行っており、稚貝を、地元や島外に出荷・輸出している。パラオに行っらぜひパラオ海洋水産試験場を訪れてみることをお薦めするが、シャコガイの育苗生産のプロセスは、下にリンクした沖縄水産試験場のPDFでもよくわかる:

シャコガイの種苗生産
http://www.pref.okinawa.jp/fish/suisihoukoku/iwai.pdf

↓こちら↓のサイトも、シャコガイの種類が写真入りで解説されてて楽しい。ただし筆者はアクアリストらしく、水槽で育てるのに適した「あまり大きくならない」シャコガイに、よりボリュームを割いているけど^^:

シャコガイのお話:シャコガイのなかまたち
http://neoaqua.web.fc2.com/aquarium/a/syakogai-2.html

a0043520_13162846.jpgヤップに住んで間もない頃から、わたしは妙にシャコガイと縁があった。当時、海洋資源局はヤップ州の各離島のリーフにも、4~5年物のシャコガイを置いていて、それらをスクーバで潜って計測する仕事を、わたしはひょんなきっかけから仰せつかり、1993年の2月から3月にかけて、ヤップ州のほとんどの離島を潜る機会を得た。とはいっても、各環礁のシャコガイを置いてある場所でひとり、延々とサイズを測って数を数えていただけだけど。それでも島によっては、スクーバダイビングで潜る「女」を初めて目撃した男たちも多く、(当時はわたしも若かったしねえ…)けっこう話題になったっけ…。

a0043520_13175833.jpgさて、過密状態で水槽に入れられていたベイビーたちが、やっとリーフに移されることになった。まだ小さいので、2.5センチ角くらいのワイヤー・ネットで作ったケージに砂利を敷いたものに入れて、潮通しの良い浅い礁湖に置いておく。そこで1~2年ほど大きくなるのを待って、再び離島に配布するという。5月末のある日、ルムング目先の礁湖にケージを置きに行く作業を手伝った。

a0043520_13314456.jpgここにはかつて、10年モノの大きなシャコガイがたくさん置かれていたが、度重なる台風と、シャコガイ・ドロボーのため、いまはひとつも残っておらず、今回のプロジェクトの第一陣として4月末に置いたケージが、淋しそうに横たわっていた。それにしても、砂地の礁湖にしては意外に藻の付着が速いし、サンゴ砂にも泥が混じっているし、昔とずいぶん様子が違うなあ…。

a0043520_13371562.jpg海洋資源局が90年代初め頃から使っているこの場所は、幼いシャコガイの育苗にはもはや適さなくなったのではないか… わたし自身が見続けてきたヤップのリーフの20年間の変遷を思い返しながら、ちょっと憂鬱になった。

とはいっても、潮位の関係で作業時間は限られている。一緒に行った海洋資源局のシャコガイ係Mくんと、早速、作業に取りかかった。

まず1ヶ月前に置いたケージを開けて、死んだ貝を取り除き、かぶった砂や藻を取り除き、生きている貝をきれいに並べ替える。
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ヒレナシシャコガイTridacna derasa)↑はわりと元気そうで、ケージの中を好きな場所に移動して、好きな格好で足糸を絡めていた。



a0043520_1485580.jpg色鮮やかなヒレジャコガイも元気なのが多く、一安心。しかし、シャゴウガイはどれも小さく、砂をかぶってしまって息も絶えだえとう感じなのが多かった。

藻のついたケージをきれいにして、シャコガイを並べかえる。

a0043520_1495939.jpgその後、今回持っていったケージを並べていき、前回に置いた4個の5年モノのヒレナシシャコガイをケージを置き皿(?)にして配置した。

さすがシャコガイ係のMくん、シャコガイの扱いに彼のが見える(笑)。わたしも負けずに、ひとつひとつ、ていねいに置いていったよ^^

それで、作業をしながら、ず~っと思っていたことがあって、それを帰りのボートの中で言ってみた:

Mくん、わたしにも少しベイビーを分けてください!

実はマリーナのうちの桟橋の下にも、90年代からシャコガイが置かれていた。わたしは覚えていないけど、それらを置いたのも自分だとMくんは言う。全部で13個、殻長60センチ以上にもなったのもいて、先代のマリーナ・レストランがちゃんと営業していた2003年までは、美しい外套膜を広げた大きなシャコガイを、客席からも眺めることができた。それが、2004年4月のスーパー台風によって半分が流され、レストランが長いこと休業していて人の目が無かったせいで、残ったものも、いつのまにか中身を持っていかれてしまった...(怒)。
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さて、わたしのリクエストにMくんもホイホイ乗ってくれたので、ケージ1個に砂利を入れ、11個のヒレナシシャコガイTridacna derasa)と、4個のヒレジャコガイTridacna sqamosa)と、2個のシャゴウガイをもらうことができた。
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桟橋からは近いけれど見えない微妙な距離で、満潮時4メートル強、低潮時3メートル前後の水深がある場所を選び、泥に埋もれないように下に石を積んで、ケージの一方を固定した。
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そっとフタを閉めて見守っていると、まずヒレジャコガイが口を開き始め、ヒレナシシャコガイがそれに続いた。臆病なシャゴウガイはなかなか口を開かない。

a0043520_1347122.jpgしばらく離れて様子を見ることにして、ちょうど干潮時で透明度は2mぐらいしかなかったけれど、中身を抜かれて死んでしまったシャコガイを捜してみた。

いたいた、これはヒレナシシャコガイの殻。全部で4個の貝殻を見つけることができた。今日からわたしのベイビーになった17個のシャコガイたちには、ぜったいに、こういう目に合わせないからね!

さて、わくわくしながらベイビーたちの元に戻ってみると…
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わ~い、シャゴウガイもかすかに口を開き始めてた。それにしても、シャコガイ・ベイビーを見つめてるだけで、時間の経つのも忘れるなあ。ず~っと見つめ続けても飽きないよ(笑)。

もう少し成長したら、それぞれに名前をつけて、もうひとつケージももらってきて… もっと大きくなったら、もっと大きなケージに作り変えて… あの13個のサイズにするには、10年以上かかるんだよなあ… お母さんも元気でいなきゃ(爆)。

というわけで、これから月に2回くらいのペースで、わがベイビーの成長記録、シャコガイ日記をアップしますね~^^


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2010-06-06 15:04 | シャコガイ日記
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