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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

suyap.exblog.jp

ヤップ州教育省

天候: 晴
風向: 東
風力: 10ノット
気圧: 1006hPa
湿度: 68%
気温: 30.5℃
過去24時間の最高気温: 31.1℃
過去24時間の最低気温: 22.8℃
(4月22日午後3時52分現在のヤップ気象データ)

4月6日発売の週刊文春4月13日号に載ったヤップ記事には、「携帯電話にも、インターネットにも、テレビにも無縁の世界」って書かれていたけど、実際は、このグラビアの見開きに載ってる解像度の悪い真っ青な写真に写ってるオチョラップ村の男の集会場から徒歩3分のところには、インターネットで日本や世界とバンバン交信してる人たちが住んでいるし、ちょっと坂道を登って行けば小学校があって、そこではパソコン授業がバンバン行われている。それを知らなかったとは言えませんよね>>濱川聡一郎さん!

◆問題の文春を読んでないけど興味のある人は、図書館で閲覧できるみたい♪

a0043520_18214884.jpgそれだもんだから、今日はヤップ州の教育の総本山、ヤップ州教育省をちょっと紹介しておくことにした。ヤップ州政府には各Departmentがあって、これはアメリカ政府なんかだとナントカ省というふうに訳されているけど、ヤップは州だから「県庁教育部」みたいなもんじゃないかと言う人もいるかもしれないが、中央集権志向が強くて地方自治がどんどん軟弱になっている日本と違って、ミクロネシア連邦の州というのは独立国みたいなものだから、わたしは「省」と訳しておく。写真は今の教育省のコンピューター・ラボから海を眺めて撮ったもの。

a0043520_18223486.jpg場所はコロニアの高台・カソリック教会の隣にあって、日本時代にはここに「ヤップ公学校」があった。公学校というのは、南洋庁(日本がミクロネシアを委任統治していた頃の統治機関、パラオに本庁があった)が設置した「島民」のための学校で、義務教育は3年、その上に高等科というのが2年あった。当時たくさん住んでいた日本人の子弟は、別に「小学校」といわれる日本人のための学校に行っていた。ここで紹介する写真は、上の写真とほぼ同じアングルで撮られたと思われる昭和10年前後のもの(O氏提供)。海に浮かぶ船も見える。なお公学校はヤップにあと2つ、合計3つあった。

a0043520_18231494.jpg上記2枚の反対側から撮った現代の写真。いま車がたくさん止まっている場所は、当時の運動場。

a0043520_18243970.jpg2枚目の写真の反対側から撮ったもの。頑丈なコンクリートの建物と、校長ご自慢の高い(国旗)掲揚塔が見える。

a0043520_18251381.jpgそして、かつての運動場の海側に設置されているのが、このパラボラ・アンテナ。これでヤップ州のすべての学校がイントラネットで結ばれているし、太平洋の島嶼国の学校同士でワークショップやセミナーも行われている。

ヤップ州は東西1200キロ以上にわたる広大な海域に138の島があり、そのうち22島に人が住んでいる。わたしが住んでいるヤップ島はその西の部分にあって、州人口の約6割強を擁する大きな島だけど、その東に向けて1000キロ以上も、数百人程度の人々が住む環礁島や孤島が散らばっている。それらを物理的につなぐのは、州の連絡船マイクロスピリットと近場の3島に飛ぶ軽飛行機のみ。

それでも、昔から各島間は無線による頻繁な交信で結ばれていた。ヤップには各島嶼グループから送られた代表者が住んでいて、彼らの朝夕の無線連絡で、島のニュースやヤップのニュースは割りと瞬時に伝わっていた。

そこに2年くらい前からこのイントラネットが加わったわけ。
まずヤップから一番近いユリシー環礁では、既に携帯電話もインターネットへの直接アクセスも可能になっている。それ以外の島では、各小学校や高校(ユリシーとウォレアイに高校がある)のパソコンを通して本省コンピューター・ラボのサーバーにつながり、そこからメールは配信される。各島にメイルを送るときはその逆で、本省コンピューター・ラボから各島あてに配信される。

と、ここまでは情報の伝達は瞬時で行われるが、そっから先は今まで通りのマニュアルだから、迅速なリスポンスを期待してはいけない。たとえば、わたしがある島のAさんに連絡したくてメイルを送ったとしても、そのメイルが島の学校に届いて、それを読んだ人がAさんにスーからメイルが届いていることを伝えに行って(たぶん徒歩)、それからAさんがオッチラオッチラ学校まで読みに来て、それから返事?Aさんがパソコンに慣れてなかったら?無線のほうが早いじゃん(笑)

だから、わたしのような世代にはオーソドックスな手紙か無線が手っ取り早いのだけど、ヤップ州の隅々まで浸透しつつあるこのIT化の波は、確実に若い世代の意識を変えていくだろう。それは「良くも悪くも」だけど、まっすぐな叡智をもった人たちがITを使いこなせば、いまの悲惨な地球の方向を、少しは良い方向にもっていけるかもしれない、と、わたしは夢想したりもするのだ。


※ヤップの旅の情報はこちらでどうぞ※
ネイチャーズウエイ
http://www.naturesway.fm/index2.html
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by suyap | 2006-04-22 17:58 | ヤップな日々
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