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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)-海上編

3日間のカヌー・フェスティバルの期間中、伝統カヌーの帆走だけでなく、いろんな海の競技が行われている。

下の写真は、太平洋のスポーツ競技会で正式種目となっている6人乗りのシングル・アウトリガー・パドリング・カヌーのレース。この競技では、500メートルのスプリント、1500メートルの中距離、それに長距離の3種目を、それぞれ男子、女子のチームが競う。
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下の写真は、基本3人で操船する中型のカヌーのレース。村やムニシパルごとに結成された操船チームが、マリーナの前から帆を上げて、ウォネダイ水路の入口までの往復を競う。

第1日目に行われた竹筏(いかだ)レースは子供だけだったが、木製カヌーのパドリング(シングル/タブル、男/女)、トタン・カヤックのパドリング、水泳(25メートル/50メートル)は、勝ち抜きで最終日の決勝まで行われる。このほか初日には外洋帆走用カヌーのレースも行われたようだが、ダイビングに出ていて見そびれた。
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海の競技を観戦するのもおもしろいけれど、2日目のわたしのチェック・ポイントは、転覆したカヌーを起こす技術のデモンストレーションだった。

ミクロネシアのシングル・アウトリガー帆走カヌーは、風を受けると船足は速いけれど、帆を返すタイミングを誤ったり、風を受けている帆側(アウトリガーの反対側)に重心がいきすぎると、簡単にコロリとひっくり返る。「それでも木で出来たカヌーは沈みませんから、今の船よりも安心ですよ」と、ある船大工のおじいさんは、よくわたしに言っていた。
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だから、「カヌーは簡単に転ぶ」ということを前提に、クルーは転覆したときの対処法をしっかりと身につけなければならない。

写真上のカヌーは、マリーナの前まで帆走してきたあと、クルー全員が帆側に寄って、わざとバランスを崩しているところ。
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なかなか倒れないなと思っていると、アッという間にコロンと↑まっ逆さま↑にひっくり返った。

転覆したカヌーの下から、クルーがなかなか浮き上がって来ないのは、水中で帆やロープや舵をかき集めるのに忙しいから。実際のケースでは、自分の荷物の回収もあるだろうから、もっと大変だ(笑)。
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数分後にようやく、ちらほらと人影が見え始め...(写真上)
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大事な帆や舵の回収を終えたクルーが、船底を上に浮いているカヌーに、次々とよじ登ってきた。おじいさんが言っていたとおり、こんなときでも木は浮いているから安心だね(笑)。

次の作業は、マストの片端をアウトリガーにかけて、もう一方の端に結んだロープをカヌーの座敷側を結わえることだ。
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マストの両端が固定されれると、上に腹を見せているカヌーの船底をテコにして、クルーの体重をアウトリガーのほうにかけて、そちら側をできるだけ沈めるようにする。中型帆走カヌー・レースに出艇したカヌー(写真上)が、傍らを通リ過ぎていく。
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中型とはいっても、カヌーはなかなか重い。シーソーのように何度も左右に揺すっている。
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あっ、30度までマストが起きた!
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う~ん、ただいま50度!
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おお、60度まで行ったよ、あと少し!!!その傍らを、500メートル・パドリングの艇(上写真)が通り過ぎ...
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つい目がそっちを追っていた瞬間、あっという間にカヌーは起き上がっていた!カヌーは転ぶのも速いけれど、起きるのも速い(苦笑)。
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起きたすぐのカヌーには舷側まで水が一杯だから、今度はアウトリガー側の船べりにクルー全員がつかまって、再びカヌーをアウトリガー側に傾け、水をこぼす作業を繰り返している(写真上)。
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クルーがなんとか数人乗れるところまでカヌーが浮いてきたところで、競技の邪魔にならない岸まで、ボートで曳航されることになった。
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そして今度は足の立つところで、前後にゆっさゆっさとカヌーを揺すると、あら不思議!両端からバッサンバッサンと海水がこぼれていき、艇は見る見る浮き上がってきた。

とはいっても、曳航してくれる僚船がいなかったり、近くに浅瀬がないときには、ひとりふたりが艇に上がって、延々とアカ汲み作業を続けるのだろうなあ...。


第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(1日目)
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第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)-陸上編
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第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル(3日目)
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第二回ヤップ・カヌー・フェスティバル-伝統踊り編
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第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(1日目)
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どしゃぶりの第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(2日目)
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第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(3日目)海上編
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第三回ヤップ・カヌー・フェスティバル(3日目)陸上編
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by suyap | 2010-11-13 23:31 | ヤップの伝統文化
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