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ミクロネシアの小さな島・ヤップより
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マメ科はマメだあ
きのうから見事に北東の貿易風が緩んだ。人と会えば「今日は暑いねえ」が挨拶がわりになっている。日中の気温は28-29度と変わらないのだけど、風がやむと体感温度は高くなるのだ。これから、風の緩む日とまたぶり返す日が交互にやってくる季節になる。スコールも増えるので、草木は嬉しそう。

で、好評につき(笑)、きょうも元気なマメ科のご紹介!
写真は、アカバナソシンカ、アカバナハカマノキ、ホンコンオーキッドツリーなど、いろいろな名前を持っているBauhinia blankeana

右の写真のように、葉の形が羊のひづめのように2つに割れていることから、羊蹄木ともいわれる。花は8センチ前後にもなり、木は数メートルに成長する。花には、かすかな甘い香りがある。


ヤップは、ちょうど3年前に最大瞬間風速75メートルにもたっした大型の台風に見舞われた。そのため、たくさんの木々が倒れたり弱ったりして、生きてはいても花や実をつける力がなかったりするものも多かったが、今年は「やっと元どおりのペースが出てきたかな」と思えるような勢いがある。

この木もやっぱりマメ科なので、まだ花をつけながら、しっかりと大きな実をつけていた。まだまだフルパワーではなさそうだけど、元気で頑張れよー!

その横で、マメ科じゃなくてオシロイバナ科(Nyctaginaceae)だけど、元気なブーゲンビリアが満開状態だったので、パチリ。
ブーゲンビリア属(Bougainvillea)には色々な色の種があるけど、どれもとっても元気。台風のあとでもすぐに体力を回復していた。うまく管理すれば平気でニホンの冬を越してしまうらしいデスネ。

こちらは相変わらず元気の良いミクロネシアではタガンタガンと呼ばれているギンネムLeucaena leucocephala(右)と、まるでマメ科のような実をつけるけどノウゼンカズラ科のコガネノウゼン(Tabebuia chrysotricha))。

アメリカは太平洋戦争後、焼け野原になったグアムやサイパンに緑を復興させようと、南米原産のギンネムを空中散布した。このような安易な外来植物の導入は、小さな島の植生にとんでもない打撃を与える。コガネノウゼンは英名をゴールデン トランペット ツリーとも呼ばれ、ブラジルやコロンビアあたりの原産らしい。鮮やかな黄色い花はレイの材料として大活躍しているが、これも、ヤップに到来したのは、そんなに昔のことではなさそうだ。


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by suyap | 2007-04-17 23:09 | ヤップの自然・陸 | Trackback(3) | Comments(8)
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Commented by Mr.Radish at 2007-04-18 22:10 x
 いつも楽しく拝見させていただいております。特に、ヤップの作物や食文化に関する記述を楽しみにしています。いい加減な伝聞ではなく、御自身が確認されたことを中心に、その土地土地の文化を尊重・尊敬された文章の書きぶりに敬意を表すものです。中でも食文化は保守的で、物心つくころまでに刷り込まれた食文化の中で慣れ親しんだ食材以外の物に拒否反応を示すことが多く、最近とみに悪ふざけの度合いを増したマスメディアは、その地域に適した食文化に対する正確な理解もないまま、日本で一般的でない食材を、ことさらにゲテモノとして軽蔑・嗤いの対象として紹介することが多く情けなく思っています。
 そんなマスメディアと比較しては失礼ですが、正確な記載、さらに、土地の文化に敬意を表しつつ、「伝統」にのみ拘泥せず、変化しつつある食文化についても適切な記載をされているあたり、感激です。
Commented by Mr.Radish at 2007-04-18 22:35 x
 続きその1)
 さて、マメ科植物の件です。
1)マメ科植物の木本(木)は、日本では一般的ではありませんね。昔「ジャックと豆の木」というお話を聞いて、外国には豆の木があるんだろうかと思いましたが、疑問に思われた方も多いだろうと思います。日本でも、ネムノキやニセアカシヤなどがマメ科木本の代表ですが、タマリンドやコチョウセンナ、ハカマカズラなど、世界には沢山のマメ科木本があります。(ちなみに、サツマイモなどのヒルガオ科の起源地である中米には、アサガオの木もありますが)

2)ここで、農耕文化の話。
ミクロネシアは、根菜農耕文化に属していますが、この文化の作物学的な特徴は、主要作物がバナナ、パンノキ、タロイモ、ヤムイモなど、種子ではなく、挿し木や塊茎で増える(栄養繁殖)作物であること、ナタネ、ゴマなどの油糧作物を欠くこと(そのため、もともとは油を使う料理がなかった)、サバンナ農耕文化(穀物の種子を粉にせずに食べることから粒食文化ともいいます。地中海農耕文化は小麦の種子を粉にしますので粉食文化といいます)の随伴作物であるマメ科作物を欠くことなどが挙げられます。


Commented by Mr.Radish at 2007-04-18 22:36 x
続きその2)
3)サバンナ農耕文化では乾燥地に適した植物群の一つマメ科を食文化に取り入れることに成功しました。マメは、他の動物に食べられないよう、消化阻害物質などさまざまな防衛メカニズムを持っています。その害を回避するための技術が発酵です。日本では味噌・醤油のほかに、枯草菌を利用したダイズの発酵食品である納豆があります。しかし、サバンナ農耕文化は、日本での歴史も浅いため、それほど多様な加工方法はありません。しかし、同じアジアでも早いうちにサバンナ農耕文化が紹介されたインドネシアなどでは、利用する微生物もアカパンカビ、クモノスカビ、ケカビと多様ですし、発酵させるマメも、ダイズ以外に、果てはギンネムのマメまで、多様なマメを発酵させて食べています。
4)そこで、ご存知でしたら教えて下さい。
ヤップでは、マメは一般的な食べ物ですか?
一般的に食べている場合、どのようなマメを食べていますか?
また、どのようにして食べていますか?
ちなみに、ヤップでは、外来語として日本語の「マメ」がマーメー(maamee)と変化した形で使われているようですが、他の表現もご存知でしたら教えていただければ幸甚です。
Commented by suyap at 2007-04-18 22:57
Mr.Radishさま、
たいへん貴重な情報をご教示ありがとうございました。
ちょうど、いい加減な書きかけで終わっていた最後の部分を書きかえたところです。あまり詳細に調べる時間がなく、中途半端な記述でお茶を濁しており、あちこちに間違いをしていると思います。どうかビシバシご指摘くださいませ。

ところで、ご質問のMaameeですが、新表記ではそうなりますが、実際の発音はマメです。おそらくニホン時代に輸入されていたマメを指していたと思います。ところが今ではマメと言う人はおらず、ビーンズと読んでいますね。すべて輸入品の乾燥マメか、スネークビーンズやサヤインゲンなど、鞘ごと野菜として食べるマメを指します。そういう意味では、ヤップは、いまだに根菜農耕文化ですね。

ところでギンネムの実は食べられるのですか?
いまちょうど、美味しそうな実をたくさんつけているので、「食べる方法があったらなあ、と思っていたところです。
Commented by Mr.Radish at 2007-04-18 23:33 x
 ギンネムのマメなんて食べるの?と根菜農耕文化が色濃く残っている日本の食文化に染まっている私は思ってしまいました。
 なんと、ギンネムどころか、ナタマメやハッショウマメなど、煮ただけでは毒が強くて食べられない豆も、クモノスカビを使って発酵させて食べることができるのです。
 インドネシアは、サバンナ農耕文化では後進国で、私が実際にしっかり確認したのはここだけでしたので、それ以外のマメ発酵文化先進国の状況把握は不十分ですが、それを前提に、以下の情報をお伝えいたしておきます。
 インドネシアのジャワ島西部では、クモノスカビを使ったテンペ、ケカビを使ったダケ、アカパンカビを使ったオンチョム、と同じ納豆のようなマメ利用の発酵食品も3種類があります。マメは、ダイズから、ギンネムまで多様ですが、どの微生物を使ったかによってすべてが区分されますので、ギンネムだろうとナタマメだろうとクモノスカビを使った場合はテンペと分類されます。
Commented by Mr.Radish at 2007-04-18 23:33 x
ギンネム続きその1)
 で、これらの種菌(麹?と言って良いか?)がスーパーなどで、テンペ用のラギ、オンチョム用のラギ、ダケ用のラギ、として販売されています。ラギというのが、種菌という意味なんでしょうか?これは未確認です。ジャカルタなどのスーパーでは、ラギというと、たいていテンペ用のラギを出してきてくれます。
 ギンネムやナタマメはしっかり煮た後、粒あん状の半殺しにして、テンペ用のらぎを混ぜて練り、煉瓦状に整形し、適温で発酵させるのです。発酵させた後、この煉瓦を適当な厚さにスライスして煮たり、焼いたり、揚げたりします。私は、ギンネムのテンペ・ゴレン(テンペの揚げ物)を食べました。多少青臭かったですが、まぁダイズハンバーグというような表現が近い食べ物でした。
 とは申しましても、テンペ用のラギをどうやってインドネシアからヤップまで運びましょうか・・・。今度日本にいらっしゃる機会を前もって御連絡いただければ、テンペ用のラギを手配しておきます。もう少し詳しいテンペの作り方も聞いておきます。
Commented by Mr.Radish at 2007-04-18 23:37 x
続きその2)
 なお、マメは、いい加減な加工で食べるといろんな弊害がおこるリスクが高い食料です。マメが防衛のために含んでいる有害物質の例としては、シアン配糖体、アルカロイド、甲状腺腫誘発物質、赤血球凝集物質、消化酵素阻害剤など・・・。
 でも、人類はひ弱な生き物。毒がなくて食べやすい植物は、身体が大きくて、角や蹄などの武器で武装した草食動物に食べられ、そいつらが食べ残したものしか、人類は利用できなかった・・・。逆にそれが、調理、という技術を発達させた背景になったわけですし、また、他の動物が食べられないために大量に未利用のまま、人類に残されていた、「神からの贈り物」と考えることもできますね。
Commented by suyap at 2007-04-20 14:02
Mr.Radishさん、
テンペは昔バリ島で食したことがありますが、そんなにいろんなバリエーションがあったんですね。ギンネムも、とにかく処理をしないと食べられないということで...ミクロネシアにギンネムが来たのは、そんなに古いことではないですし、他にたくさん食べるものがあるので、おそらくこのままでは永久にギンネムの加工法は定着しないでしょうね。

今回は、マメ科の植物を中心に、いろいろな方面のことをお教えいただき、ありがとうございました。これからも、よろしくお願いします。
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