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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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シミヨン・ホクレア号はパラオに到着しました

5月13日にグアムを出航してヤップへ向かった2艇の伝統カヌーのうち、行方のつかめなかったシミヨン・ホクレア号は、本日、無事にパラオへ入港したそうです。11人の乗員はみんな元気とのこと。
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ここ数日、心配すまいと思ってもやはり気になっていましたが、ようやくホッとしました。(上の写真は昨年1月にヤップからパラオへ向けて出航したときのシミヨン・ホクレア号です)

マソウ・メラム号は、最後の部分でレセプションに間に合わせるための曳航があったとはいえ、それがなければヤップまで5日の行程でした。マソウ・メラム号のクルーによると、グアムを出航して2日後からシミヨン・ホクレア号の姿が視界から消えた-ということです。シミヨン・ホクレア号に何が起きたのか、現時点では詳細不明ですが、ともかくグアムからパラオまで、約1300キロの距離を8日でこなしたことになります。

実はマソウ・メラム号がヤップに帰着した翌日(18日)の午後から、ヤップ島とユリシー環礁、ファイス島、ウォレアイ環礁を結ぶコミューター便を飛ばしているPMA(パシフィック・ミッショナリー・アビエーション)のビーチ・クラフト機が、毎日捜索に飛んでいました。PMAがヤップ島から約90キロまでの範囲を捜索したあと、昨日からアメリカの沿岸警備隊が引き継いだとか。すべての捜索はひそやかに行われていましたから、われわれも息を潜めて、ああPMAが飛んでったなあ...、いま戻ってきたなあ... 見つかったのかなあ...と気にしていました。

あまり大騒ぎするのは航海している人たちに失礼ですし、あまり心配しすぎると彼らにバッドラックかもしれませんし...海へ出て行った人たちのことを、こちらの人たちは決して表立って心配しません(心の中でどんなに強く思っていても)。

以前も、2週間くらい居場所がつかめなくなったカヌーがあり、ヤップだけでなくインターネット上でもちょっと騒ぎになっていたのですが、帰ってきたキャプテンやクルーたちは、われわれはロストなどしていない、風や天候のせいで、ちょっと大まわしていただけだ-と憮然としていました。

(追記)
5月21日のPDNによると、5月18日午後1時30分には、US Coast Guardに正式に捜索願いが出されていたそうです。ずいぶん、早いなあ...(ヤップでは)また論議を呼ぶだろうなあ...


今回も、すでにいろいろなストーリーが語られていますが、もし艇のトラブルによるものなら、

1)トラブルの修復に手間取っているうちに、海流に乗ってヤップ島の北を西方向に流されてしまい、そこからヤップ島に戻るには海流と風に真っ向から逆らって東へ切り上ることになり、それには風が弱すぎるので、流れに対して斜め、あるいは直角にやや追い風で進めるパラオへ針路を取った。

ということだと想像できます。ハプニングで針路変更があったり日程がかなり延びても、ナビゲーターが艇の位置さえ把握していれば、全く問題ないのです。どんなに大まわりでも時間がかかっても、全員が無事に生還することが大前提ですから。

上記の想像以外にも、

2)いや、あれは密かにパラオ行きを計画していたんだよ、きっと。

とか、

3)グアムの連中に持たされたグーグル・ナビへの発信機にプライドを傷つけられたんじゃないか?だから針路をはずしたんだ。

という人もいます。わたしも陰謀めいた話は嫌いじゃありませんし(笑)、状況からそういうことがあってもおかしくはないと思います。もし2)や3)だった場合、それは、現在のヤップ伝統カヌー復興運動のあり方に対する、強烈かつスマートな問題提起となります。わっ、カッコ良いな。しかし、その「真相」が言葉としてオモテに出てくることは、永久にないでしょうけど。

しかし1)の場合でも、このカヌー事業に関わっているもの全員が学ばなければならないことがたくさんあります。やはり一緒に旅をするなら、つかず離れず、お互い助け合って航海するのが、筋ってもんじゃないのでしょうか?


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2010-05-21 18:57 | ヤップの伝統文化
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