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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

suyap.exblog.jp

干潟-このモノたちをさしおいてヒトだけ生きながらえられるというのか?

a0043520_18413670.jpgああ、もう今年に灰って10日も経つんだなあ...と思っていると、さめさんからこんなTBをいただいた:

リーフチェッカーさめの日記:
「泡瀬干潟で餅つき大会」&デモ協力&署名のお願い


どうやら1月12日に沖縄市の泡瀬干潟で埋め立てるより餅をつけ!という催しがあるようだ。

a0043520_18422978.jpg場所はミナミコメツキガニの浜という、なんともかわいらしい名前の浜だという。近くの人は行ってみてね^^

それにしても1月12日って休日だったけ?と思ってしらべると、なんと成人の日だって?いまどきの日本は昔みたいに休日の日にちが決まってないので、海外にいるものは戸惑うことが多いです。

a0043520_18431446.jpgところできょうのブログのタイトルからはたいそうなフンイキが漂ってくるけれど、泡瀬干潟については去年の暮れからようこそイサオプロダクトワールドへから、泡瀬干潟埋立問題の考察!という記事と、人命優先の思想と自然環境という記事のTBをいただいて、気になっていたからだ。

a0043520_1844452.jpg両記事のいわんとすることを、すごく乱暴にくくっていうと、そのタイトルにいうとおり、環境問題がからむ事案で人命にかかわるものは人命が優先するが、そうではない事案には双方(環境保護優先派と開発優先派)の歩み寄りが大切-ということかな?
開発か自然環境保護かは人間が生きて行く限り永遠のテーマです。経済的問題も生活の利便性向上を求める地域住民、行政にも不可欠です。そう言う観点から一概に反対と叫ぶのは無責任な外野席からの言い分に過ぎないと私は考えています。(人命優先の思想と自然環境

理想論を称える彼等の主張は正論であり間違いでは有りませんが一般大衆の共感を得られ無ければ単なる空論です。民主主義とは最大多数の最大幸福を目指す物です。従って理想論を実現するには基本的に多数派となる事が必要です。その為には一般大衆に支持される分かり易い説明と時には小異を捨てて大同団結する妥協も選択肢として排除せずに残す大人の対応が求められます。(泡瀬干潟埋立問題の考察!
以上に、このブログ管理者の立ち居地がよく表れているが、開発か自然環境保護かは人間が生きて行く限り永遠のテーマでも、民主主義とは最大多数の最大幸福を目指す物でもない-というのが、わたしの意見だ。

a0043520_18435410.jpg沖縄に限らず、日本各地やミクロネシア、いや世界中で、人々がまだ自然と共に生きていた時代(現代でもかろうじてそのような生き方を残している地域もあるにはあるが)、人々は田の灌漑水路をつくるのに開発か自然環境保護かで悩んだだろうか?答はノーである。

自然環境(生態系や水系など)を無視した人工構造物などをつくったら、けっきょく痛いしっぺ返しがくることを、長い時間をかけた観察と経験から、昔の人々はよくわきまえていた。だから、開発か保護かなどと悩むどころか、自然環境保護なんていう言葉や概念すらなかっただろう。ヒトが自然に合わせるのが、当たり前だった時代には。

a0043520_1846543.jpgまた人々は、最大多数の最大幸福を目指す民主主義などというマヤカシの呪文にも侵されてはいなかった。共同体のなかで発生した事案は、最後のひとりが納得するまで稟議を重ねた。多数決などという数の暴力など誰も信用しなかった。たしかに強力なリーダー・シップはあったろうし共同体構成上のヒエラルキーもあったかもしれない。しかし、小さな共同体のなかで上に立つものは、末端の力ないものまで面倒を見る義務を背負っていたものだ。エライからエライ、金もちだから金にあかしてなんでもやりたい放題なんてことでは共同体自体が崩壊するから、そういう不届きモノは村から追放されるか、さもなくば共同体が滅ぼされるか、どちらかであっただろう。

a0043520_18481719.jpg泡瀬干潟埋立問題の考察!では、泡瀬干潟埋立問題は基本的に推進派が多数意見で推移して反対派は常に少数意見としているが、それも非常に怪しいようだ。すこし長いが、
泡瀬干潟埋め立て事業の経緯
http://www.awase.net/jigyounokeii.html
から、要所を引用しておきたい。(下線、太線はsuyapによる)
○1984年3月
市三役と泡瀬復興期成会理事が泡瀬海浜リゾート開発構想について懇談を行った。
○1987年6月
東部海浜地区の開発が沖縄市新総合計画に位置付けられた。
○1989年10月
泡瀬の有志たちは同時に「泡瀬ビジュル会(現沖縄市東部開発研究会)」を組織し、より環境への負担の少ない埋め立て方法を独自に研究し、出島形式での埋め立て、ゴルフ場計画見直し等を主要な内容とした代替案を提案した。それは、泡瀬を中心とした開発計画が行われることは、泡瀬の発展につながることであると考えられたからであり、また当時すでに生活排水によって汚れていた海をきれいにするために、開発事業によって新たな環境を創出しようという考えもあったといわれる。
○1995年11月
実際はあまりに規模の大きい事業計画であったため、国からの補助が下りずにしばらく頓挫したまま
○1998年
内閣府沖縄総合事務局が参画することによってこの事業は一気に進展することとなる。これは隣接する中城湾港新港地区の航路整備を促進するために、その浚渫土砂を活用できる埋立地が必要であるという事情が生じたためである。~中略~国はその土砂処分場として、隣接する泡瀬地区の埋め立て事業に目をつけたのである。市も事業費の軽減につながると、国の申し入れを受け入れた。こうして、泡瀬干潟埋立事業は国、県の手へと移ったのである。
○1999年11月
ところが11 月末に、学者らでつくる県知事の諮問機関である「県環境影響評価専門委員会」が、埋め立て予定地内に絶滅危惧種のクビレミドロが生息している可能性を指摘した。そのため国と県は12 月から生息調査をすることとなった(OT’99.11.28)
○1999年12月
「琉球湿地研究グループ」(藤井晴彦代表)が、泡瀬埋め立て事業の環境影響評価のずさんさを指摘し、「正当な環境アセスをやり直すべきだ」と訴えた。
○2001年12月19日
仲宗根沖縄市長と地元推進派グループ代表らは、8 万人の推進署名を携えて上京した。そして尾身大臣に諸名簿を提出し、改めて事業の早期再開を求めた。この8 万人という数は沖縄市の全人口の7 割弱にあたるという驚異的な数字であった。署名の中には二重三重に名前のある人や、赤ちゃんの名前まであった。建設業界や商工会では、社員だけでなく下請けや出入り業者にも署名用紙を配布し、推進派の市議らは個別訪問を繰り返し、署名をかき集めたという。
○2001年11月20日
沖縄タイムス朝刊の一面に、泡瀬干潟埋め立て反対57%、賛成24%という記事が載った。沖縄タイムス社の行った世論調査の結果、68%が住民投票を実施すべきと回答し、また75%が市の説明が十分でないと答えたことが明らかになった(OT’01.11.20)。
また、こちらの記事も泡瀬の問題をわかりやすく説明している。泡瀬干潟埋立問題の考察!にある地図を見ながら下記の問題点を読み進むと、さらにわかりやすいだろう:

泡瀬干潟埋立の問題点
http://www.awase.net/sosyou/mondai1.html
土地利用計画の問題点
http://www.awase.net/sosyou/mondai2.html

a0043520_18495724.jpg泡瀬干潟を守る連絡会事務局次長の屋良朝敏さんが琉球新報に書かれたように、
今のまま地球を壊し続ければ人類の未来はないかも
という危機感を、泡瀬干潟を残そうと頑張っている人たちや、あちこちで環境問題に立ちあがっている人たちは(わたし自身も含めて)共有している。

埋め立て賛成派で沖縄市議会議員のブログらしいチョウケン 泡瀬通信では、
東部海浜開発は、沖縄市を再活性させるための市最大かつ悲願のプロジェクトであるとともに、地元泡瀬にとって、海・干潟を守るための最良の手段でもある。環境と開発との二つの目的を持っているのである。~中略~代替案もなくただ単に「守れ」とだけ主張し続けることは、思想・信念の押し付けでしかない(泡瀬干潟 東部海浜開発の真実 その19
と書くが、来るあてもないホテルやクルーズ船(その両方とも環境へのインパクトは多大であるが)の絵を餅に描き、沖縄にとっても地球にとっても大事な干潟をつぶして、どこが沖縄市の再活性だろうか?長いスパンで見た将来、ほんとうに大丈夫なのか?また、なにかというと代替案を出せというのは、いまや瀕死の自公ヤマト政権といっしょだね(笑)。

国・県の事業である中城湾港新港建設で出る浚渫土砂の捨て場として泡瀬干潟埋め立てが現実化して諸々の土建利権が「地元活性化」と湧いたところへ、自公ヤマト政権による新自由主義推進地方切捨て政策が絡み、もうこれっきゃないみたいに、利権絡みの開発にしがみついてるんだろう。またそれに慣らされ流され、短いスパンでしか物事を見ることのできなくなった人々...。同じパターンはアメリカをはじめとして日本や各国の思惑つきの援助漬けにされたミクロネシアの人々(主流は沖縄と同じく政治家・官僚・土建業)にもいえる。

そんなに代替案を出してほしいなら(議員なら自分で考えろと言いたいとこけど)、名案を差し上げましょう。今度の総選挙ではやく自公ヤマト政権を倒して、環境地方交付税やら農業漁業推進手当てやら、ヤマト政権にそんなのをどんどん出させるようにすればよい。もちろん、米軍+自衛隊にはノーで。

実際に、いまは人命優先か自然優先かなどという言葉遊びに無駄な時を費やしている場合ではない。いまこの瞬間も中東では盛大に人殺しと地球殺しが行われ、核ミサイルどころか、いつなんどき壊滅するやもしれぬ原子力発電所だらけの小さな地震列島に、なにも危機感を持たぬ多くの人々が暮らしている恐さ、沖縄には原子力発電所がないということが、観光キャッチフレーズになる時代にしなければならない。気づいたものから声を上げないと、ほんとうに、もう手遅れかも...

a0043520_18505655.jpg現在わたしたちが早急にしなければならないことは、自然保護か開発か最大多数の最大幸福というマヤカシの対立からいち早く離脱し、ヒトも自然の一部であるという当たり前の視点から生活を立て直し、まず身近な共同体から行動を起こすことなのである。

そういう意味で、泡瀬干潟の自然を残すために頑張っておられる方々に、わたしは心からエールを送りたいと思います。

あさっての餅つき大会の成功を祈ります。

埋め立てるより餅をつけ!

泡瀬干潟を守る連絡会
http://www.awase.net/


写真は上から、ヤップの干潟や湿地に生きるオイランハゼベニシオマネキミナミトビハゼミドリガイの仲間(Thuridilla bayeriリュウキュウスガモホホスジシノビハゼイシナマコ。それらと共生するために長い年月をかけて開発されたヤップの海の畑アッチ、ヤップのタロイモ田の灌漑水路ウォンです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2009-01-10 18:27 | ヤップな日々
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