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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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テレビと頭と梅原猛

テレビと頭と梅原猛_a0043520_1419086.jpgヤップに戻って以来、おおむね、のどかな日和に恵まれている。わたしが島を離れる直前の貯水池の水位はかなり低く、このまま雨が少なかったら、戻ってくる頃には断水が始まっているかもと心配していたけれど、留守中にかなり雨が降ったらしく、どうやら旱魃の恐れは遠のいたようだ。

これからは、貿易風が強く吹く日と緩む日が数日おきに繰り返されて、だんだんと季節が変わっていく。それでも天気の良い日にはまだスコールは少なめだから、土地も草花も乾いていて埃っぽい。

テレビと頭と梅原猛_a0043520_14193165.jpgところで今回の記事だが、前回の記事を「おやすみなさい」で締めくくって、その続きを書かなきゃと気になっていたので、その件をまず片付けておこうと思う。

わたしは、今回の2週間近くの日本滞在中、宿舎に戻るとついテレビのスイッチを入れて見続けてしまう、他のことをしていても音が聞こえ画像に振り向く、止められない止まらない〇〇〇の...状態になってしまったことは既に書いた。日ごろテレビを見ていないのと(ヤップでも月々の契約金を払って受信機を置けば地デジでNHKまで見られる環境があるが、敢えてそれを拒否している)、電話回線でのインターネット接続ではYouTubeなどの動画を下ろすなんていう無茶はほとんどできないので、動いてしゃべる政治家の顔すら物珍しかった(笑)。まあ、そんなわけで毎日ワンワンとテレビの音や画像に取り巻かれているうちに、だんだんと自分の頭が思考停止に陥っているんじゃないかと思えてきた(まあ、旅先の疲れも出ていたのかもしれないけどね)。それなのに、またスウィッチを入れてしまうこの矛盾(笑)。

テレビと頭と梅原猛_a0043520_1420657.jpgそんなおり、街中で商売をする同世代の友人と話すことがあり、発想に余裕がなく非常識な反応を示す客が多い年代は...ということで上がったのが、老年期テレビ世代だった。もちろん、その年代にも意識的にテレビを避けて生き生きと活動しておられる方々が多いことも承知の上で敢えて書いているわけだが、意識的にテレビや新聞を避けないと知らず知らずにそれらに絡め取られてしまうように、現在の日本の生活はなっている。

こんなブログ記事を書くわたしのことだから、テレビから聞こえてくるアナウンサーやコメンテーターのまことしやかな語り口には、いちいち文句を言いつつ、すべてのニュースや評論をナナメ横縦ひっくり返して解釈してはいていも、毎日毎日、聞こえ見せつけられる音声・画像は、脳内にじわじわと暗示効果を及ぼしていく...ような気がして、恐い、と思った。

今回は新聞・雑誌にはほとんど手を出さなかったのだが、最後に、醤油やら味噌やら日本蕎麦やらをヤップへ運ぶ(笑)荷物のパッキング用に、駅の売店で夕刊紙を何部か手当たり次第に買ってきた。読むつもりはなかったのだが、それらを取り出し、一面をさっと見比べてびっくりした。毎日・朝日・読売・東京...みんなほとんど同じような紙面割り。読む気も起きず、それらをさばいて、蕎麦やら味噌やらをくるんでいたのだが、ふと、首相が宇宙人では困るという見出しに目が止まった。著者を見ると梅原猛、4月12日付東京新聞夕刊9面に掲載のコラムだった。

なにごとかと思い、つい読んでしまって、なおさら驚いた。梅原せんせい、どうやらハトポッポ、それ以上に小沢一郎さんが大嫌いのようである。さっき検索したら★阿修羅♪に中日新聞からの全文コピーが載っていたので、興味のある方はご覧いただきたい(コメント欄もぜひ):

★阿修羅♪:思うままに 梅原猛/奇人は芸術家にかぎる 首相が宇宙人では困る
http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/318.html

ヤップに戻ってくる直前、わたしの頭もテレビでズブズブになってたし、上記のような友人との話もあったので、わたしはてっきり、さすがの梅原せんせいも、齢80歳を越えてとうとうテレビ病患者になってしまったかと思いこんだ。ところが調べてみると、梅原せんせいの小沢嫌いは今に始まったことではないらしく、この記事をこのタイミングで書くにあたっては、裏の筋の計算も働いているような気配もしてきた。

まずググッて、Wikiの梅原猛で見つけたのがこれ:
また、熱烈な多神教優越主義者、反一神教主義者で、多神教は一神教より本質的に『寛容であり優れている』と主張しており、続けて多神教が主流である日本文化の優越性を説いている。その説は多くの「日本文化の優越を語る日本人論」に影響を与え[2]、そのため梅原は、中曽根康弘が創設を主導した「国際日本文化研究センター」の初代所長に就任することになる。
「一神教よりも多神教」というところにわたしも惹かれて、梅原せんせいの著作は何冊か読んではいたのだが、そうそう、国際日本文化研究センター所長という経歴も彼にはありましたなあ。それが中曽根大勲位のお声掛かりでスタートしていたことを、コロリと忘れていたわ。あの、たちがれ日本の裏で蠢いておられるらしいナカソネ大勲位(笑)。

梅原せんせいはまた、今年2月15日付の同コラムでも、小沢一郎攻撃をしていたこともわかった:

「小沢一郎氏に恫喝された」と哲学者の梅原猛氏が暴露
http://www.tanteifile.com/newswatch/2010/02/18_01/index.html

しかし、上記リンク著者が最後に書くとおり、「梅原さんと小沢さんは、ある意味ではそっくりです」と、わたしも思う。また梅原せんせいが小沢さんを非難すればするほど、自ら確執、ひいては老いて恥を晒すことになりはしないか?

「恫喝された」と強い言葉をメディアに放つなら、その根拠となる小沢一郎からの手紙とやらを公開し、小沢に会いに行くのが嫌なら、その理由を論理的に述べて、世の判断を問うというのが、「学者的アプローチ」というものではないか?それが、こんな負け犬の遠吠えのような書き方じゃ、自らの品位を落とすだけだよ。そして、小沢一郎が集めた金で私腹を肥やすような人ではないことは、多くの事実で証明できるし、多くの国民もそれに気づいている。

政治家・小沢一郎と、哲学者(?)・梅原猛。どこやらで密かに練られた設計図にのっとって流動する世界の中で、なんとか日本丸を転覆させないように、あらゆる情報網を駆使しながら頑張っているのが誰と誰で、その反対がどういう人間らか、これからはもっと判り易くなってくるだろう。そういう世界観なき哲学者は、ただの夢想家どころか、気づかぬうちに負の歴史に加担さえすることになる。うちの本棚にある梅原本が、急に色あせて見えてきた。

インターネット環境にあってもなお、新聞購読を止めるのは知的情報から取り残されるようで恐いという人がいた。もう、いい加減に目覚めて、気づいてください:「知」は与えられるものではなく、自ら求めるものであることに。

それにしても、自ら「知」を求めたいというモーティベーションを、テレビや新聞は殺いでしまうんだよね...そこが、問題なのだ。戦後アメリカによって日本にも植えつけられた、スポーツ、スクリーン、セックスという3S愚民政策、これにはやく気づき、まず自ら離脱を試みることから何かが始まると思うけど。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2010-04-18 09:10 | 新聞捨ててテレビを消そう
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