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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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カテゴリ:ヤップの伝統文化( 94 )

労働と遊びが分裂しない暮らし

ボートツアーでベチヤル村を訪れた。

ここの「男の家」は北向きなので、台風4号の影響が心配だったけれど、案の定、北向きの屋根が傷んでた。
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それでも、これくらいなら屋根材を用意して、男手で1日もあれば修復可能だろう。だけれど、この村も過疎が進んでいるので、どれくらいのスピードでそれができるか、それが少し心配。

…と思っていたら、この村の若いにいちゃんたちが3人ほど、朝の漁から戻ってきた。
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「へえ、けっこう獲れたね。写真撮って良いかな?」

アカヒメジにヨスジフエダイに、アイゴの仲間にカスミアジ、あっ、ロウニンアジの子供もいた!

いかにも美味しそうなので、にいちゃんたちに駄目もとで聞いてみた。「ねえ、一匹で良いから売ってくれない?」
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そうなったらヤップの男たるもの、「おお、良いとも、金はいらねえ、持って行け!」となる(笑)。それで一番立派なロウニンアジ(子供)を寄こしてきたので、「これ、少ないけどタバコ代にでもして」と言いながら3ドル渡して、バーター成立。

その後、にいちゃんたちは、「男の家」の前でじぶんらの獲物の一部をさばいて、持ち寄った芋で昼ごはんしながら、まったりする雰囲気だったので、あまり邪魔しないように、少し離れたところでわたしたちもまったり過ごす。

ひとしきり漁に出たあと、しばらく浜で時を過ごしながら潮のタイミングを待って、また彼らは海に戻っていくのだろう。魚(食料)を獲ってくるという労働が、気持ちの良い時間の過ごし方と一体化しているこんな生活、最高だね。

うちのチョメさんを含めてヤップのまっとうな男たちは、こういう時間を持てない生活を長く続けていると、本気で発狂します(笑)。


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by suyap | 2015-04-13 21:45 | ヤップの伝統文化

2015年ヤップデイまとめの続き

2015年ヤップデイまとめの続きです。

この日も開始が遅れることを見越して(笑)、9時30分にコロニアを出発し、日没後に出される2つの男の立ち踊りが終わったのが午後9時過ぎ。ほぼ12時間を会場で過ごすわけですが、やはり自然現象に対する配慮は大事です。去年に引き続き、すばらしいトイレが、しかも今年はポータブルまで加わって登場してました。
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かさばる腰みのを着ているわたしは、もちろん広くてきれいなオーソドックスなほうを選びます。ここなら腰みのをスパッと脱いで、ゆっくりと用が足せます^^

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この日は午後からお天気が崩れて、ときおりザーッと雨がくる生憎のお天気。雨を吸った腰みのはずっしりと重いです。

それでも夕方には雨も引いて、いよいよ今年のヤップデイ〆となる男の踊りです。最初のルムングの男の踊りには、スタッフのJくんが出ているのですが...
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真っ暗なので誰がどこにいるのやなら...焚き火の炎がバーッと立ち上がる瞬間に目を凝らして、ようやくJくんを発見。おなかの出具合が大きな目印だったかも(笑)。チョメさんの甥っ子も目の前にいたし、ここでも偶然に良いポジションに座れていて、わたしが撮るビデオを期待してくれている関係者には喜んでもらえそう。
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そして最後の踊りはホストのトミル地区が出しました。この踊りは以前にも紹介してたことがあるヤウール、日本時代に、パラオのアンガウル島にあったリン鉱石の採掘場へ作業員として送られていた男たちのストーリーです。

ガシュラウと呼ばれるこの種の男の立ち踊りは、本来、女たちが見てはならない踊りです(でもみんなこっそり見ているんだけどね<<それでなかったら、男も踊らない^^)。まったく気にしない村や地区もあるなかで、今でもその伝統を重んじるトミルやルムングでは、ヤップデイはもとより、村の中の検分式や踊り上げも、これらの踊りは必ず日没を待ってやってます。


ヤップデイ関連記事:
2015年ヤップデイまとめ
http://suyap.exblog.jp/20973147/

今年のヤップデイはトミル地区(2014年)
http://suyap.exblog.jp/19518646/

2013年ヤップデイが始まってます
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(きゃっ、この年もこれっきり書いてなかった…とほほ)

2012年のヤップデイ-1日目
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2012年のヤップデイ-1日目(伝統踊り編)
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2012年のヤップデイ-2日目(伝統踊り編)
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2012年のヤップデイ(その他の展示)
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今年のヤップデイは気合が入ってます?
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20011年のヤップデイ-ヤップ人全員伝統衣装で参加すべし
http://suyap.exblog.jp/12216654/
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2010年のヤップデイ
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2008年のヤップデイ-ちょっと心配編
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2008年のヤップデイ-あきれた編
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2007年ヤップデイ・1日目
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2007年ヤップデイ・2日目
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2007年ヤップデイ続き-男の仕事
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2007年ヤップデイ続き-女の仕事①
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2007年ヤップデイ続き-女の仕事②
http://suyap.exblog.jp/5197162/

2006年ヤップデイ・初日
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2006年ヤップデイ・2日目
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by suyap | 2015-03-09 22:06 | ヤップの伝統文化

2015年ヤップデイまとめ

遅くなりましたが、今年のヤップデイのスナップをさくっと上げておきます。

ホスト(会場)は昨年につづきトミル地区。ここは若い衆がよくまとまって活力があるので、毎回、すばらしいヤップデイを見せてくれます。たとえば、これ。
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会場のセキュリティは小学校低中学年の男子の役目。昔風の「戦士」の称号を与えられ、
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舞台に踊りが入場するたびに槍を持って立会い、無事に披露し終わって退場するまで警備したり、
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3ヶ所に設けられたヤップデイ会場入り口では、伝統衣装(男はふんどし、女は腰みの)を着ていないヤップのジモッティの入場を槍で止めたり(笑)、
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モチロンお年頃ですから、ボーイズ・ミート・ガールズの時間も大切ですね^^

今回は展示関係はちょっと寂しかったけれど、ここでもボーイズ大活躍。
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いまはあまり使われなくなった魚捕り篭づくりにも↓挑戦しています↓
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今年の踊りの出し物は半年以上をかけて練習していたものも多く、かなりレベルが高いように感じました。どこのどんな踊りが出されるか、ここにもホスト側の実力が出ます。
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上はホスト地区の女たちの座り踊り。太平洋戦争中のたいへんさを語っています。そう、ヤップの踊りは村の出来事(歴史)を後世に伝える手段でもあったのです。
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こちら(↑上と下↓)のふたつの踊りは、11年前にヤップを襲ったスーパー台風スーダル(Sudal)の経験を語っています。下の踊りもヤップ本来の座り踊りですが、最後のパートを派手な立ち踊りに演出して「見せ場」を作っています。
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このように、ヤップの踊りに余所者(外国人)への「見世物」的要素が加わるようになっていったのは、おそらく日本時代から。それには「ガメル」と呼ばれる棒術踊りがよく踊られるようになりました。
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ガメルはもともとヤップの東のほうの島から伝えられたものとされていて、たとえば↑上の踊り↑は古いガメルですが、ヤップ語ではない違う島の言葉で伝わっています。しかも古語なので、いまでは誰もはっきりストーリーがわからないという...w
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しかも↑こんな↑に飛び跳ねたりするので、ガメルは基本的に若者の踊り、もともとは男の踊りだったでしょう。それが男女一緒に踊られるようになったのは、日本時代の学校に始まって、戦後のアメリカ時代へと引き継がれてきたた。良くも悪くも「ツーリズム」の影響です。
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今年はルル地区から、久々に↑男の座り踊り↑が出されました。女たちに比べて、成人男性の踊りのほうが急速に途絶えつつあるのですが、この踊りはよく持ちこたえています。男も女も、座り踊りは、顔(首)と手の動きですべてを表現します。

さてチョメさんやJくんの出身地であるルムング地区。今年は女の座り踊りを3つ、男の立ち踊りをひとつ出したので、みんな大忙しでした。
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たくさんの友人からDVD製作を頼まれているので、わたしの撮影にも気合が入ります^^
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動画の合間にポケデジでスナップを撮っているのですが、ルムングにあるヤップで一番大きな石貨のいきさつを語る↑この踊り↑は、ことさらに頑張って良いポジションをゲットしたので、関係者の画を間近に取れたたし、また踊りの出来もすばらしかった!
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2日目の昼間の部のトリに踊られた↑こちらの踊り↑もルムングの女たちで、名前は「カンタイ」(たしか数年前のヤップデイでも踊ってるはず)。太平洋戦争中に、ルムングのまわりをぐるりと取り囲んで艦砲射撃を繰り返した、米国の連合艦隊のことを語っています。

気合の入っているホストのお陰で、今年のヤップデイは連日、日が暮れても続きました。古式にのっとって、「男の踊りは日が暮れてからでないと見せられねえっ」ということで^^

まず第一夜は、ワニヤン村の男の踊り、サガアル。
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村の女たちの恨みを買って惨殺されたミスピル(男の家にアイドルとして置かれていた女性のこと)のお話とのこと。キリスト教徒西洋白人に強制的に止めさせられたミスピルが、本来はどんな立場の女性であったのか、少し伺うことができる物語です。

...とここまできて、エキブロさんが写真は15枚以上載せられないといっているので、続きはまたあした!


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今年のヤップデイはトミル地区(2014年)
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by suyap | 2015-03-07 22:18 | ヤップの伝統文化

観光開発ちゅうのは、そんなに大事なもんデスカ?

ヤップデイも近づき、なにかとあわただしい日々が続いている。おまけに島内外のヤップ人若い衆と、FBを通した会話が盛り上がって、はっと気がつくと今夜もこんな時間...んなもんで、またやっつけ記事になりますが。
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こちらでもお知らせしたとおり、いままで頑固に写真撮影を禁じていたルムングのリイ村が、ついにそれを解禁したので、ヤップ島で一番でかい石貨や、チョメさんご自慢のかわいい男の家を、こうしてご紹介できるわけですが、そのかわり、ベラボーに高い入域料が設定されました。「ひえ~!チョメさん、いきなり?これでは来る人が減るかもよ?」というと、
「おお、それがねらいよ。あまり他人に来てほしくねえ!」
わっはっは、さすが!カッコいいぞ、プモン・ヌ・ルムング(ルムングの男)

かたや、今夜のヤップ若い衆とのFB会話では...

Kちゃん:んも~、観光局のウエブサイト、ひどいわね。外国人が勝手に間違ったヤップの文化や歴史を書き連ねてるわよ、ウソばっか(怒)

Sちゃんとsuyap:そうよ、そうよ、あれもこれも、あーだかーだ...

Lくん:ボクはヤップのために、一生懸命に観光局のプロモーションを手伝っている。だからウエブサイトの記事について、ここで勝手に批判しないで。(注-Lくん自身がウエブサイトに携わっているわけではない)

K、S、suyap:批判なんかじゃないよ、記事のおかしいところをここでディスカッションしてるだけでしょうが。
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まあ他人のことを言えた柄ではありませんが...でもね、ウエブサイトの体裁も大事だろうけど、もっと大切なのはコンテンツ。まして曲がりなりにも「公的」機関であれば、少なくとも基本的なファクトは詰めんとなあ...w (不確かなソースや中途半端な引用、あいまいなことは書くべからず!)

それでふと思ったのだけれど、Lくんを含めて観光局やセーフの人たちって、まず「観光プロモーションありき」なんだよね。そのまえに「何」を、「どれくらい」、「どこまで」プロモーションするの?という発想が、ふっ飛んでいる。

それにそもそも誰のための観光開発なんでしょう?人々の平和な暮らしとプライバシーをしっかり保障したうえで、それらを乱さない範囲内での、節度のある受け入れ...。それを主導するのは地元であって、ぜ~~~ったいに外的な資本力や政治力を介入させないこと!

そういうフィロソフィーと自分らの価値がはっきり設定できないうちは、ヘタに売り出してはいけませんがな。だいたい観光産業なんてお水もお水、泡産業でございます。そんなもんを一国、一州、一島、一村...の基幹産業にしようとしてはなりませぬ。まず食料の自給体制を極力維持、これが第一!観光は、それがわかる人、興味のある人だけ受け入れて、多少の「あぶく銭」を落としていってもらう。

そうやね、チョメさん、あんたの村(家)は、しばらく「ツーリスト、ノット・ウエルカム」でも、ええんちゃう?


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by suyap | 2015-02-26 23:08 | ヤップの伝統文化

第6回カヌー・フェスティバル

11月09日と10日の連休で、ことし6回目になるカヌー・フェスティバルが開催された。
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初日のきのう(9日)は競技用カヌーのレースが主で、伝統踊りはひとつのみだったので、わたしは最後の踊りだけ見に行った。2日目のきょうは伝統帆走カヌーが加わるので行ってみたら、午前9時30分開始予定が、10時になってもカヌーははるか沖合にいて、なかなか進む様子がなく…風が緩すぎるのだ(笑)。
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それでもなんとか会場にたどりついたところを見ると、なななんと!男子にまじって女の子もクルーとして乗っていた!伝統的にはあり得る話ではないが、最近、伝統航海術を授業で取りいれた高校があり、今年はカヌーを会場にもってくる役を、その高校生たちが引き受けたとのこと。へえ~~(時代は変わるものです)。
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そしてカヌーが入ってきたら、お偉いさんたちのスピーチが続いて正式なオープニングとなるはず…だったのに、なななんと、州知事をはじめとして「お偉いさん」がひとりも会場に来ていなかった!実は、わたしを含めて多くのヤップ人の気持はいま、カヌー・フェスティバルなんかやっている場合ではないのだ。

競り合っている選挙の結果がまだ出ていない。週末にグアム、サイパン、パラオの在外投票箱が戻ってきた。ポンペイにいたっては、投票箱が投票日までに到着しなかったので、投票そのものが無効になりそうだ。それに今朝、意外に早く離島連絡船がもどってきて、ほとんどの離島からの箱も届いた。立候補者や両派関係者は、おめおめ人目につくところに出てくる気はしないだろう。
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わたしもすっかり「イベント化」したカヌー・フェスティバルに一日つき合っている暇も興味もないので、カヌーの入場だけビデオに収めたら、午後の踊りまでいったん店にもどろうと思いながら、ガニール橋の近くで小型の手漕ぎカヌーに乗って遊んでいる子供たちを撮っていると…

コロン。
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あ~あ、やっちゃった!海にはまった3人の、照れ笑いしている顔が目に浮かぶ。

でも彼らは大丈夫、転覆したカヌーを復元する方法は、操船法で第一にならう必須技術だからね。
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カヌーをゆっさゆっさ、ゆっさゆっさ、足の立たない水中で、惰性がつくまで前後に揺すっていく。
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ほらほら、もう一息、ゆっさゆっさ、ゆっさゆっさ…カヌーに惰性がつくと、前後からざっぶざっぶと水がこぼれ落ち、カヌーが浮かび上がってくる。
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ひとりが乗っても沈まないくらい浮いてきたら、初めに乗りこんだ者が今度はカヌーの中から水を汲みだし、ふたり、最後のひとりと乗りこんで…
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ふううう、やれやれ(笑)。体制を立て直して、いざ出発。

おそらく次の順番待ちしている者たちのために、このカヌーは橋のむこうにある発着場へ戻って行った。
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今年のカヌー・フェスティバルでは、披露された踊りが3つとも女の座り踊りだった。
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上の写真は、きのう披露されたルル地区に伝わるマロイという踊り。パラオへ石貨を取りに行く道中がストーリー。
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↑こちら↑は、トミル地区の…(え~っと、あとで聞き出します)。午後3時過ぎというまだ暑い盛りに、延々と40分以上も続く踊り、踊っている本人たちはもちろん、見ているほうも大変だ。

そして最後にガギル地区の踊り、スーダル(10年前にヤップを襲ったスーパー台風の名)が、今年のカヌー・フェスティバルの締めとなった。

直前に、「明朝8時までに開票結果が発表されるだろう」とアナウンスがあったものだから、最後の踊りが終わると、それぞれ思いを同じくする者同士で静かに語り合いながら家路を急ぎ、ラジオとフェイスブックにかじりついたのに、深夜近くになっても開票アナウンスは始まらず、とうとうラジオは放送終了してしまったのであった。


第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(1日目)
http://suyap.exblog.jp/11558492/
第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)-陸上編
http://suyap.exblog.jp/11562978/
第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)-海上編
http://suyap.exblog.jp/11563065/
第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(3日目)
http://suyap.exblog.jp/11574019/
第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル-伝統踊り編
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第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(1日目)
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どしゃぶりの第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)
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第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(3日目)海上編
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いまはそれどころじゃ…
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椰子殻のタワシ

木から自然に落下した、完熟ココヤシの実から芽が出ている。ココヤシは、まだ木にくっついている実を登ってとってきたものは(ジュースを飲むにはそうするけれど)、ぜったいに芽を出さない。
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こうした完熟ココヤシの実(コプラ)には、ほんとうにいろいろな使い道がある。使用するには、まず分厚い外殻をむいて…(本来ならもっと長めの棒を調達するのだが、近くに適当な長さのものがなかったのか、Mくんは短い棒で器用にむいてます)
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こういったコプラの殻むきは、ヤップの生活では日課のようなもの。ブタさんの餌も9割以上がコプラの果肉だし、毎日の食事にも、コプラの果肉を削ったものや、それを絞ったココナッツミルクがふんだんに使われる。

そうやってむいたあとの外殻や、果肉を取り出したあとの内殻は…
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乾いたところに保存しておいて、焚き付けにする。油分が豊富なので、強い火力が得られます。屋内に立派なキッチンがあっても、ヤップの家には屋外にかならず炉場があって、そこで芋を炊いたり、サカナを焼いたり、つまり日常料理の基本は直火。味がまったく違うからね。

そんな重要な役割を果たすコプラの外殻は、ときには↓こんな↓使われ方もする…
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これぞ本物のタワシ!(笑)

あるとき野外でオオオカガニを料理していたら、カニさんを洗うのに、G嬢がササッと即席つくったものだ。
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使いやすい幅と長さに切り取ったコプラの外殻の先を、これまた筆先のように小さく切れ目を入れて、複雑な体型のカニさんを、隅々まで洗えるようになっている。芸が細かいなあ>>G嬢!

もちろん使用後は豪快に使い捨て。それがやがて土に戻って肥やしになります。


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by suyap | 2014-08-19 20:24 | ヤップの伝統文化

今年のヤップデイはトミル地区

ずいぶんブログの更新をさぼっている間に、3月に突入してしまいました。今月はもうすぐ太平洋をプカプカの予定が入っているので、どれだけ書けるか…まあ、頑張ってみます^^

さて、去年もさぼってしまったヤップ名物ヤップデイ、今年は週2便しかないフライト・スケジュールに合わせて、2月28日と3月1日に開催となった。ヤップデイ委員会は初め、例年通り3月1日と2日に予定していたのだけれど、それじゃ外来のゲストは丸一週間滞在しなければならなくなるから、観光業者らが交渉を重ねてようやく1日前倒しに決まったのが、もう去年の12月末…それだもんだから、スケジュールの調整が間に合わなくて、来られなかった方も多々おられ…w まあ、なにかとゴタゴタするのは毎年のことで、なんたってヤップデイは、ヤップ人のためのイベントですから、キリッ(笑)
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それで今年の開催地は、二年ぶりのトミル地区。前回の好評にならい、今回もヤップ人は、伝統着物(男は褌、女は腰みの)を着用しないと、会場には入れない。3か所に設けられた「関所」には、こうしてトミル地区のお兄さんたちが、厳しく検問をしております^^
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そして初日は午前9時30分の開始予定が、こちらも例年通り、ほぼ1時間遅れでスタートして、口開けの踊りティヨルが終わると、午前中は主に子供たちの伝統競技が行われた。伝統踊りのバージョンは、後日ビデオをキャプチャしてレポートするとして、いまは、ざーっと子供たちの競技を載せておきましょ。

「ヤップの男たるもの、どこに流されたって竹筏くらい自前で調達して戻ってこい」という伝統を身に着けるため、公立小学校の男子には、竹筏組みの授業があり、その成果を各校1チーム2名でエントリー、速さと質で競う。
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同じく、「どこに行ってもコプラ(完熟ココヤシの実)の皮くらいむけよ」という趣旨で、コプラの皮むき競争。
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それにしても驚いたのは、皮むき用の棒を削ることから棒を刺す穴掘りまで先生がやってあげて、子供はそれをぼーっと見たこと(笑)。小学校低中学年では、そういう作業をやらせるにはまだ早いのかなあ…う~ん(親次第のような気が)。

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もうひとつ大切な男の仕事は、筏や柱を組む縄や紐を自然素材から作れること。下はオオハマボウの繊維から紐を作る作業を、スピードと質で競っている。オオハマボウの繊維の細い紐は、ペンダントなど、いろんなお土産用ハンディクラフトにも使われています。
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さて、↓こちらはニッパヤシの葉で屋根材づくり。これは女の仕事なので、小学校女子の授業項目だ。早いけど仕事が雑そうな子、すごく遅いけど丁寧な子、それぞれの子の個性や要領が出ますね^^
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↓こちら↓も女の仕事の、ココヤシの葉のバスケット編み。ちゃんと躾のできたヤップの子供たちは、こういう作業を小さい頃から日常的にやっているから、サバイバル能力抜群です!
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次はちょっと動きを入れて、ミカンやテリハボクの実の「おじゃみ」2個をやりながらの200メートル競走。おじゃみを落としたら、スタートからやり直しです。女子の競技だったはずなのに、人数が足りなくて?ひとり男子も参加^^
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こっちは男子の競技の、竹竿を掌の上に立てながらの200メートル走。途中で竹竿を倒したら、やはりスタートからやり直しです。
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このあと午後は大人の競技に加えて、待ちに待っての伝統踊り2つがまだ日のあるうにち披露され、「やっぱり伝統踊りは、夜、かがり火の中でやんなきゃ」という伝統原理主義が強いトミル地区らしく(笑)、あとの2つの踊りは、日がとっぷり暮れた午後7時半からの開始となった。最後の踊りが終わったのは午後9時前、タピオカ餅と、ブオイ(ナンヨウグルミ)の実にコプラをかじった程度で過ごしていたので、もうお腹ペコペコで…(笑)。
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それで、そんな長丁場を会場で過ごすわけだから…トイレのことも大事です。何事も「古式」にこだわった会場内には、↓こういう↓「伝統」トイレがセットアップ。
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モチロン、会場の外にはモダンな仮設トイレ(こっちのほうが狭くて臭い)や、教会や学校のトイレも解放していたようだけど、かさばる腰みのを着ている私は、もっぱら、「古式」のほうのお世話に。
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↓このとおり↓ 部屋も広いから、腰みのを脱いで壁にかけて、ゆっくりと用が足せます(こうしておくと、中に人がいるのがわかるので安心)。
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ヤップデイが終わった後は、土を入れて埋めておけば、数か月もすると立派な肥やしになって、まわりの木々に栄養を供給できる。やっぱり自ら出したものは、ちゃんと自然に返す生活が良いデスネ!


ヤップデイ関連記事:
2013年ヤップデイが始まってます
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(きゃっ、この年もこれっきり書いてなかった…とほほ)

2012年のヤップデイ-1日目
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2012年のヤップデイ-1日目(伝統踊り編)
http://suyap.exblog.jp/14792716/
2012年のヤップデイ-2日目(伝統踊り編)
http://suyap.exblog.jp/14798142/
2012年のヤップデイ(その他の展示)
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今年のヤップデイは気合が入ってます?
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20011年のヤップデイ-ヤップ人全員伝統衣装で参加すべし
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(また続きを書いてません...とほほ)

2010年のヤップデイ
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(続きを書いてません...とほほ)

2009年のヤップデイ-1日目
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2008年のヤップデイ-2日目
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2008年のヤップデイ-食べ物編
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2008年のヤップデイ-踊り編
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2008年のヤップデイ-ちょっと心配編
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2008年のヤップデイ-あきれた編
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2007年ヤップデイ・1日目
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2007年ヤップデイ続き-男の仕事
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2007年ヤップデイ続き-女の仕事①
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2007年ヤップデイ続き-女の仕事②
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by suyap | 2014-03-01 08:25 | ヤップの伝統文化

ヤップデイが始まってます

ただいま(昨日より)、恒例のヤップデイが開催中です。
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第一日目は主に子供のアクティビティと5つの伝統踊りがあった。踊りや他の画は、ビデオからなのでまた後日。上は小学校の男の子の火起こし競争。小雨の降る中で、一番の子たちは1分を切る速さで火起こしに成功、たいしたもんだ!
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↑こちら↑は地区対抗のビンロウジュのぼり+コプラの皮むき+コプラ削り競争。

では今から第二日目に行ってまいります^^


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by suyap | 2013-03-02 08:24 | ヤップの伝統文化

2月14日はふんどしの日でした^^

a0043520_225388.jpgバレンタインデイにチョコレートをプレゼントする風習は、世界広しといえども日本だけだ。そこへまた、日本独自の新しい「記念日」が加わったらしい。名づけて「ふんどしの日」。なんと日本ふんどし協会というのがあって、そこが日本記念日協会(これも初耳だ)に申請して、正式に「認められて」いるのだそうだ。

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大正生まれのわたしの父は、一生を頑なにふんどしで過ごした人だったが、さすがにもうふんどしを愛用する日本人男性は絶滅したかと思っていたら、ズボンの下でふんどしの誇りを保っている日本男子が、また増えつつあるという。喜ばしいことだ。かつて日本の軍隊では、全員がふんどし着用だったとか。だからヤップ島に送られてきた日本兵たちが、軍服を脱いでふんどし姿になって魚とりや畑仕事に精出しても、当人たちやまわりのヤップ人らに、あまり違和感なく受け入れられたのだろう。なんたってふんどしは、環太平洋の海の男たちの伝統ある衣装だからね。

ちなみに知っている人は知っていることだけれど、きのこちゃんが薦めているように、

バレンタインには怨念こめて手縫いフンドシ♪
http://kinokokumi.blog13.fc2.com/blog-entry-4062.html

殿方の大切な部分を収納する衣類は、風とおしが良く、なおかつ必要なときに必要な箇所だけキリッと締まってくれることが大切なのだ。通気性が劣るナイロン地や、常時息子さんを締めつけるブリーフのようなものは、オトコの全身の健康に悪影響を及ぼしている。ちなみにオンナの場合はブラブラするものを処理する必要がないので、下はす~かすか風とおしの良いのがベスト、だから「お腰」や「腰みの」の下は、本来なにもつけないのが正当な着こなしなのであ~る!

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とはいっても、いくら愛好者が増えているとはいえ、いまどきの日本でふんどしをしめたことのある男衆は、おそらく5%以下だろう。それがヤップ島となるとまったく反対で、人生において全くふんどし着用したことのない男は全体の3%もいないだろう。ヤップ州の離島からヤップ島に短期で来ている人はいまだに100%ふんどしだが、ヤップ島人で日常的にふんどしを着用している人は、さすがにもうほとんど見かけなくなった。しかし伝統の踊りやイベントの時には、誰でもさらっとふんどし姿に変身する。現在30代後半(アラフォー?)以上の世代のほとんどは、幼少時にはふんどし一丁で育っているし。

そんなヤップ島のふんどし事情だけれど、大人も子供も布一枚だけでOKな離島と違い、ヤップ島の男たちには、成長段階に応じた着付けのルールが厳然とある。まず10代に入る前の子供時代は、布1枚だけ(一番上の写真)、次に10代に入ると成長に応じて布を一枚ずつ増やして重ね着する(2段目の写真、左の子は2枚重ね、右の子は3枚重ね)。ちなみに日本統治時代以降に木綿の色付生地が入ってくるまでは、ヤップ島でもバナナやオオハマボウの繊維から取った糸で手織りの布を使っていた。

上(3段目)の写真の左は、立っているほうが正装したヤップ島の成人男性で、ふんどしの上にバギィと呼ばれる帯のような布を巻き、オオハマボウの繊維でつくるカフォルという(または素材の名前からガルとも呼ばれる)飾りをつけている。座っているほうが離島の人で、彼はふんどし一丁だ。右の写真はココヤシの繊維でロープを綯(な)っているヤップ島の老人。

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ヤップ島では伝統衣装はファッションではなく、その人物の所属や立場を表すものだ。だから好き・嫌いで着るものを選ぶことはできない...というか、TPOをわきまえないと嘲笑されるか、ヘタしたら社会的制裁を受ける。まあ、それを覚悟ならやっても良いけどねって感じ。

上(4段目)の写真左は、現在かなり意味合いが廃れつつあるのだが...赤く染めたカフォルは老人、とくに上位の立場にある男だけがつけるものとされていた。右の後姿のおじさん...ふんどしが太ももにかかるほど長めに着ているけれど、これも現代的な風潮で、かつては日本の六尺ふんどしのように、キリッと割れ目に食いこむように締めていた。パンツに慣れたイマドキの男たちは、どうやら青白い太ももを晒すのが恥ずかしいらしい。以上までの写真は、大成功だった2011年のヤップデイでのスナップでした^^

さてヤップ島とヤップ州離島の男たちのふんどしの着こなしには多少の違いはあるが、その締め方の基本は、日本の六尺ふんどしにかなり近い。スタッフのJくんがふんどしの着付けを披露してくれたので、ちょっと紹介してみよう。写真はゲストのKさんに撮影していただいたものです。

a0043520_2265181.jpgまず慎重に布の長さを確認するJくん。左端は、自らは絶対にモデルにはならないけど、あれこれJくんに指示を出しているチョメさん。

a0043520_22123263.jpgヤール幅のブロード生地は半分に折って使います...。

ちなみに男も女も衣装の着付けはプライベートなものだから、ぜったいに異性の前ではやらない(これは日本でもそうでしょ?)。今回はわたしやG嬢、それに女性ゲストもおられたので、Jくんはパンツの上からの実演です。

a0043520_2212536.jpgもっと広いところに出ておいでよと場所を移動して...前垂れになる部分をあごではさんで、長さを決めてます。

a0043520_22131643.jpgちょっと写真が前後するけれど、まだカウンターの裏でごそごそやっているとき。前垂れ部分を胸にあてて、最初のひと巻きをまわしているところ。

a0043520_2213462.jpgはい、もうひと巻きくるり。ヤップ式六尺ふんどしでは、最低ふた巻きはするようだ。布が長い場合には、巻き数で垂れの長さを調節するらしい。

a0043520_2214149.jpgJくんのサイズでは4ヤード(約3.6m)が適切とのことだから、日本の六尺(約2.3m)よりかなり長いね。

a0043520_22144530.jpg2巻きしたあとで、残り布を後ろで結び...

a0043520_22151541.jpgこんな感じに。

ここまでは年齢層にかかわらず、みな同じ。緩んできたら、うしろに尻尾のように垂れている部分を肩から前に担いで、キュッキュッと締める。日本のように何重にも結ばないのがヤップ式?

a0043520_2215445.jpg次はカフォルの着付けです。長~いハイビスカスの繊維だから、よれやたんこぶがないように、ていねいにさばいておきます。

a0043520_22161237.jpgさらに足をつかってさばいて...

a0043520_221637100.jpg飾り房を前にあてながら、股下に通し...

a0043520_22185184.jpgもう一度、前にくる部分の長さを確認して、残りを肩に引っかけて...

a0043520_22193225.jpgバギィ(飾り帯)をあてます。

注)ヤップ島の男用バギィは本来。無地もしくは白黒のみ。手元に男用バギィが無かったので、ここでは離島の女性用のバギィを代用しています。どうぞお間違えなきよう!

a0043520_22201338.jpgカフォルをバギィで止めるように巻いて...

a0043520_22204898.jpgバギィの両端を前であわせて、

a0043520_22213553.jpg結んだあと、

a0043520_22221038.jpgカフォルの房を前にもってきて、きれいに見えるように処理します。

a0043520_22225649.jpgもう一度、バギィの結び方をチェックして、

a0043520_22234556.jpgバギィの下にあるふんどしを、チラリと見せる程度に余分なエッジをたくしこんでます。

a0043520_22243291.jpgその上から、長~いカフォルをたくし込み・・・

a0043520_2225675.jpgきれいに見えるようにループを調整し・・・

a0043520_22254457.jpgけっこう細かいところまで気を配るんだなあ...Jくん。これぞヤップ男のおしゃれ!(笑)

a0043520_22262424.jpgはい、着付け終了。

a0043520_2227845.jpg後姿はこのとおり。

ちなみに現在20歳のJくんは、踊りのとき以外はまだふんどし3枚重ねのステータスだそうだ。それでもこれだけちゃんと着付けができるってのは、たいしたもんだ。日本の着物同様、こういうのって、日ごろから着慣れてないと出来はしない。まだまだヤップのふんどしは健在です^^

注)注)ヤップ島の男用バギィは本来。無地もしくは白黒のみ。手元に男用バギィが無かったので、ここでは離島の女性用のバギィを代用しました。どうぞお間違えなきよう!


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by suyap | 2013-02-15 08:01 | ヤップの伝統文化

2012年のヤップデイ(その他の展示)

ヤップデイ・レポート、もう少し続けます...ふう。

いまいち盛り上がりに欠ける今年のヤップデイ、コロニアで開催でゲスト送迎の必要がなくなったのを良いことに、わたしも2日とも踊りの始まる午後からの見学を決めこんだのだけど...
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プログラムにはマイクロ・オール・アラウンドという、素潜り・槍投げ・ヤシの木登り・ヤシの実の皮剥き・コプラ削り・スイム&ランなどを競うゲームがあることになっていたので、2日ともそれらしき場所を捜していたのに、とうとう見つけられなかった。まわりに聞いても誰も見た人がいないし...ほんとうにやったのかどうか...いまだに不明。参加者がいなかったか、いても少人数でMCもなくひっそり細々とやっていたかも???

もうひとつ残念だったのは、ヤップデイでいつもわたしにランチがわりの食べ物を提供してくれていたローカル・クッキングの実演場が...
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午後にはもう食べ物どころか人っ子ひとりもいない状態になっていて、2日とも完璧に食べそびれたこと(涙)。お昼ころに行ってみた人によると、わりとたくさんの人が群れていて、運ばれてくる食べ物はすぐに無くなっていたとか。今までは「知る人ぞ知る!」ひっそりとした穴場ブースだったのに、今年はいったいどうしたことか...急に人気が出てきたのか、それとも用意した食べ物の量が決定的に少なかったのか...それにしても、ブースから人までいなくなるとは!

いちおう横に設営されていた炊事場だけでも...(苦笑)
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いくつかあった竈(かまど)のなかには、ヤップの教訓話によく出てくる三点で支える竈(ンガチョル)もつくられていた。

a0043520_13203067.jpgヤップでは、ものごとは3つ力が支え合うことによって、はじめて上手く収まるとされている。だから伝統的に島全体をしきる力の拠点も3つあり、各村の中にも3役がいて...それぞれの役回りをこなしながらバランスを取る。ひとりだけの「長」が絶対的な権力を握っているのではないのである。それを例えであらわすのがこの三点竈、「どの石が欠けても鍋はひっくり返るでしょ」という風に。

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たくさんの鍋を並べて料理するには、上左の写真のように、鉄筋バーがよく使われる。また石を鍋のサイズに合わせて上手く配置すると、その右の写真のように二点でも鍋を支えることはできるが...やっぱり不安定そうだなあ(こんなやり方はじめてみた)。

まだ多くのヤップの家庭にはこういう(半)野外炊事場があって、日常的に直火料理が行われているので、ヤップの人たちはみんな天性のキャンパーなのだ^^

料理を食べそびれたのでガッカリしながら、隣のヤップ州農業課のブースをのぞいた。ここは毎年オレンジ色の目立つネットでブースを囲っているので、たいへんわかりやすい。
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そしてブースの中では、関係者ばかり数人のおじさんやおばさんが憩っていた^^

あれっ、ハンディ・クラフトまでここで売ってるの?
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まあそれはともかく...訪れたのが2日目の午後にもかかわらず、それなりの品は並んでいたようだ(というか、売れ残り?)

下写真は上段左から時計回りに、ナッパ(結球しないハクサイ)、ノニの実サワーサップロワルという木の実。
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バナナも数種が展示されていた。下左はグアムという品種で、実の長さがときに30センチ以上にもなる。右はタナイボッチ、上品な甘さの美味しいバナナだ。

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次の下左のはアライ・ニ・ガミグル、熟れると中身が濃い黄色からオレンジになり、スプーンですくって食べる。右のはやはりタナイボッチ

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この農業課のブースのすぐ外では、なんと都合よくフロリダという品種のホンモノのバナナが育っていて(下左)、誰かがブーゲンビリアの花飾りまで^^

ふたたびブースの中を見ていくと、ヤシ籠に入った大きな実はトウガン(下右)ね。

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今年の冬場は柑橘系が不作だったけれど、ここにはオレンジがバスケット一杯!(下左) 

その右のは...最近ほんとうによく見かける得体の知れない柑橘系フルーツ...誰かが「パメロというらしいよ」と教えてくれたので調べてみたら、なんとブンタンのことみたい。日本でもボンタンとかザボンとかウチムラサキとか、いろんな名前がついていますね。

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下写真の左はなぜかたった3つだけ残ったブオイ(タイヘイヨウグルミ)の実、右はお馴染み、ヤップの主食の王者、田んぼのタロイモ・ラック芋

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そしてそろそろシーズンも終わりに近づいたヤムイモの品種が2種類と...

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ヤップのシークヮサー(ヒラミレモン)、ギンガン(下左)、ココナッツ。

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これらのブースを踊りの合間にサーっと見てまわりながら会場をうろついているうち、午後の陽射しはあっという間に傾き...2日目の5つの踊りが予定時間よりもうんと早く終わってしまうと、ヤップデイ委員会スタッフはどんどん片付けに入っていった。
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そして午後7時をまわってようやく薄暗くなるころには、もう出店のほとんどが撤収に入って、コロニアはいつもの静けさを取りもどしつつあった。

毎年の出来栄えにかなりのバラツキのあるところが、またヤップデイのおもしろさかも...ね(笑)。


ヤップデイ関連記事:
2012年のヤップデイ-1日目
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2012年のヤップデイ-1日目(伝統踊り編)
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