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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ヤップに無事戻ってます

放射能の舞い降りるニホンを後にして、数日前にヤップに戻って参りました。長いことブログの更新をせず、ご心配をおかけしました、すみません。

たったの6日間ほど留守にしただけなのに、ヤップの友人どもやスタッフらがホッとした顔で迎えてくれたのには、ちょっとウルッときた。ニホン滞在中にも酔っぱらって定時のメイル連絡を怠っていたら、G嬢からはすぐに「大丈夫なの?何かあったの?」とメイルが飛びこんできたし、こんな事態の中をニホンに行くってことで、やはり、みんな心配してくれてたみたい。
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そして戻ってくるなり、Tおばあさんから電話がきた。コヤンが完成したから、遊びにおいで!と。 コヤンというのは日本語の「公園」からきた言葉で、おそらく日本統治時代、東屋のある広場のような場所を日本人が「公園」と呼んでいるのを、いつのまにかヤップ人は東屋そのものをコヤンと呼ぶようになったのではないかと思うけど、ともかくヤシ葺き屋根の壁のない休憩所のような建物のこと。閉鎖空間に長いこと閉じこめられるのが苦手なヤップ人は、セメント壁にトタン屋根の立派な家があっても、たいてい庭先にこのような「涼み所」を設けている。7年前の台風後に今の家に移り住んだTおばあちゃんのところには、長いことそういうコヤンがなかったのだけど、孫や甥たちの力でようやく、新しいコヤンが出来上がった。

上がっておいでと言われても、正面からみると床の高さは私のへそ下くらいもある。よじ登るのにちょっと苦労しながら、いったいTおばあちゃんはどうやってここを登ったのだろうと思っていると、こっちこっち、と笑われた。木々の茂る裏側には、おばあちゃんがちょうど良く座れる高さに土が盛り上がっていた。土地の段差に合わせて柱の高さを変える…典型的なヤップ式建築法!

a0043520_14424349.jpgまだ出来たてのコヤンの中には何もなかったけれど、Tおばあちゃんが座っている場所の反対側には、そのうちカマドが設営されるはず。なんたってローカルフードは直火が一番おいしいし。そして、このコヤンは家族みんなの居間+食事場となり、近隣の客人の応接間ともなる。

しばらく静かな午後の風にくつろいでいると、おばあちゃんから東北の津波のことを聞かれた。原発の話は90歳を超えたTおばあちゃんにはピンとこないみたいだけど、ヤップにも津波の伝説があるし、7年前の台風では、高潮によっておばあちゃんの家も全部流されちゃったので、東北の津波による被害のことがとても気になるようだ。被災地域の広さや被災者の数を言っても想像を超える数字らしいけど、みなさんのことをお祈りしましょうねと、敬虔なカソリック信者のTおばあちゃんは静かに十字を切った。

そんな話をしながらも、ときおり通りのほうに目をやっていたTおばあちゃん、突然、あのバナナの株はどけたほうが良いですねと。どうして?と聞くと、うちの前を通って行く人が、もっと良く見えるでしょ? ありゃありゃ、もうこれから、おばあちゃんに内緒で、この道を通り抜けることはできなくなりそうだわ(笑)。それなら、そのバナナの若い株をひとつ、わたしに分けてくださいな、とお願いしておいた。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2011-04-09 14:43 | ヤップな日々
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