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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ヤップのラジオ放送でも流れた小林興起衆議院議員のグアムでの発言

ヤップのラジオ放送でも流れた小林興起衆議院議員のグアムでの発言_a0043520_20321154.jpgヤップのラジオ放送でも、一昨日、小林興起衆議院議員が先週末にグアムで行った発言をニュースで流していた。日本の国会議員のプリゼンがヤップのニュースになること自体が珍しいが、ついでヤップ州広報でも配信されたので、ここに記録しておく。

ネタ元はグアムの新聞、Pacific Daily Newsの3月23日付署名記事で、ラジオのニュースは、通例からして、これをそのまま読んだだけだと思う。

小林議員がグアム大学でスピーチを行った件は、本ブログのこちらの記事でも取り上げ、それはこわれたおもちゃをだきあげてさん晴天とら日記のとらちゃんなどでリンクをいただいたのだが、その記事を書く元となったのは、Pacific Daily News 3月21日付の無署名記事だった。一方、ヤップのラジオ放送ならびにヤップ州広報に載っていたのは、3月23日付の同新聞署名記事で、21日付の記事とはだいぶトーンが違っていて、読んでびっくりした。ラジオ放送でコバヤシの名前を聞いたときにはムッとして、実は内容をほとんど聴いていなかったので、こうして文章を読むまで気づけなかったのだが(笑)。前記事で小林興起のおっさんなんて書いてて、ゴメンナサイ>>小林議員(ペコリ)。

しかし日付が後にもかかわらず、この23日付の署名記事は、既にPacific Daily Newsから消えていて、わたし自身もこの日はPDNのサイトを見てないので見落としていた。3月21日付の無署名記事はまだ残っているのに、変だなあ。

米軍お膝元のグアムで発行されているPacific Daily Newsは、とくに米軍関係で、(わざと?)取り上げなかったり書き方が変だったりする記事があることは感じていたので、先週末にグアム大学で行われた小林議員のスピーチも、直後に書かれた無署名記事ではかなり編集されて伝えられていた可能性もある。23日付の署名記事を読むと、それが米国統治下であり米海兵隊の移転先とされているグアムで行われた発言であることを考えれば、与党国会議員の外交プリゼンとしては、まあまあの出来ではないかと思える(23日の記事には、そのソースが小林議員のグアム大での学スピーチとは書いてないので、その辺もちょっと気になるけど)。みなさんのご意見はどうでしょう?

「在日米軍再編のロードマップ」に沿ってという表現が、現行のままを意味するなら、辺野古の基地建設も容認することになり、わたしとしてもとても容認できるものではないが、その後の内容を合わせて読むと、そうでもないのかもしれないとも取れる。まあ外交スピーチは、このようにあいまい、ぼかしをふんだんに振りまいておくほうが良い場合もあるだろうし、現に鳩山政権ののらりくらりも、その表れと...期待したい。こうして外交バルーンをたくさん打ち上げながら実質何も決めないで、米国や国際情勢が変わるまで、のらりくらりと逃げて、長期的に在日米軍全面撤退を目指すのが一番じゃないでしょうかね。この件、鳩山内閣がヘタを打たないことだけを、痛切に祈る!(笑)

というわけで、以下、suyap訳でどうぞ (大きな誤訳などありませんように...):


タイトル:日本の衆議院議員、(海兵隊の)グアム移転ありという
サブタイトル:いろいろな障害にもかかわらず、軍の移転は行われるだろう
記者:Tiffany Sukola

アガニャ、グアム(2010年3月23日のパシフィック・デイリーニュース)
グアム住民からの反対があるにせよ、8000人の米海兵隊員とその家族を沖縄からグアムに移転させる計画は実施されるだろう-日本の国会議員、小林興起氏は、先週末語った。

この日本の衆議院議員は、日米関係の状態について討議するため、グアムに来島していた。

沖縄及び北方問題に関する特別委員会のメンバーでもある小林は、2006年に日米両政府が合意した在日米軍再編のロードマップに、なんら大きな変化があるとは予期しないと言った。

「日本でもこの問題はトップ・ニュースです。」と、小林は通訳を通して語った。 「しかし、グアムではすでにそうなると思われていることに、非常に近いことになるでしょう」

小林はまた、日本の新政権は沖縄に駐留する米軍の数を減らすことを切望しているので、グアム住民は、これから数年にわたって米軍の増加を見ることになるだろうと語った。

小林によると、鳩山政権は、現在日本の領土に5万人はいると推定される米軍が出て行くことを望む沖縄県民への関心を、強調したいと望んでいるという。

「人々は米軍基地の存在によって引き起こされる騒音や他の問題に苦情をいっている」と、小林は言った。 「日本人は、もう米軍基地はいらないと言っている」

小林は日本に米軍基地を維持しておくことの重要性を認識しているが、この問題について、政治家の考えていることと日本国民の要求との間に、大きな溝があると言った。

「政治家は太平洋地域の保安のために(米軍)基地を維持したい」と、小林は言った。「しかし日本国民は、今現在平和なので、もう基地はいらないと思っている」

日本国民は現政権に沖縄の現状を変えることを期待していると小林は語った。「政府はそういう国民の苦情のいくつかを、ただなだめようとしている」

この日本の議員によると、民主党は沖縄の人々へ誠実な配慮をしながらも、最終的には、現行の計画(在日米軍再編のロードマップ?)に沿って米軍を移転させることになるだろうという。

グアムで強い米軍移転(受け入れ)反対運動があることを知っても驚かなかったと、小林は言った。

しかしながら、と小林は言った。何千もの海兵隊をどこに移転されるかは、結局、米軍当局次第なのだと。

「日本は米海兵隊の数を減らしたいと望んでいるから、彼らはどこかへ引っ越さなければならない」と小林は言った。「米国は、それをどこへもっていくか、決めなくてはならない。それがグアムにせよ、どこか他の場所にせよ、日本から出て行かなければならない」

鳩山政権は、米軍再編による摩擦が日米関係に悪い影響を与えないことを望んでいると、小林は語った。

彼はまた、世界のしくみが急速に変化している中で、(日米)両国の関係は非常に貴重なものであり、それをより深める価値があると日本は考えていると言った。

今日の流動する経済情勢の最前線においてもなお、鳩山政権は米国との関係維持が最も重要だと考えていると、小林は言った。「日本は他の国々との経済関係をより深めてはいるが、米国は日本の同盟国でありつづける」と、彼はつけ加えた。

中国は急速に経済大国になっている。しかし、「中国とは日本の民主主義の理念を共有できないので、そういう国が、価値と重要性において米国と取って代わることは決してない」と小林は言った。

(原文)
JAPANESE REPRESENTATIVE SAYS GUAM RELOCATION IS A GO

Despite setbacks, military move will happen

By Tiffany Sukola

HAGÅTÑA, Guam (Pacific Daily News, March 23, 2010) - Plans to relocate 8,000 U.S. Marines and their dependents from Okinawa to Guam are likely to move forward despite objections from Guam residents, Japanese lawmaker Koki Kobayashi said over the weekend.

The senior member of Japan’s House of Representatives was on Guam to discuss the status of relations between the United States and Japan.

Kobayashi, a member of the committee that oversees policies involving Okinawa, said he does not anticipate any major changes to the 2006 U.S./Japan bilateral agreement to realign American troops in Japan.

"This issue is top news in Japan as well," said Kobayashi through a translator. "But it will come down too close to what Guam already thinks will happen."

Kobayashi said Guam residents can expect to see an increase in U.S. troops over the next few years because the new Japanese government is eager to reduce the number of American forces in Okinawa.

According to Kobayashi, the Hatoyama government wants to address the concerns of Okinawans who want the estimated 50,000 U.S. troops currently on Japanese soil to leave.

"People have complained about noise and other troubles caused by the presence of the American base," Kobayashi said. "The people of Japan say they no longer want an American base."

While Kobayashi recognizes the importance of keeping a U.S. base in Japan, he said there is a large gap between what lawmakers think about the issue and what Japanese residents want.

"Politicians want the base to keep peace in the Pacific region," Kobayashi said. "But the people of Japan think that since we are in a time of peace right now, that the base is no longer needed."

Kobayashi said the Japanese people are expecting their government to make changes to the current situation on Okinawa. "The government just wants to soothe some of the complaints of the people," Kobayashi said.

According to the Japanese lawmaker, the ruling Democratic Party of Japan is giving sincere consideration to the people of Okinawa and in the end, will likely move forward with the current plan to relocate the U.S. troops.

Kobayashi said he was not surprised to hear of a strong movement on Guam to keep plans to relocate the troops from happening.

However, Kobayashi said the decision about where to move the thousands of Marines is ultimately up to the U.S. military.

"Japan wants to reduce the number of U.S. Marines, and they have to go somewhere," Kobayashi said. "The U.S. has to decide where, on Guam or elsewhere, but they have to be moved from Japan."

Kobayashi said the Hatoyama government hopes friction over the realignment of troops does not damage U.S.-Japan relations.

He said as the structure of the world is quickly changing, Japan sees relations between the two countries as extremely precious and worth cultivating.

The Hatoyama government still thinks U.S. relations are the most important to have in today’s shifting economic front, Kobayashi said. "Japan is starting to enter into more economic relations with other countries, but the U.S. remains Japan’s ally country," he added.

China is quickly becoming an economic superpower. However, Kobayashi said, since the country does not share Japan’s idea of democracy, China will never replace the United States in importance and value.


※訳語にふと思ったこと:
小林議員が、Kobayashiとかthe Japanese lawmakerとか、敬称/称号なしで呼ばれているのが、ちょっと気になった。これがアメリカの国会議員なら、もう少しRepresentativeとかつけて呼ぶと思う。それを「内向きに気にする」のじゃなくて、相手側の立ち居地を測る道具にするのも外交の一手だろうね。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2010-03-26 10:23 | ヤップでつらつら政治など
<< ダイコンだあ! 今度はコメント20(笑) >>