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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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朽ちゆく座礁船を見ながら

静かなウィークデイの午後、近くのスモール・ビジネス・センターの裏で、ある女友達と、まったりおしゃべりの時を過ごした。目の前の海に見えるのは、7年前の台風で座礁したあと、どんどん朽ち果てながら打ち捨てられている小型貨物船。
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うちの子がいまパラオから戻ってきてるのよ...だから、いろいろ大変で...。もう6月半ば、島外の学校に行っていた子供たちは、学年末を迎えてヤップに戻ってきている。親たちとしては、なんとなくホッとしたり頭を痛めたり。ティーンエイジャーの子を持つ親の心配はどこの国でも同じだろうけど...。

うちの子じゃないんだけど、亡くなった妹の子がね、米軍に入りたいって言ってるの...。目下侵略戦争中の他所の国の軍隊に入りたいと、ある日突然、自分の子が言いだす心配は、とりあえず日本の親御さんにはないだろう。

おばあちゃん(彼女の母)の家に住んでいるんだし、あの子やその下の子供たちの学費もファミリーで面倒見るから、米軍に入るなんで考えないでって言うと、下を向いてボロボロ泣くんだよ...。9.11のあと、アメリカのブッシュ前大統領が「テロとの戦い」を宣言して以来、人口がたったの11万人しかいないミクロネシア連邦からも、多くの若者が米軍に「志願」した(1100人‐総人口の1%!‐が現在も軍籍にあり)。そして、この10年間で今日までに、なんと16人(うちヤップ州からは4人)が「職務中」に死んだ。もちろん、その多くがアフガニスタン、イラク、そしてクウェートでの「戦死」。

あの子はね、私たちの世話になるのが気兼ねでそう言ってるんじゃないの。米軍に入ると「家」が持てて、弟妹と一緒にアメリカに住めるからって夢見てるんだよ。それを強く止められる両親はもういないし、やりきれないね...。

つい先月も、米軍のリクルーターがヤップに来ていた。米軍に入りたいという子供に、諸手を上げて賛成する親はそんなにいないが、それでも志願する若者は後を絶たない。今回は何人、出て行くのだろう...。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2011-06-15 02:00 | ヤップな日々
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