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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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頑張れライオンかとり線香

日本の夏は、今でも蚊取り線香が活躍していますか?

ヤップでは、蚊取り線香のことはセンコー、オープンエアのレストランなどで蚊取り線香が欲しいときには、プリーズ・ブリング・ミー・センコーと言えば通じます(ただし「蚊取り」の部分は省いてね^^)

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かれこれ20年、わたしが知っている限り、ヤップではセンコーといえば、↑この黄色い箱↑でした。ライオンケミカル株式会社Lion-Tiger MOSQUITO COILS心持ちTigerの字が小さいのは笑えます)、正面には堂々たるWAKAYAMA, JAPANの印字、ヤップで頑張る日本製品、頼もしいですねえ。現在の価格は10巻で1ドル25セントです。

ところが最近、↓中国製のライバル↓が登場して以来、Lion-Tiger MOSQUITO COILSかな~り売り上げを落としているようなのです。

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そのライバルとは、Zhongshan Lanju Daily Products Co., Ltd.の、BLACK MOSQUITO REPELLENT INCENSE(HPではアフリカではナンバーワン・ブランドだと言っている...中国はすでにアフリカにしっかり入り込んでるからなあ)、価格はライオンケミカル社製(以下ライオン)より巻が大きく、10巻で90セントなり

それでは、気になるローカルの評判は?
A: 黒いセンコーはすごいよ。緑のはリグリグ(ブヨ)には効かないけれど、こっちは一発だ。でも、あの臭いを長く嗅ぐと気分悪くなるなあ。
B: 初めのころな、緑のと同じつもりで黒を使っていたら、次の朝、家族中の声が出なくなってたんだよ。それからは夕方だけ焚いて、家の外に出すことにしている。
C: 黒いのは長持ちして強力ね、夕方つけたら朝まで持ってる。だけど、これは家の中で使っちゃ駄目よ。外だけにしないと、頭が痛くなるから。
わたしは緑のライオンばかり使っているので気がつかなかったけれど、いやはや、Lanjuはたいへんなセンコーらしいですね。それなのに、安いし長持ちするし強力な効き目なので、ヤップでもすごい勢いで緑のライオンを追いやっているみたい...

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付属のスタンドはライオンが1個入りのところ、Lanjuは2個もついてくるけど、チャッチくて、すぐ壊れるから2個入りで正解(笑)。いつまでも長持ちするライオンのスタンドにLanjuを差しているのも、よく見かける光景、またライオンが内袋で湿気を防いでいるのに対して、Lanjuは箱の外からフィルム包装してるから、少しだけパリッとして見えます。

箱に書いてある説明を見ると、喉をやられ気分が悪くなり頭が痛くなるLanjuには、合成殺虫剤アレスリン0.33%、いっぽうライオンは、アレスリン0.24%、でも、この違いだけが原因かなあ?

今まで蚊取り線香の説明文など読んだこともなかったけど、これを機会に読み比べてみると、ライオンの箱にはちゃんと、室内で使うな、人間にも有害と書いてある。ところが、Lanjuにはそういう注意など全くなしで、それどころか、自然原料をハイテクで加工してあるから効果は強力で人間には無害、湿気を帯びにくく壊れにくく、緑の製品に比べて長持ちする...なんてことが、ヘタクソな英語(よって一部意味不明)で書き連ねてありました(緑の製品とは、明らかに日本製品を指している)。

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両方に点火してみました。ライオンのほうからは、あの懐かしいニホンの蚊取り線香!の匂いが漂い始めましたが、Lanjuのほうからは... 安っぽい香水というか、トイレの芳香剤というか、その手の強烈な臭いが流れてくるのです(この臭いだけでも、参りそう...)。そして、あれ あれ あれ? 巻きが反対だ~~~!





この記事を書くのに、ちょこっとのつもりで蚊取り線香の歴史を調べ始めたら、とんでもなくのめり込んでしまって...(笑)

ニホンで蚊取り線香といえば、知名度からもシェアからもあのキンチョウさんを忘れてはならないでしょうけど、ライオンケミカルさんも、キンチョウさんも、創始者は上山姓で、和歌山県の有田という地域から始まっているのですね。お互いの社史を読み比べていると、切磋琢磨というか、近いがゆえの葛藤というか、そんなものが見えてくるような気がします。ライオンケミカルさんは、山彦製粉>山彦除虫菊株式会社>大同除虫菊株式会社>ライオンかとり株式会社&株式上場>ライオン歯磨=ジョンソン&ジョンソン>ライオンケミカル株式会社と現在に至りますが、株式上場をしたがゆえに、大会社に翻弄され、外資に乗っ取られ(?)、怒涛の1990年代を過ごされたようです。その轍を踏まじと、キンチョウさんは、なんといまだに株式非上場です。

両社とも1885年創業に拘っておられる様子、ライオンケミカルさんの基礎となった山彦除虫菊株式会社の設立が1918年で、キンチョウさんの大日本除虫菊株式会社設立が1919年、ライオンケミカルさんのスタートが山彦製粉であったこと、上山彦寿氏の存在、両社の勲章競争(笑)などを見ると、もともとは和歌山県の有田という同じ地域で(おそらく血縁同士で)協力しあってスタートしたのではないのでしょうか。どうもキンチョウさんの創始者である上山英一郎という人は、「線香」という形や渦巻き型の考案をしたあと、除虫菊栽培普及や貿易に飛び回ってて、蚊取り線香の生産現場にはあまりタッチしてなかったのでは?

ところで、化学業界の話題というブログに、夏休み特集 蚊取り線香物語 ピレスロイドの歴史という記事を見つけました。
(上山家は紀州での大手の蜜柑業者で、紀州山勘蜜柑とうたわれ、東京ではイ片:にんべんの鰹節、山本の海苔と共に食通の間で三名物ともいわれていた。当主は歴代上山勘太郎と称したため、山勘と呼ばれたもの)

上山英一郎は、その家に伝わる資力を投入し、これを農産物として、地元有田郡ばかりでなく、瀬戸内の島々から中国九州に、さらに北海道の荒地にも除虫菊の栽培を説いてまわった。

その結果、最盛期の1935年の日本の収穫量は乾花換算で12,750トンにも達し、その75%は米国に輸出されるまでになっている。
なるほど... 太平洋戦争が始まる前まで、除虫菊輸出の大半が米国向けであったなら、戦争でこの産業が蒙ったダメージは大きかったでしょうね。
1954年、和歌山の大同除虫菊の上山彦寿社長がピナミンを採用した。同氏は1943年に"渦巻線香打抜き"(7ペア自動打抜き)の特許を取得したが、使用するには至らなかった。たまたま洪水で工場が全壊したのを期に、社内の反対を押し切り、自動連続製造装置を採用するとともにピナミンに切り替えた。
他社もこれに追随し、ピナミン需要は次第に増加した。大日本除虫菊も当初、除虫菊にこだわったが、その後ピナミン使用に踏み切った。
戦後一番先に除虫菊成分の合成殺虫剤を蚊取り線香に使用したのが、元大同除虫菊、現ライオンケミカル社だったようですね。ところで、現在のライオンケミカルさんは、ナチュラルかとり線香にたいへん力を入れているようです。このサイトもお役立ち情報満載です:
「かえる印のナチュラルかとり線香」

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さて、思わず渦巻き蚊取り線香のうんちくに走ってしまいましたが、「夏休み特集 蚊取り線香物語 ピレスロイドの歴史」には、こんなことも:
蚊取線香についてのトリビア 金鳥の線香は左巻き、他社は全て右巻き
へ~~~、だからライオンは右巻きなのね。たぶん渦巻き線香の特許とかが絡んでいるのでしょうね。だから日本国外のLanjuは左巻きでもOKなのかな?そうそう、Lanjuのある広東州中山市に、キンチョウさんの合弁会社もあるようです。

思い立って、ゴキちゃんからの人気度テストをしてみました。初めのうち、両方を近づけて置いてみたところ、2日待ってもゴキちゃんがかじった形跡はありませんでしたが、

a0043520_15521349.jpg離れたところに置たとたん、←このとおり、ライオンはひと晩でガリガリやられてしまいました。ところが、1週間待っても、Lanjuにはかじり跡がついていません。やはりゴキブリに愛される(笑)ライオンケミカル社製のLion-Tiger MOSQUITO COILSのほうが、ぜったい安心でしょうね(笑)。

そういえば、昔のキンチョウ蚊取り線香には、わたしもしょっちゅう喉をやられていました。だから、日本に住んでいるときは天然素材だけの蚊取り線香を使ってた。今では、けっこういろんな種類が出ているみたいです:
子子子子子子(ねこのここねこ)「天然除虫菊の蚊取り線香」

消費者の正統な要求が企業を育てます。
今年の夏は、ぜひ天然除虫菊の蚊取り線香をお試しあれ!



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2008-07-19 22:29 | ヤップで頑張る日本製品
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