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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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戦跡の泥棒-その弐

天候: 少し雲のある晴
風向: 東
風力: 7ノット
気圧: 1008hPa
湿度: 71%
気温: 29.9℃
過去24時間の最高気温: ℃
過去24時間の最低気温: ℃
(5月29日午後4時56分現在のヤップ気象データ)
(注)「天候」「気温」に関しては、観測時間によってデータに大きく差がでます。一般的に夜は雲が多く気温も低いです。

a0043520_011978.jpg昨日の投稿で報告した一式陸上攻撃機のランディングギアに残っていたプレートが盗まれた件で、早速昔の写真を届けてくれた人がいた。オリジナルは1.3MGとデカイので、かろうじてわずかな文字が読み取れる。確率はとてつもなく低いだろうけど、万が一ネットオークションなどで似たようなものを発見したら、すぐにご連絡ください。ヤップ州ではこれら戦跡の残骸も(たとえひとかけのスクラップでも)州の財産となっていて、無許可の持ち出し行為はもちろん罪に問われる。

a0043520_0204511.jpg昨日も掲載したけど、これが今の状態。プレートは鋭利な刃物で丁寧に切り取られていて、4隅の鋲はしっかり残っているので、ちゃんと道具を用意した計画的な犯行であるのは明らかだ。わたしが心配するのは地元の人間の関与である。いくら肝のすわった泥棒でも、外国人がひとりで(あるいは複数で)ヤップの村に入り込むにはかなりの勇気を要するだろうから、だれか地元の人間を抱きこんではいないだろうか?もちろん多くのヤップの人には戦跡の残骸はただのクズにしか見えないし、こんなクズの破片が高く売れるなんて誰も想像できないから、考えの浅い奴ならちょっと大目のチップ程度でホイホイ手伝ったりするのがいてもおかしくない。

わたしが初めて沖縄の離島を旅したとき(もちろん大昔ですー笑)、泊まった民宿のおじさんが生きたクモガイやスイジガイ・タカラガイなどをたくさん取ってきては庭で処理し(砂に埋めたり軒につるして貝を変色させないように身を取りだすには技術がいる)、それを気前よく宿泊客に持ち帰らせているのを見たことがある。おじさんとしては単純にお客を喜ばせようとしてやった行為だったのだけど、たくさんのおじさんやおばさんが同じことをした結果、沖縄の貝は激減した。そして世界中の海で同じようなことが起きた経験の反省から、いまのダイバーは「海で撮るのは写真だけ。モノは一切取ってこない」ことを、最初のトレーニングのときから教わっている(ハズだ)。

どこの地域でも、「観光」というものが入ってくると、地元の過剰なサービスや対応によるアンバランスが起きやすい。それをできるだけ最小限にするためには、既に「観光」というものの持つ両刃の刃の怖さを知っているものが、根気よく地元に働きかけていくしかない。地元の無知を良いことに、自分や自己の属する側のみを利する行為を押しつけたりやらせたりなど、間違ってもやってはならない。

このような泥棒行為をする発想は、週刊文春に勝手に撮ったヤップの写真とデタラメな情報を売ったりするような程度の低いカメラマンを招聘したり、ヤップ人を馬鹿にしたヤラセ番組をつくるようなテレビ屋を呼びこんだりするのと、実は同じルーツから起きるのだ。要するにこれらは、地元に属さない人間だからこそできる発想であり行為だからね。

そこのところがわからないと、そういう奴らは自分は良いことをしていると勘違いしているかもしれない。いわく、「このまま放っておけば、このプレートも朽ち果てるだけじゃないか。だから自分が保存してあげるんだ」とか、「このままヤップが地味な観光に埋もれるよりも、少々嘘でも名前を売ったほうが儲かって雇用の口も広がるのだから、自分はヤップのためになることをしているんだ」とかね。

こういう連中に、わたしは、「じゃ、あんたはいったい何なのさ」と言いたい。ヤップで普通に暮らすヤップ人は、わたしたちに観光開発をしてくれと頼んできているわけじゃない。どっちかっていうと、見も知らない人間がワサワサと自分のテリトリーに入ってくるのは、うざったいものなのだ。まるで動物園の動物になった心境よね。そういう地元の感情を真摯に感じて、相手の尊厳を守りながら、観光と暮らしに折り合いをつけていくように手伝うのが、われわれヨソモノの務めであると思う。

人はお互いが目指すもので引きつけあうものだから、もしヤップをクウォリティの高いディスティネーションにしようと思ったら、われわれオペレーターもクウォリティーを高めるような努力をしなけりゃね。どっかの馬鹿な宰相のような子供だましのキャッチコピーだけで明け暮れてると、結局その程度の集客しかできなくて、ヤップの観光地としての質もどんどん落ちていくのだよ。そんなこんなを日々考えながら、まわりの(日本人)同業者から「文句たれ婆」と陰口たたかれても、わたしは今日も元気いっぱいに一言申しているわけなのだ。


戦跡の泥棒



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by suyap | 2006-05-29 20:11 | ヤップと戦争

戦跡の泥棒

天候: やや雲の多い晴
風向: 東
風力: 10ノット
気圧: 1011hPa
湿度: 75%
気温: 30.3℃
過去24時間の最高気温: 30.6℃
過去24時間の最低気温: 23.9℃
(5月28日午前11時52分現在のヤップ気象データ)
(注)「天候」「気温」に関しては、観測時間によってデータに大きく差がでます。一般的に夜は雲が多く気温も低いです。

これから3日間、一ヶ月ぶりにお客様が途絶える日が続く。ふぅ~~~!
といっても、やらなきゃならない仕事はデスクの上にも野外にも山のように溜まっているのだけど、とりあえず今日はデスクにかじりつくことにした。という訳でまずブログから。

a0043520_1250758.jpgというのは、引き続き今回も気の滅入るレポートがあるからだ。昨日は「ディープな戦跡ツアー」というリクエストがあったので、日頃行かない場所や時間をかけて見ない細部もご案内していたのだけど、あの一式陸上攻撃機のランディング・ギアに数ヶ月前までついていた10cm角くらいのプレートが切り取られているのを発見した。このプレートには、おそらく製造所や品番などだろうと思われる日本語がぼんやり残っていて、数年前にこの文字を読み取ろうとしてデジカメで撮ってみたが文字を再現できなかった。うかつにもそのときの写真をわたしは消去してしまったようで、ここで紹介できないのが残念だ。一緒に撮ってくれたSYさん、まだ保存していますか?

ヤップには主に太平洋戦争の残骸である戦闘機や鉄砲類がいろいろ残っている。それらはすべて誰かの所有地に転がっているので、われわれツアー・オペレーターは土地のオーナーに入域料を払ってツーリストを案内している。しかし多くの残骸は人気のない荒地やジャングルの中にあり、心の曲がった奴らが「お土産を持って行く」気になったらひとたまりもない状況でもあるのは確かだ。はっきり言って、現在残っているものはコレクターにとってはクズだけらしく、めぼしいものはほとんど持って行かれてしまったらしい。それにしてもこのように道具を使って「切り取った」跡を見てしまうと、全身が震えるほどの怒りを感じる。

a0043520_1251367.jpgわたしが見続けている泥棒の跡はこれだけではない。この写真の矢印の先のように3年前まではちゃんとついていた97式艦上攻撃機もしくは天山と思われる戦闘機の乗降用取っ手も、いまはもう無い。

上記の二つとも、5~6年前に所在の村が戦跡巡りトレイルを作ってくれて、それ以降に荒廃が進んだ。放っておけばジャングルに埋もれて手つかずで残るものが、こうして観光のために人目にさらされるようになると荒れていくのを見るのは、観光を生業とする者としては非常につらい。また、こうしてヤップに一式陸攻や97艦攻もしくは天山などがあることをインターネット上で書くことが、こういう邪な奴らを刺激することはわかっているのだけど、ヤップの村に不法侵入して泥棒を働いて見つかるとどういうことになるのか、ここでしっかり書いて置きたい。今度も同じことが出来ると思ったら、とんでもねえぞ>>泥棒め!!!

a0043520_12514624.jpg「あっ、この部品はヤフオクで売れる」なんていう発想をする奴らを絶対に入れないように、戦跡ツアーのスペシャリストを自認するネイチャーズウエイでは、「ディープな戦跡ツアー」をリクエストするお客様には、どういう目的でそのようなツアーをご希望なのか、まずインタビュー(テスト)をしてからご案内している。左の写真はそのようなディープ・ツアーで見られるゼロ戦だけど、蛮刀を持ってジャングルを分け入って、覆いかぶさる草木を刈り払ってやっと見られるものだ。ここにトレイルなどが出来ないことを切に祈るし、そのように地元にも働きかけていくつもりだ。

ともかく、上記の一式陸攻のプレート泥棒の件は、さっそく土地のオーナー・村、そしてヤップ州の関係諸機関に報告する。ヤップをなめんじゃねーよ>>泥棒!プレートの写真を保存してる方、ご連絡を待ってます。

(つぶやき)あ~あ、また仕事が増えちゃった!


戦跡の泥棒-その弐



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by suyap | 2006-05-28 12:56 | ヤップと戦争

やっぱり、あのバージ・・・

天候: 曇
風向: 東北東
風力: 8ノット
気圧: 1012hPa
湿度: 86%
気温: 27℃
過去24時間の最高気温: 31.7℃
過去24時間の最低気温: 22.8℃
(5月27日午後10時57分現在のヤップ気象データ)

昨夜からの雨が午前中は少し残っていたが、午後から天気はかなり良くなった。ヤップの学校現場では今、卒業式やそれに関連した行事であわただしい。自分の学校時代から節目(?)行事にはそっぽを向くひねくれた性格なので、この暑い国でアメリカの真似をしてむさくるしいガウンを自費で着せられて、そのときだけの感涙に咽ぶ姿を見に行く趣味はわたしにはないが、これから長い夏休みをむかえるティーンエージャーたちが、わが店のまわりを含めてコロニア近辺を目的もなく徘徊する季節を迎えるのが鬱陶しい。

a0043520_218747.jpgこうして後ろ向きタッチで書き始めてしまった原因のひとつは、憂鬱なニュースが入ったからかもしれない。5月22日の「バージ出航」と、23日の「再びバージ」で取り上げた台湾のバージが、やっぱりマリーナの対岸(もとマドリッチのあった場所)の浅瀬に乗り上げていて、その後ヤップのリーフの南のどこかにもブチ当たったうえ、マジックキングダムというダイビングのポイントのまん前に投錨していたのだということが判明したのだ。

一昨日の朝たまたま漁業公社(YFA)のランプに居たところ、このバージのタグボートだけが水路に入って来るのが見えた。そこで、その前々日にバージがマジックキングダム沖に投錨していたことを公社の職員に話したところ、出航当時の浅瀬乗り上げのことを教えてくれた。それでタグボートだけがまた戻ってくるのは異常だな、ということになって、そのときはすっごく忙しかったので、とりあえず漁業公社から店に帰る途上にあるヤップ州検察局に寄って、わたしが見たことを報告しておいた。

その時点では検察は何も察知していなかったが、その後の調査と現状を、今朝、検察弁護士から聞いた話が以上のとおり。ヤップ州海洋資源局(MRMD)と警察が出動してバージの領海外移動命令を出し、リーフのダメージは今後調査して起訴する予定という。シパダンの事件を聞いた直後にヤップでも同様のことが起きるなんて、、、。それにしても、南のリーフにブチ当てたというのが心配だ。場所の特定がまだできていないらしい。当日は東の風が吹いていたので、タグボートのトラブルで船足が落ちてリーフの東南端あたりに吹き寄せられたのではないかと想像するが、あの辺も良いダイビングのポイントなのだ。すぐに自力で引き出せるくらいの当て方だったのが、不幸中の幸いだった。


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by suyap | 2006-05-27 23:15 | ヤップな日々

ヤップに久々の中華料理店開店

天候: 曇
風向: 東
風力: 8ノット
気圧: 1012hPa
湿度: 81%
気温: 26.8℃
過去24時間の最高気温: 31.7℃
過去24時間の最低気温: 23.3℃
(5月25日午後10時56分現在のヤップ気象データ)

a0043520_183799.jpgきのう、ヤップで8軒目のレストランが開店した。それも中華料理!
1991~2年頃、現在オキーフ・ウォーターフロント・インになっている場所にマクーフ・レストランというのがあって、そこに一時期中国人のコックさんがいたが、それ以降、ヤップのほとんどのレストランはフィリピン人のコックさんになってしまっていたので、これはきっと流行ると思う。

場所はガネライ小学校方面に入る道の反対側にあるモルモン教会の隣、といってもヤップに在住したことのある人でないとわからないだろうけど、ともかく観光客には案内人と交通手段がないと見つけられない場所だ。それでも日本人のお客さんに「中華料理店が開店しました」って言っただけで、「行きたい!」って即答され、開店2日目の今日、事前のインスペクションもなしで(笑)、いきなりお客さん3人をご案内するハメになってしまった。

オーナーは近くで雑貨店を営むグアンマオ(廣茂)氏。南中国から奥さんと二人の子供さんを連れてヤップにやってきて3年目くらいだ。最近は中国から色々な商売人がヤップに来ているが、このグアンマオ夫妻のように気さくにヤップ人とつきあったり言葉を覚えようとしている人たちはいないので、彼らの経営する店ではヤップ人もわたしも安心して買物している。

a0043520_193281.jpgそれでまあ、いきなりでも安心してお客様をご案内したのだけど、まずメニューにアルコール飲料がないのを見て、一同かなり凹んだ。ヤップ州ではアルコール類の販売には別の認可がいるのだが、このレストランの場合は、地主の意向でアルコール類を販売しないのだそうだ。ただし、「VIPルーム」を予約してあらかじめ必要な飲み物を伝えておけば、グアンマオ商店が実費で用意していてくれるらしい。仕方ないので今日はアイスティとマンゴージュースでの中華となった。もちろん今度ディナーに行くときはVIPルームを予約しよう。人数は2人からでも可、特別チャージはない。このやり方はとってもスマートだと思う。ノンアルコールで食事だけに来ているお客さんとちょっとお酒が入って声高になったお客さんを分けておけるし、酔っ払うためだけに利用する客を締め出せる。それとモルモン教会の隣というのもあるのかもしれない。ヤップ州の法律では教会と学校の50ヤード以内では、アルコール類の販売が禁止されているから。

a0043520_1122571.jpgメニューもしっかり本格的で、50種類以上の料理が一部写真入りで紹介されている。すべて英語と中国語で書いてあるけど、中国語はちゃんと漢字を使ってあるから(簡体字でないってことね)、日本人にもちゃんとわかる。気になるお値段もリーズナブルだ。

一皿の量の見当がつかなかったので、とりあえず野菜入り焼飯、海鮮固焼きソバ、青椒ロースー、厚揚げのあんかけ、酢豚を4人で取ってみた。結果はしっかり本格チャイニーズ。とくに焼飯の香ばしさ、固焼きソバの麺の加減なんか感激もので、量もちょうど良かった。これで料理だけのお値段はひとりあたり$9.00くらい。

ところでヤップではロングライフ豆腐しか売っていないし厚揚げなんかもないので、メニューに「厚揚げのあんかけ」を見つけて、「どこから仕入れてるんだろう?」と気になってオーダーしたら、やっぱりオーナー・シェフの手作りだった。あのフニュフニュのロングライフ・パック豆腐をここまでかりっと揚げるには相当の腕前がいる。ただし、どんなに腕が良くても中身はパック豆腐だから、お味のギャップは仕方がないけど・・・

それで、肝心の料理の写真は?
じつは次々と運ばれてくる料理にみんなすごい勢いで食らいついて、写真撮るの、忘れてました(爆)。


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by suyap | 2006-05-25 23:08 | ヤップな日々

きのこ山

天候: 曇
風向: 東北東
風力: 5ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 89%
気温: 26.8℃
過去24時間の最高気温: 32.2℃
過去24時間の最低気温: 22.8℃
(5月24日午後10時55分現在のヤップ気象データ)

連休まえからなんとなくお客様が続いていて、わたしにとっては休みなしの日々がほぼ一ヶ月になろうとしている。「あと数日で一息つけるぅ」というラストスパートに入って、昨日も今日も、毎日、海に山に狭い(?)ヤップを駆けずり回っているのだ。だから、「こんなのんびりしてるところに暮せて良いですね」とか言われても、「えっへっへ、そうですかあ」としか返事のしようがない。たしかに好きなことをやらせてもらってて、食べ物も新鮮な地のものが豊富にあるし、今の日本で暮すよりストレスがないのは確かだけど。

a0043520_61897.jpgこれはある村の集会場脇で見つけたキノコ。なんだか日本のお菓子でこういうの、あったよなあ、と思ってパチリ。ヤップではキノコ類はまったく食べない。ジャングルの中を捜せばたくさんの種類がありそうだけど、毒キノコもあるということで、一般的には敬遠されている。

ということで、今日も短くてスミマセン。


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by suyap | 2006-05-24 23:55 | ヤップの自然・陸

再びバージ

a0043520_6533575.jpgお天気が安定してきたし小潮で水路の中は濁っているので、今日は南のポイントに潜りに行くことにした。午前中は潮がまだ下げ続けるのでスコーンという透明度はあまり期待できないけど、そこはやはり「南」、毎回どんな海が見られるか楽しみだ。ところが、島の最南端が切れてリーフが南西に大きく張り出しているところにくると、なんだか異常な物体が見えてきた。

a0043520_6541214.jpg「えっ、マジ?」
きのうコロニアの港を出航したバージのことを書いたけど、なんと、それが南西のリーフのすぐそばでアンカーを入れて停泊していたのだ。遠目ではリーフに乗り上げてるようにも見えて心配したが、近づいてみると、それはマジックキングダムというダイビングのポイントの真沖だった。

a0043520_65439100.jpg肉眼ではマジックキングダムのブイ(ダイビングボートなどが投げるアンカーのダメージからリーフを守るために、ヤップでは1996年に州政府・海洋資源局が予算を取り、ネイチャーズウエイを含む各ダイビング業者からもマンパワーを提供して、主だったポイントに係留ブイを設置した)のすぐ近くに見えたので、「うわっ、今度は水中ダメージかあ~~~」とドキドキしながら海に入ったが、

幸いバージはダイバーが潜るエリアより沖にいたので、巨大なアンカーがサンゴをぶち壊している恐怖のシーンを目撃することはまぬがれた。それにしても風向きが南西に変わるとズルズルと流されてリーフにぶち当たる距離である。おそらくヤップ・カバーンズからこの近くまでずっとドロップオフが続いていて、このマジックキングダムからスロープになるので、船としてはアンカーを入れやすかったのだろう。このバージのいるあたりの水深は、5~60メートルといったところだろうか?そこにもサンゴはあるので、ダイバーが目撃できないだけで、ダメージは当然あるだろう。潜ってる間中、シパダンの事件がすーっと脳裏から離れなかった。

a0043520_6551438.jpg水中はリーフから流れ出る濁った水と、沖合いの澄んだ水のグラデーション。魚影は少なめだったけど、定番のギンガメのほかに、タイマイや小ぶりなツムブリの群れも来て、元気の良いサンゴの中をゆっくりドリフトできる気持ちの良いダイビングだった。写真は安全停止中に見つけたヒラムシの仲間。

a0043520_655492.jpg次に潜ったヤップカバーンズでも、ちょっと大きな魚には恵まれなかったが、たくさんの「穴」めぐりや地形、ドロップオフに群れる小さな魚たちをたっぷり楽しんだ。写真は以前も登場したハダカハオコゼ、今日はヤギの上にちょこんとお座り(笑)。


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by suyap | 2006-05-23 23:58 | ヤップの自然・海

バージ出航

天候: 晴
風向: 北東
風力: 7ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 82%
気温: 27.2℃
過去24時間の最高気温: 30.6℃
過去24時間の最低気温: 23.9℃
(5月22日午後9時54分現在のヤップ気象データ)

昨日ヤップを通過した雨雲は幸い熱低に発達する恐れもなさそうで、風は東だけど良い天気と海況がもどってきた。この調子なら明日のダイビングも期待できそうだ。

a0043520_0231521.jpgところで今朝うちのボートが桟橋を離れるとき、バージの出航にかち合った。バージ(Barge)というのは、平底の箱船のような運搬船のことで、通常は推進力を持たずタグボートに引かれて航行する。このバージは2週間くらい前に台湾から山砂利をヤップに運んできて、商業港の先の埋立地に舳先をつけて接岸していた。山砂利はヤップの建設会社が輸入したもので、その積み下ろしがやっと終了したのだろう、今朝の出航となったのだった。

a0043520_02603.jpgところが風に押されたかタグボートで引きすぎたのか、わたし達が通りかかったときには、反対側のリーフ(浅瀬)に超接近していて、あわや座礁か?とヒヤッとした。かといって「お取り込み中」の相手に「座礁しましたか?」って聞くわけにもいかず、写真を数枚撮っただけで、その場を離れたのだった。ダイビングを終えて帰ってみると幸い船の影もなく、陸番のスタッフによると、難なく出航していったそうだ。

ヤップにもこの手のバージはたまに来るし、実際リーフの上に古いバージも転がっていて、ダイビングのポイント名にも「The Barge」というのがあるくらいだ。でも、なんたって自力航行できないし、船形も機動性とは正反対の代物なので、狭いエリアや島の近くの航行には、余程の注意が必要とされるはずだ。

マレーシアのサバ州にシパダンという小島があって、ダイバーの間では超人気の場所のひとつなのだけど、かつて島にあった数軒のダイブ・リゾートを、マレーシア政府は小さな島のエコシステムを守るという名目ですべて立ち退かせ、近隣からデイトリップで潜りに来るダイバーのエントリー数も制限するようになった。島の環境と自然を大事に思うダイバーやダイビングサービスは、それでも素直にルールに従って潜っていたところ、なんと砂利やコンクリートの瓦礫を満載したバージが、ある日突然シパダンの有名なドロップオフのポイントにアンカーを入れ、挙句の果てに、風に流されてビーチに座礁してしまったという。

http://www.finsonline.com/blog/fins/?p=39#more-39

日本でこのニュースがどれくらい取り上げられているか知らないが、近隣のダイバーの間では大変な心配を呼んでいる。わたしの経験からいうと、幸い物理的なダメージだけなので、環境さえ整っていると、サンゴの回復は意外に速いと思う。だけど、問題は「いったい全体、どうしてこのバージはシパダンにやってきたのだろう?」ということだ。ダイバーたちを追い出して、いったいシパダンに何が始まっているのか、ダイバーの端くれとしては気になるところだ。


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by suyap | 2006-05-22 21:33 | ヤップな日々

クサトベラの花

天候: 曇
風向: 東
風力: 7ノット
気圧: 1011hPa
湿度: 89%
気温: 26.9℃
過去24時間の最高気温: 31.7℃
過去24時間の最低気温: 23.3℃
(5月21日午後9時56分現在のヤップ気象データ)

a0043520_234046.jpg昨夜から雲が多くて雨がちなお天気になった。衛星写真でみると、ちょうどヤップの真上で雲が集まりかけていて、これが今後、熱低に発展しないことを祈るのみ。いっぽう久しぶりのまとまった雨に木々は生き生きして喜んでいるみたいだ。でもいまヤップでは、山を削ったり海を埋め立てたりが増えているので、あまり降りすぎると土砂がすぐに海中に流れ込んで、濁りやサンゴへの影響が心配になる。いまは小潮だし・・・

a0043520_23322742.jpgところで、このあいだクサトベラのことを書いたけれど、その後Googleなんかで検索してみたら、なんとクサトベラの花の写真がいっぱい出てきた。わたしは毎日のようにこの植物を見ていて、ツアーでも紹介しているし、自分も薬なんかでお世話になっているくせに、一度もその小さな花をしっかりと見たことはなかったので、この花の写真には「うわぁ~お」とかなりのパンチを受けた。

a0043520_233312100.jpgそこでさっそく自分でもパチリとやってみたのが↑と↓の写真。なんで今までこんなきれいで可憐な花に気がつかなかったのだろう。熟した白い実を目薬にするのに摘んだりするとき、すぐ側には数ミリ位の大きさの花がたくさん咲いているのに、「あっ、白い花ね」で済ませていた。それが片側に寄った5つの花弁を持ち、花弁の先は繊細に切れ目があって、中心は黄色でetc.なんてことには、全く目がいかなかった。

a0043520_23334592.jpg以前から自分の観察力や「視」力のなさには自信があった(笑)。わたしの仕事場の海中にしたって、見たサカナの特徴をパッとつかむのは大の苦手。ましてその印象を水中から空気中まで正確に記憶して持ちかえるという能力は絶望的に乏しい。そこに持って来て、天才的な物忘れの名人で・・・

それにしても、今回のクサトベラの花のことには、かなりめげた。自分の身のまわりには、もっともっと見過ごしている小さな感動があるんだろうなあ。今回の件をポジティブに考えれば、自分では気づけなくても、こうして何らかの方法でいくらでも「気づかせて」もらえているわけだから、「まわりには自分では発見できなかった感動がいっぱいあるんだ」ってことを再認識することができただけでも、ラッキーだと思うことにしたのだった。


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by suyap | 2006-05-21 22:28 | ヤップの自然・陸

ヤシガニのベイビー

天候: 晴
風向: 東北東
風力: 7ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 83%
気温: 27.8℃
過去24時間の最高気温: 31.7℃
過去24時間の最低気温: 25℃
(5月19日午後9時54分現在のヤップ気象データ)

与党が今日にも強行採決を予定していた「共謀罪」創設を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案は、河野衆議院議長の要請で先送り(延期)なったらしい。めでたいと言うべきかどうかまだ予断を許さないが、まあとりあえず、よかったネ、としておこう。それにしても、このまま強行採決すると日本全国の底辺に渦巻くマグマに怒りの火をつけてしまうと見るや、この方向転換・変わり身の早さ、与党&コイズミのバランス感覚(というのか?これ)は、素晴らしい(ヘドッ)。

a0043520_0314312.jpg今日の島内観光中、カダイ村の石畳道で出会ったヤシガニのベイビー。ヤシガニのメスは海で卵を産み、孵化した幼生は数ヶ月を海で過ごした後、陸に上がってご覧のようにヤドカリ生活を始める。そう、ヤシガニは実はヤドカリの仲間なのだ。

a0043520_0324775.jpgその後「宿」を脱ぎ捨てて、木の根元の洞や岩の穴などにペアで住みつく。非常に成長の遅い生物で、メスが卵を産めるようになるまでに20年くらいを要するとという。太平洋の島々では、資源保護のために、甲羅の長さが7.6センチ(3インチ)以上のものしか捕獲できないことになっているが、そのような大きなヤシガニは、全体の10%にも満たないという。ヤシガニの寿命は50年以上、中には70歳にもなるものもいるらしい。だから、大きなヤシガニを食べるときには、「自分より年上かもしれない」という尊敬の念を持って頂きましょう(笑)。

ヤシガニは何でも食べる雑食性だけど、大きくて丈夫なハサミで硬いココナッツの殻を切り割って中身を食べることもできる。また島によっては毒化する場合があって、ヤップ島のヤシガニは毒化しているので、内臓のある部分を上手に取り除いて食べないと、とんでもない食j中毒を起こして死ぬ思いをする。一方、ヤップ州の他の島のヤシガニは、まったく毒化していない。毒化の原因はその島に生えている草で、離島にはその草がないので毒化しないのだ。

ヤシガニの身は、ややパサパサしていて大味だが、完全に消化されたハラワタは、ココナッツクリームを濃厚にしたような味で、これを身をつけて食べると、もう応えられない美味しさだ。でも先にも書いたように成長が非常にゆっくりなので、レストランなどに売るために大きなカニを捕まえ始めると、あっという間にヤシガニはいなくなるので、お客としてもあんまりカニ・カニと騒がないほうが良いかもしれない。


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by suyap | 2006-05-19 21:44 | ヤップの自然・陸

クサトベラ

天候: 曇
風向: 東
風力: 7ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 86%
気温: 27.6℃
過去24時間の最高気温: 31.1℃
過去24時間の最低気温: 25.0℃
(5月18日午後10時56分現在のヤップ気象データ)

このところ忙しくてブログ投稿にもあまり時間を割けないでいる。かといって文春のトンデモ記事のことを忘れたわけでも、フジテレビのヤラセ番組を追求するのをあきらめたわけでも、今年もやってくるお騒がせお子様団体旅行の追及を止めたわけでも、まして共謀罪法案反対の旗を降ろしたわけでもないのだけど、ともかく今は目の前の仕事をこなすので精一杯の毎日だ。だから、一部のヤップ在住日本人の間で、「ブログに何でも書かれるからスーには用心しろ」というお触れがまわっているらしいのだけど、こういうのでわたしに近寄るのをビビッてる方々には、わたしがこうして忙しくしてるのはさぞ喜ばしいことであろう、なんて書いてみたりして、ひとこと釘を刺しておく(笑)。ちゃんと日本語の読解力を持った素直な読者なら、わたしがここで商売敵をヤッツケたり私怨をハラシたりしているのではないことは十分わかってくださっているという自信があるから、こんな陰口にはかえって元気倍増で、わが道を邁進するぞってパワーが沸いてきてしまうのだ。

a0043520_0312844.jpgそんなわけで、いつもの通り突然話題が変わって、今日の写真はヤップ語でThothob (ソソブ)というクサトベラの一種。海岸や日当たりの良い場所に生える高さ1~3メートルくらいの常緑潅木で、ノニについでヤップで最もポピュラーな薬草のひとつだ。

わたしが見たり聞いたりして知っているだけでも、葉や木の皮を水につけて抽出した汁を飲んだり、白く熟れた実を目の上で絞って目薬にしたり、色々な使い方や効用があるが、その他にもまだ用途がありそうだ。

ヤップの民間薬は秘伝的要素が強くて、たとえ学術調査とかでしゃっちょこばった研究者が来ても、どれだけ本当のことを「調査」していけるんだか、いつも疑問に思っている。それで、こういう秘伝の薬は秘伝だから効くという部分もあって、それはそれで良いのだと思う。なんでもかんでも暴きたてるって、結局は本来のものを変質させ破壊していく危険性もはらんでいるのだから。そう、それでわたしが何でもかんでも暴きたてるのは、ヤップに対する日本の腐った対応を変質>破壊>更正させようとしてるのだ、とここで結んでみたりする(爆。


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by suyap | 2006-05-18 23:05 | ヤップの自然・陸