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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その四-使い捨て皿にプラ・フォーク?!

ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その四-使い捨て皿にプラ・フォーク?!_a0043520_85293.jpg元・日本国首相の森喜朗閣下肝入りの※お騒がせ※お子様団体旅行2006/現地活動報告第2弾。

ヤップ島の中心地・コロニアのホテルで2泊したお子様たちは、今年は島の北に位置するマアプ地区の小学校で「キャンプ」なさったあと、本日無事にコロニアにお帰りになりました。(マアプでの活動報告は追ってご報告するつもりです)。それで、夕方6時過ぎ、徒歩で夕食に向かわれるところに出くわしましたので、ちょっと遠景写真をいただきました。これは第1陣ですが、緊張しきった顔に引きつった笑顔を浮かべて先頭を行くのが、ヤップに来るのも初めての新顔コーディネーターさんとお見受けしました。それにしても、この団体のコーディネーターとか通訳とかで雇われる女性は、みな似通ったタイプだなぁ。うん、はっきりいって可愛い系、モノゴトを追求しないタイプ、自己主張しないタイプ、で、役割に「なりきれる」タイプ...わたしじゃ応募しても採用はムリだわねぇ(爆)。

ところで子供さんたち、どうして皆なうつむいて歩いているんでしょう?よそ見しないでわき目もふらず、黙々と行軍?そっか~、来るべきときに備えて、今から〇事教練なんだもんねぇ?ヤップでも余計なものを見ちゃいけないよ。言われたものだけ、見るんだよぉ~(笑)。

(ご注意)
「続きを読む」をクリックしてやろうという殊勝なお方で、まだ下記の記事を読んでない方は、ぜひこちらから順番に見てやってくださいませ。
1)いきなり、ぶっちまけ
2)ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その壱
3)ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その弐-(財)モラロジー研究所との絡みは何だ?
4)ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その参-ご到着1日目

ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その四-使い捨て皿にプラ・フォーク?!_a0043520_8531961.jpg第1陣に後れること約50mで、第2陣がやってきました。ちょっと写真が暗くて見えづらいですが、右端にヤップ州離島出身のフンドシ姿のおじさんが、道をふさがれてビックリ立ち止まっています。

こんなに多くの人間が固まって動くというのは、ヤップではコロニアといえども「異常」な光景です。また、何人かが固まって移動する場合には、必ず1列縦隊になるという慣習があります。デート中の男女でも、公衆の面前では前と後ろになって歩きます(最近はメリケン・ナイズされて突っ張ってる若い子も出てきたけどさ)。それは、昔ながらの村の道は細いので並んで歩くと、すれ違うときに邪魔くさいのと、横に並んでいると、なんだか「徒党を組む」みたいで不穏な空気をかもし出す、からだと思います。だから、こんなにまとまった人数に「徒党を組ま」れると、このおじさんのようにフリーズしちゃうんですよね。

こちらの習慣では、向こうから人が来るのを見たら、先に避けて道を譲ってあげるのが謙譲の美徳、という雰囲気があります。年齢や立場などでランクが明らかに違う場合には、下の方がさっと避けますし、どっちかなあって関係の場合は、謙譲しあうか、優位を主張したい方が避けないでゴーします。見ている分には面白いですけど、自分の番になると咄嗟に身体が反応せず、「あの人には道を譲っておくべきだったなあ」と後悔することが多いです。小さな島の中での自分の位置づけを始終意識して生きている人たちと、のほほ~んと暮してきた異国者じゃ、無意識のレスポンスが違うんですよね。ここら辺も、小さな社会に異分子が混じった場合に引き起こす波紋、という面で見ていくと面白いのですが。それはさておき、ここは日中は車もガンガン通る、東京で言えば環7みたいな通りです。こんなに広がってちゃ危ないわ、それも交差点の手前で(笑)。

わたしは反対車線の横の空き地で人待ちしてて、車中から上の写真を撮ったのですが、お子様たちの追っかけをするほど暇じゃありませんので、仕事場に戻ってきました。それでやり残したデスクワークを見て、「ああ今日は残業だなぁ、お腹、空いたぞぅ」だったので、店から徒歩5分のガニール・レストランに、イカ・フライ&ライス(こちらでの名前はフライド・カラマリ)をテイクアウトしに弁当箱さげて行ったわけです。そしたら、なななな、ナント(笑)、あのお子様団体がテラス席でお食事中だと言うではないですか!?室内席からもその喧騒が聞こえてきますし、レストランのオカミさんは椅子やショウユを持って走ったりしてて、大忙しのようでした。

ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その四-使い捨て皿にプラ・フォーク?!_a0043520_13182960.jpgオーダーしたテイクアウトが出来上がるのを待つ間、レストランの従業員やご主人と話したりしてたわけですが、いきなり外から例のコーディネーターらしき女性が入ってきて、わたしの目の前を通り過ぎざま、なおかつ彼女の目は真っ直ぐ前を見詰めたままで、声高く、「こんにちわ~」と発声したわけです。これは異常事態です(笑)。

第一、わたしは彼女と全く面識がない!
第二、彼女はわたしを日本人と認識している!
自慢じゃありませんが、初対面でわたしのことを一目で「日本語を解する人間」と認識してくださる方は、10人に1人もおられません(笑)。万が一、彼女がその10人に1人だったとしても、面識もない人間に、自己紹介のつもりもなく、目もあわせないで、通りすがりざま、挨拶、するでしょうか?彼女は、わたしのこと(顔やいでたち)を「あらかじめ知っていた」という印象を強く受けました。

余談ですが、わたしはこういうアクの強い人間ですし、ヤップに来てまで日本人だけでつるむこたぁなかろと思いますので、個人的にたいへん親しくおつきあい頂いている方は何人もおられますが、ヤップの日本人会的なものとのおつきあいは、ずっと固辞してきています。それでも、わたしよりも前からヤップに住んでおられた日本人の方々には、住み始めてから日を置かずにご挨拶に伺いましたよ。これは、犬や猿だってやっている、つきあいを始める上での仁義です。その後で、親しくおつきあいするも、疎くおつきあいするも(笑)、なんら支障はないわけです。ところが、最近やってきた若い人たちの中には、最初の仁義もきらないで、「スーにコンニチワと言っても、挨拶が返ってこなかった」って陰で文句を言ってるのが居るようです。しかし、わたしには面識もない人間に、自己紹介もされず、目もあわせないで、通りすがりざま、何かを発声されても、それを挨拶とは認められないわけです。ところが「挨拶」を返してもらえなかったとすねて(笑)受け取る彼らは、「スーさんは変わってますねえ」とか、「とにかく難しい人ですよ」とか、「誰からも嫌われてますよ」とかいう彼らのわたしへの評価を、いっそう新たにするのでした(笑)。ところで、この「通りすがりに奇声を発する」というのは、いまのニホンの新しい仁義の切り方なのでしょうか?敵か見方か確認するためだけの...?

それで、例のコーディネーターの彼女、わたしの前を緊張して通り過ぎてカウンターのほうへ行ったと思ったら、何をするでもなく引き返してきて、足早にわたしの前を(今度は無言で)通って外に戻って行きました。あんたねえ、何しに来たのサ?偵察かい?

そのうち子供達のテーブルが一段落ついて、オカミさんが戻ってきました。
わたし: ねえ、彼ら何食べてるの?儲かった?
オカミ: それがねえ、ビールのハーフ・ケース(※)に料理を詰めて出してくれって言われてねえ(苦笑)。それも安い料理ばかりで...33人分で飲み物つけても、売り上げは300ドルをう~んと下まわるのよ。
わたし: 負けてくれって、しつこく頼まれたんじゃない?
オカミ: そうなのよ。あの人たち(前年も来ている)、いつもそうよ。
わたし: それで、ほんとうにハーフ・ケースで料理出したの?どうやって食べてるの?
オカミ: そりゃ、言われるとおりにしたわよ。みんなプラスティックの使い捨て皿とフォークで取り分けて食べてるわ。うちの取り皿を出すって言ったのに、コーディネーターがいらないって言うんだもの。あんな食べ方させちゃ、子供たちがかわいそうねえ。

(※)ビールのハーフ・ケース
缶ビールや缶入り清涼飲料の1ダース箱を横に並べて2つにまとめるための薄くて浅いダンボールの箱。各商店に行けばタダで分けてくれるので、大人数のパーティ料理を出すのによく使われる。もちろん箱の上にラップやアルミホイル、またはバナナの葉を敷いて料理を盛ってある。

そこで思わずドアのガラス越しに覗いて見ると...

ほんとうだぁ。まるでヤップの野外パーティのように、真ん中のテーブルに並んだ箱入りの料理を、ペラペラのポリ樹脂製使い捨て皿に、各自、好きなものを好きなだけ取ってきて、プラスティック・フォークで食べにくそうに口に運ぶ子供たち。ドア近くにはあの女性のコーディネーターと、もうひとり大きな男性が座っていて、両人でこっちをキッと睨んだので、速攻で観察中止して退散しましたけど(笑)。

これじゃ、レストランとしても見てられないだろうな。そのためにコストが下がるわけじゃなし(使い捨て皿&フォーク代が別にかかる)、第一、他のお客から見ても格好が悪いので迷惑でしょう。どうしてお子様団体は箱入り料理と使い捨て皿&フォークでの食事にこだわるのかな?ただひとつ想像できるのは、このキー・ワード、「ミクロネシア諸島自然体験」。そうだ、自然体験>>キャンプらしい食事>>ヤップでは野外パーティはビールのハーフ・ケースを使うから、ハーフ・ケースで料理を出して、使い捨て皿&フォークで食べさせれば、キャンプらしくなる!というお馬鹿な発想、これしかありません(爆)。

そんなにキャンプにこだわるのなら、コロニアのホテルなんかに泊まらないで最初から最後までどっかでキャンプをすれば良いのに。自分達で鍋釜・食材も運んで3食を自炊すれば?そして世話になったヤップの人たちを自分らで作った食事に招待すれば?そうしてこそ、ヤップの人たちも、美味しいローカル・フードをハーフ・ケースに満載して持ってきてくれて、本物の交流食事会ができるというのものです。実はいま、ニホンから来た全く別口の小さなNPOグループが、そういう生活をヤップのある村で送っています。こっちは大人・子供あわせて、たった9人ですけど。

形ばかりまねて、コロニアのレストランで、レストランの作った料理を箱に詰めて、レストラン内で、使い捨て皿&フォークで、日本人だけでご飯を食べたって、何の意味もないでしょう。それどころか、こういう場で、このような食べ方を子供に体験させるというのは、しつけ教育上もよろしくないと思います。食事のマナーというのはTPOがついてまわるもので、ちゃんとしたレストランで、わざわざ使い捨て皿&フォークじゃ、感受性の高い子供なら、きっと恥ずかしく思うでしょう。

それに、この使い捨て皿とフォークには、もうひとつ大きな問題があります。
ヤップのように小さな島でのゴミ問題はとっても深刻です。昔は放っておけばすぐに自然に返るゴミしかなかった島が、今は自然に返らないゴミでどんどん埋め尽くされているのです。ゴミ大国であると同時に多少はゴミ処理先進国でもあるニホンから来て、平気でポリ樹脂製の使い捨て皿とプラスティック製の使い捨てフォークを(使わなくてもすむ状況なのに)敢えて使う神経が信じられません。彼らが使い捨てた皿とフォークが、これから何百年もヤップの土を汚していくということを考えたことはないのでしょうか?それを使わせられる子供たちにも、このままではゴミ問題への意識は永遠に育たないでしょう。アメリカの消費経済の荒波に押し流されて、無批判にこういうゴミ製品の使用を続けているヤップの人たちに、ゴミ問題への意識が多少は高まっているニホンから来た人たちができる大事なことは、ヤップの人たちと、こういう使い捨て製品が島を荒らすという情報を分かち合うことなのに、自ら大量のゴミを排出してちゃねぇ...それに、ポリ樹脂皿の安全性も問題だしぃ...

今年も大量に、飛ぶ鳥後を汚して、お帰りになりますか?


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(参照:森喜朗@ミクロネシア)
いきなり、ぶっちまけ
http://suyap.exblog.jp/2350980/
ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その壱
http://suyap.exblog.jp/3543578/
ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その弐-(財)モラロジー研究所との絡みは何だ?
http://suyap.exblog.jp/3699066/
ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その参-ご到着1日目
http://suyap.exblog.jp/4030932/
ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その五-やっぱり・・・
http://suyap.exblog.jp/4182374/
ミクロネシア諸島自然体験‐2007年少年少女自然体験交流-その壱
http://suyap.exblog.jp/5926151/
ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-幕開け
http://suyap.exblog.jp/7354074/
ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-島内散策
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ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-異文化交流
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ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-海辺の活動
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はやく日本に帰りた~い-ミクロネシア諸島自然体験‐2009年少年少女自然体験交流
http://suyap.exblog.jp/8718115/



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by suyap | 2006-07-31 23:14 | ヤップと恥ずかしいニホン
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